司波達也【しば・たつや】は、国立魔法大学付属第一高校の2095年度入学生。
「劣等生」として入学し、優劣を超えた「規格外」の生徒として卒業した[Ⓝ劣-32-258]。
国立魔法大学では、欠席が多すぎて目を付けられている[Ⓝメ-1-119]。
国防軍の特務士官で、日本の国家非公認戦略級魔法師。
FLTの天才魔工師「トーラス・シルバー」のソフトウェア担当者でもある。
深雪以外のことについては感情の欠落があり(「強い衝動」を持つことができない)、唯一本当に大切に想うことができるのは深雪のことだけである。深雪に対する感情は、達也の心に残された唯一の「当たり前」である[Ⓝ劣-4-357,25-93]。
それゆえ、深雪以外のことは「本質的にはどうでもいいこと」と考えており[出典?]、深雪を守ること、深雪のためになることを、行動の最優先事項にしている[出典?]。
自身が7歳、かつ深雪が6歳の頃(2086年4月24日~2087年3月24日の間)から、深雪のガーディアンを務めていた[Ⓝ劣-8-93]が、(真夜の策略によって)2097年1月2日、実は四葉真夜の息子であること、そして司波深雪の婚約者となったことを日本魔法界に向けて公表された[Ⓝ劣-17-28]。
これに伴い達也は、「『深雪のガーディアン』という地位は変更されたと考えるべきだ」と述べており[Ⓝ劣-21-91]、実際に2097年6月29日時点で「既にガーディアンではない」と明記されている[Ⓝ劣-26-240]。
多くの実績を積み重ねており、2100年時点では、「使徒」となった一条将輝が辛うじて知名度で並ぶ程度、というほどのものとなっているが、恐ろしさでは達也の方が数段上である[Ⓝメ-3-247]。
生没年 | 2079年4月24日~ |
体型 | 2092年 165cm/–kg 2095年 175cm/70kg 2096年 178cm/73kg 2100年 182cm/–kg |
二つ名 | 魔醯首羅/沖縄の悪魔/Demon Right |
家系 | 四葉家 > 司波家 |
家族 | 父 司波龍郎(2097年1月以降は戸籍上は義父) 母 司波深夜(2097年1月以降は戸籍上は伯母/故人) 義母 司波小百合 叔母 四葉真夜(2097年1月以降の戸籍上の母) 妹 司波深雪(2097年1月以降は戸籍上は従妹で婚約者) |
所属等 | ■四葉家 深雪のガーディアン(7歳~) 深雪の婚約者(2097年1月1日~)
■FLT(不明~) ■国防軍 ■私立東京成青中学校(2092年4月~2095年3月)[GB-追-1] ■第一高校(2095年4月~2098年3月) ■国立魔法大学(2098年4月~) ■メイジアン・ソサエティ ■㈳メイジアン・カンパニー ■㈱ステラジェネレーター |
技能 | 分解 再成 精霊の眼〈エレメンタル・サイト〉 無系統魔法 古流体術 フラッシュ・キャスト 魔法の開発 CADの開発 CADの調整 など |
装備 | 「トライデント」 「サード・アイ」 完全思考操作型CAD 「シルバートーラス」 バリオン・ランス用CAD フリードスーツ 「ウイングレス」 「エアカー」 「サード・アイⅡ」 など |
製品開発 | シルバー・ホーン 飛行デバイス 恒星炉 完全思考操作型CAD 「シルバートーラス」 「マジストア」 など |
魔法開発 | ループ・キャスト・システム 飛行術式 能動空中機雷〈アクティブ・エアー・マイン〉 徹甲想子弾 散弾型不可視の弾丸 バリオン・ランス 想子印によるマーキング ゲートキーパー 術式凍結〈フリーズ・グラム〉 封玉 アストラル・ディスパージョン 海爆〈オーシャン・ブラスト〉 氷河期〈グレイシャル・エイジ〉 術式斬壊〈グラム・スラッシュ〉 事象干渉力を後から追加する技術 など |
CV | 中村悠一 |
体格・容姿
2092年の時点では、身長165cm。中学生としては大柄[GB-追憶-1]。
2095年の時点では、身長175cm、体重70kg。少し筋肉質[全テ-006]。
2096年の時点では、身長178cm、73㎏[GB-来-1-1]。
2100年の時点では、身長182cm[Ⓝメ-1-223]。
背筋はピンと伸び、目つきは鋭いが、容姿は取り立てて言い及ぶところがなく平凡[Ⓝ劣-1-16]。
真由美いわく「外見は悪くは無いが、せいぜい『まあまあね』程度」「本当に深雪と血のつながりがあるのかと疑ってしまうくらい平凡」[Ⓝ劣-5-335]。性格・嗜好
自分と無関係の人間に対しては何の感情も持たないことが多く[出典?]、敵対する者に対しては基本的に無慈悲で冷酷[出典?]。
特に深雪に対して悪意を以て敵性を示された場合には、全力でこれを排除する傾向にある。
深雪に実際に危害を加えられた・加えられそうになった場合には、本気で激昂し、他の場合には見られないほどに怒り狂う[Ⓝ劣-4-350∼352・424∼435,Ⓝ劣-8-180・231・232・234,㋙九-5-46∼49・152∼155,㋙追-3-33・34・117∼119,㋐1-17-A,1-18-A]。
仲の良い知人・友人に対しては、人の悪いところ[出典?]はありながらも比較的誠実で[出典?]、友人がピンチの場合には応援に駆け付けることもあるし[Ⓝ劣-9-219]、友人が傷ついた時には後悔することもある[Ⓝ劣-10-46・47]。
とは言え、後述の事情から、それらが衝動的な閉鎖感情につながったりすることはない[出典?]。また、いくら友人であっても、深雪以上に優先されることはなく[出典?]、利害関係が対立する場合には深雪の生活を極力最優先して行動する[出典?]。
深雪のために友人を利用したり[Ⓝ劣-14-225]、自分の事情に巻き込むこと[Ⓝ劣-11-91,15-161]もしばしばある。
「我を忘れることができない」自分について、人生を損している(かもしれない)と思ったりもしている[Ⓝ劣-23-74]。
自分のコミュニケーション能力不足を痛感したりもしている[Ⓝ劣-25-187]。
雨が好きな質ではない[Ⓝ劣-25-251]。
遵法精神は乏しく[Ⓝ劣-26-94]、巳焼島襲撃事件の折には交通法規と航空法を無視し、路上からエアカーで飛び立つ[Ⓝ劣-27-258・259]などしている。
巳焼島襲撃事件において救援に駆け付けた際には、「エアカーで(敵を)轢き殺せるなら手間が省ける」と考えている[Ⓝ劣-27-267]。
このように達也にはモラルの観念が薄い面があるが、これが人造魔法師実験の影響かどうかは不明[Ⓝ劣-27-47]。
「自分は大量殺人者である」という事実を、正気のまま受け止めている[Ⓝ劣-26-96]。
コーヒーはブラック派[Ⓝ劣-27-186,32-33]。
2097年7月時点では、第一高校には愛着を覚えている[Ⓝ劣-30-46]。
「心が無い・欠けている」と表現されることがしばしばある。
達也自身、「本当は『自分の意志』など、自分には無いのではないか」という疑念を抱いたりしている[Ⓝ劣-29-172]が、そうは思っていない人間もいる。
そうした考えを持っていた貢も、「私の思い違いだった」と述べている[Ⓝ劣-29-172]。
また、水波は達也が深雪に対する「独占欲」を抱いていることを指摘し、達也はこれをしみじみと自覚している[Ⓝ劣-31-107]。
一方で、2100年6月22日に行われた『天体衝突災害防止の実証実験』を受けて、防衛政策局長は達也を指して「まるで神か悪魔の所業」「本当に人間なのか」と述べた[Ⓝメ-3-133]。
このような「人間としての自分自身」については、達也自身にも思うところがあるらしき描写が散見される[Ⓝメ-3-134,Ⓝ㊕IF-73]。
小さな子供は苦手[全テ-006]。
中学生の頃は、高校生の頃よりも無口で口下手だった[GB-追憶-1]。
魔法・戦闘技能
2097年8月4日、巳焼島事変終結とともに世界へ向けてメッセージを発信[Ⓝ劣-31-274・275]。
これにより、世界は、達也が個人でUSNA・新ソ連・大亜連合・IPUの戦略軍に匹敵、あるいは凌駕する抑止力を保有していると認識し[Ⓝ劣-31-276]、達也は抑止力という「力そのもの」になった[Ⓝ劣-31-289・290]。
魔法の射程距離
『精霊の眼』を有している達也にとって、「認識」の壁は低いと言えよう[管推]。2100年6月時点では、座標情報と映像情報さえあれば、地上から月軌道程度までの距離なら射程範囲に収められる[Ⓝメ-3-140]。
さらに遠方を狙うこともできるが、その場合は自ら「視」て、情報的なパスをつなぐ方がより確実となる[Ⓝメ-3-140]。
『分解』と『再成』
『分解』と『再成』は、達也が先天的に有している、達也が自由に使える2つだけの魔法[Ⓝ劣-2-259]であり、達也の魔法演算領域を占有している魔法である[Ⓝ劣-2-259]。一般的な魔法師の魔法演算領域は、さまざまな魔法式を構築するためのシステムになっている[Ⓝ㊕-続追-21]。
魔法を発動し終えると魔法演算領域の魔法式は消去され、どんな魔法でも構築できる初期状態に戻り、次の魔法式を構築するためのリソースが確保される[Ⓝ㊕-続追-21]。
しかし達也は、このような「初期状態」にすることができない[Ⓝ㊕-続追-21]。
これは、達也の魔法演算領域には『分解』を構築するサブシステムと『再成』を構築するサブシステムが固定されてしまっているため(魔法演算領域に「常駐」してしまっているため)である[Ⓝ劣-16-200,Ⓝ㊕-続追-21・22]。
だからこそ、本来であれば複雑な起動式が必要となり、読み込みにも1秒もしくはそれ以上の時間がかかる、極めて複雑なこれらの魔法を、追加データを入力するだけで極短時間で発動・実行することができる[Ⓝ劣-25-260・261]。
このように、達也の魔法演算領域は完全に『分解』と『再成』の魔法式を構築するためだけのシステムとなっており[Ⓝ㊕-続追-22]、達也は他の魔法式を組み立てることができない[Ⓝ㊕-続追-22]。
つまり達也は、『分解』と『再成』を先天的に備えたある種のBS魔法師であり[Ⓝ㊕-続追-22]、特定のパターンにしか対応できない・他の事象改変パターンに対応できないという超能力者の特徴を持っている[Ⓝ劣-26-143]。
ただし、この2つの概念の範疇でなら様々な技術を編み出し使い分けることができる[Ⓝ劣-8-194]。
◇◇◇
2097年5月25日の『誓約』解呪により、達也は真の力を取り戻した。
『質量爆散』を自ら使えるようになっただけでなく、『再成』の対応領域も広がり、幽体の構造情報の遡及と複写も可能となった[Ⓝ劣-25-34]。
『精霊の眼』
仮想魔法演算領域
『分解』と『再成』は最高難度に数えられる魔法で、達也の魔法演算領域をすべて占有している[Ⓝ劣-2-259,Ⓝ㊕-続追-21・22]。このため、達也は本来、魔法の本領たる「情報体の改変」を行うことができない[Ⓝ劣-8-195・196]。
達也がまがりなりにも事象改変を行うことができているのは、人造魔法師実験によって意識領域に植え付けられた仮想魔法演算領域のおかげである[Ⓝ㊕-続追-22]。しかし、この仮想演算領域による魔法は発動速度こそ尋常ではない(四葉家でも最速[Ⓝ劣-16-167]で、独立魔装大隊では柳連が辛うじて匹敵するくらいである[Ⓝ劣-4-321])ものの、出力は極めて弱く、大きな事象改変は起こせなかった[Ⓝ劣-8-197]。
これについて、作者は以下のように述べている。
達也は「分解」と「再成」に先天的な魔法演算領域を占有されていて、この二種類の魔法しか使えませんでした。人工魔法演算領域を設定することによって、ようやく他の種類の魔法も一応、使えるようになっています。 #mahouka
— 電撃文庫『魔法科高校の劣等生』 (@dengeki_mahouka) December 19, 2012
「弱い魔法しか使えない」という点は、達也の大きな弱点のひとつだった。
たとえば達也は、強力な防御用魔法を使えない。『再成』による自己修復は可能だが、それよりも敵の殲滅を優先しなければならないケースもある。そのような場合には、「防御力が弱い」と言う形でこの弱点が露呈してしまう[Ⓝ劣-22-274]。
四葉家が開発し、2097年4月に完成した「フリードスーツ」は、このような達也の弱点をカバーする側面を有している[Ⓝ劣-22-272・274]。
また、達也が会得した「完全に均質かつ高密度の想子層」による『接触型術式解体』も、この弱点を補うための一手段となっている[Ⓝ劣-32-195∼197]。
完全記憶能力と『フラッシュ・キャスト』
人造魔法師実験の副産物で、達也は忘却と無縁になった(完全記憶能力)。以来、どんなに複雑な情報であろうと、どれだけ大量のデータであろうと自由自在に、正確に記憶を引き出すことができる[Ⓝ劣-31-252]。無系統魔法
達也の無系統魔法、すなわちサイオンを直接操る技術は、13歳にして既に達人の域に達しており[Ⓝ㊕-続追-59]、「一流」を凌駕している[Ⓝ劣-26-121]。
深雪いわく、達也は「自身のサイオンを完全に支配している」[Ⓝ劣-25-95]。
魔法の発動や発動兆候を隠す技術にはサイオン操作が深く関わるものと思われる[管推]が、達也はこの技術のレベルが非常に高い。
たとえば達也とアークトゥルスの戦闘時、光宣は達也の想子波動を観測できていない[Ⓝ劣-28-57]。
受動的な探知に優れた光宣の『精霊の眼』でさえ捉えられないという事実は、達也の技量の高さを物語っている[管想]。
古流体術
複数の魔法の並列発動
達也は、仮想魔法演算領域による魔法と、本来の魔法演算領域による魔法(『分解』など)を同時に行使することができる[Ⓝ劣-25-185]。
事象干渉力を後から追加する技術
高校卒業後~2100年の間に「事象干渉力を後から追加する」技術を自ら編み出し、他の魔法師と遜色ない出力の魔法を発動できるようになっている[Ⓝメ-2-203∼205,3-105]。
とは言え、達也自身が有している事象干渉力(霊子波)は、他の魔法には最適化されない。生来の魔法である『分解』と『再成』以外の魔法式に事象干渉力を注ぎ込んでも、効率の低下は避けられない[Ⓝメ-3-105]。
戦闘経験・戦闘スタイル
達也は、百戦錬磨と言っていいほどに戦闘経験が豊富である[Ⓝ劣-28-66]。
達也は、「精霊の眼」によってエイドスを読み取ることを、戦術の基盤にしている[Ⓝ劣-28-143]。
それゆえ、エイドスの読み取りを防ぐ『仮装行列』は、達也にとって天敵とも呼べるほどに相性が悪い魔法である[Ⓝ劣-28-143]。
達也の戦闘スタイルは、ワンマンアーミーに親和性が高い。自分のことだけを考えていれば良いシチュエーションにおいて、達也はその戦闘力をフルに発揮できる[Ⓝ劣-22-275]。
達也の攻略法
達也を敗北させるには、大きく二つの方法がある。
被弾と自己修復の無限ループ
被弾と自己修復の無限ループは、達也にとって最も警戒すべき事態であり、達也の不死身性を突き崩す数少ない攻略法の一つである[Ⓝ劣-30-266・267]。
被弾し続け、短時間に何百回も『再成』を使わせられると、過剰行使に伴うオーバーヒートを起こす、あるいは再成の発動に失敗し、達也は無力化される[Ⓝ劣-30-267]。
精神干渉系魔法
精神のダメージは『再成』の対象外であるため、精神攻撃魔法は達也にとって真の脅威となり得る[Ⓝ劣-25-197]。達也の「封印」
達也の精神には、『誓約』による封印が掛けられている。これによって達也は、最大の武器である『質量爆散』を封じられているだけでなく、魔法力そのものを約半分に制限されている[Ⓝ劣-23-212・213]。
しかし2097年5月25日、克人との戦いを控え、深雪の懇願によってこれを解呪。達也は本来の能力を取り戻した[Ⓝ劣-23-216∼228]。
他者の評価
九重八雲
「今のはかなり驚いたよ。君、僕の姿が見えているのかい?」[Ⓝ劣-29-234]
「見事だ」[Ⓝ劣-29-235]
風間玄信
「特尉の暗殺は、もしかしたら可能かもしれない。だが、捕らえるなど絶対に不可能。最悪の場合、東京が火の海に沈む」[Ⓝ劣-23-34]
「『質量爆散』を使わなくても、一晩あれば一都市を破壊し尽くせる」[Ⓝ劣-23-34]
九島光宣
達也の真価は、戦術レベル以上の大規模戦闘にある[Ⓝ劣-30-298]
十文字克人
「本気で当たらなければならない相手だ」[Ⓝ劣-23-192]
西城レオンハルト
(達也が人を「消す」のを初めて見て)「何だ、ありゃあ……」[Ⓝ劣-31-215]
吉田幹比古
(達也が人を「消す」のを初めて見て)「これは魔法? これが達也の魔法なのかい……?」[Ⓝ劣-31-216]
千葉エリカ
(達也が人を「消す」のを初めて見て)「あんなものが魔法だっていうの……?」[Ⓝ劣-31-216]
ベンジャミン・ロウズ
「コールサックを、まともに攻撃もさせず殲滅するとは……」[Ⓝ劣-30-281]
達也の戦闘力は「デタラメ」[Ⓝ劣-30-286]
アリアナ・リー・シャウラ
達也の戦闘力は「デタラメ」[Ⓝ劣-30-286]
アレクサンダー・アークトゥルス
(達也の『分解』について)強力であると同時に精確な、無駄の無い、芸術的な魔法[Ⓝ劣-26-300]
遠上遼介
全く隙が無く、底が見えず、(自分の師匠たちより)強そう[Ⓝメ-1-147・148]
学力
小・中学時代
学校の成績は飛び抜けて優秀。スポーツも一流、あるいは超一流[Ⓝ劣-8-54]。
小学校でも中学校でも、魔法と関係のない部分では優等生で、同級生や後輩からは色々な場面で頼りにされ、教師陣には一目置かれていた[Ⓝ劣-8-109]。
高校時代
筆記試験に関しては非常に優秀で、一高の入試では7教科平均で100点満点中96点を記録、とりわけ魔法理論と魔法工学では小論文を含めて満点を取った(合格者の平均点は70点未満だった)[Ⓝ劣-1-28]。
入学後も、魔法理論に関しては非常に優秀で、二科生でありながら学年トップの座を他に譲ったことは無い。
特に魔法工学の才能は突出しており、2095年度1学期末試験では満点をとっている。
その一方で魔法実技の才能は乏しく、点数はかなり悪い[Ⓝ劣-11-338]。結果として総合成績は中の下になっている[Ⓝ劣-11-339]。
これは、仮想魔法演算領域の出力が極めて弱く、大きな事象改変を行うことができないためである。
2097年5月、担任のジェニファー・スミスは、達也が「既に第一高校卒業に相当する知識と技能を習得している」どころか、「魔法大学卒業生のレベルに達している」ことを認めている[Ⓝ劣-23-87・88]。
魔法工学技師
超一流のCADソフトウェアエンジニアで、FLTで牛山と組み、トーラス・シルバーとしてCAD開発を行っている。
達也に魔法工学の手ほどきをした最初の師は、四葉家序列第3位の執事・紅林である[Ⓝ劣-26-199]。
達也の場合、魔法の開発は、(初めは)コンピュータだけで行う[Ⓝ劣-26-241]。
経緯
初めは、実験に失敗した場合に、失ってしまったサンプルを達也の『再成』で復元するため、父親の龍郎が達也をFLTに入社させただけだった[Ⓝ劣-1-76]。
しかし、中学1年時の沖縄旅行で国防軍の真田繫留から特化型CADを譲り受けたこと[Ⓝ劣-8-130∼134・139]がきっかけで、CADの開発に精を出すようになった[Ⓝ劣-8-139・141]。これは、深雪との生活を安定させるために思いついたことである。
その後、龍郎を脅してFLTのCAD開発第三課に潜り込み、牛山の協力を得て『ループ・キャスト・システム』や『シルバー・モデル』を開発・製品化[Ⓝ劣-1-180,㊕-BD/DVD-九1-GUIDE BOOK]、トーラス・シルバーとしての名声を得るようになった。ちなみに、「シルバー」としての達也の平均収入は月収で500万円とのこと[㊕-BD/DVD-入2-GUIDE BOOK]。
ただし、トーラス・シルバーとしての立場は四葉家が厳重なプロテクトをかけており、長らくその正体は公表されていなかった。唯一中条あずさだけは、2095年度の九校戦で「トーラス・シルバーは司波達也かもしれない」と気づいたが[Ⓝ劣-4-180∼182・208∼210]、他にそうした者は出てこなかった。
ESCAPES計画
『ループ・キャスト』や『シルバー・モデル』以降も、2095年7月に完成した飛行術式[Ⓝ劣-3-130∼137・142∼146]や、2096年4月に公開実験を行った恒星炉[Ⓝ劣-12-308∼320]など、画期的な開発を続けている。だが、これらは全て『ESCAPES計画』のためのパーツに過ぎない[Ⓝ劣-16-46]。
達也はもともと、深雪と自分が四葉家から脱出し、さらに軍事目的以外の分野で魔法師として生計を立てていくことを目論んでおり[Ⓝ劣-17-132・133]、そのための手段としてこの計画を2093年8月に発案した[Ⓝ劣-16-46]。
深雪が次期当主に指名され、自分がその婚約者となったことによって、四葉家からの脱出というプランは崩れたが[Ⓝ劣-17-133]、経済的便益による魔法師の地位向上を目指し、その後もESCAPES計画を進行。
ESCAPES計画実現のために必須だった最後のピース――2095年10月に小百合から預かった瓊勾玉系統の聖遺物が持っているという「魔法式の保存機能」の解析およびレリックの複製――についても、2096年末には目途が立ち、具体的なシステム設計に着手していた[Ⓝ劣-16-46]。
そんな中、2097年5月3日にニジェール・デルタ解放軍(EAND)の魔法師エフィア・メンサーが、中央アジアの大亜連合軍基地を『能動空中機雷』で攻撃し、多数の死傷者が出た。
この魔法は2095年度の九校戦で達也が開発し雫に使わせたもので、それが戦争に使われたため、達也に対する責任論が蔓延。達也を取り巻く情勢は急速に悪化し始めた[Ⓝ劣-23-51・55・56・65∼68]。
さらに、2097年5月12日に発表されたUSNAの『ディオーネ―計画』において、「トーラス・シルバーの参加」を求められた[Ⓝ劣-23-69∼81]。これは、各国に脅威をもたらしかねない力を有している達也を、木星圏へ排除するための企みであった[Ⓝ劣-23-120]。
この『ディオーネ―計画』が掲げる表向きの理想論に世論は同調し、達也はさらに苦境に追い込まれた。そこへ、レイモンドの追撃が加わり、「トーラス・シルバー」の正体が世間に暴露された[Ⓝ劣-23-278∼280]。
達也はこれを受けて、状況を改善するための対抗手段として、ESCAPES計画を発表することにした[Ⓝ劣-24-31・32]。
「トーラス・シルバー」の解散
2097年5月31日、FLTにて記者会見を実施。「ESCAPES計画はすでにスタートしているため、計画発案者である司波達也は『ディオーネ―計画』には参加できない」旨を宣言し、同時に開発チーム「トーラス・シルバー」の解散を発表。達也は今後、ESCAPES計画に専念することを発表した[Ⓝ劣-24-131∼139]。
このESCAPES計画を進める条件として、達也が四葉家のスポンサー・東道青波から出された条件は「(日本を守るための)抑止力となること」だった。
当時達也は、ESCAPES計画を進めると世界情勢が悪化する恐れがあること、それを防ぐためには「抑止力」がどうしても必要となることに、自ら気づいたところだった[Ⓝ劣-23-116∼118]。
この件についてはすでに悪名を背負う覚悟を決めてていたため[Ⓝ劣-23-118]、達也は青波の条件をその場で受け容れた。こうして青波がESCAPES計画の後ろ盾となり、計画は進行した。
その後、各国・各勢力の思惑が絡んだ数多くの妨害(ベゾブラゾフによる度重なる『トゥマーン・ボンバ』攻撃、スターズ叛乱事件、巳焼島襲撃事件、柴田美月誘拐未遂事件、光井ほのか誘拐事件、佐伯による戦略級魔法師管理条約の発案、巳焼島事変など)を受けつつも計画は進んでいった。
2098年、魔法式保存機能を有する人造レリックの量産技術を確立[Ⓝ劣-32-281]。北方潮のバックアップの下、2100年5月1日には株式会社ステラジェネレーターを設立し、社長に就任した[Ⓝメ-1-55∼57・188]。
その他の業績
その他にも、2099年には事象干渉力霊子波理論を提唱・証明し[Ⓝ劣-32-281]、2100年4月1日には、恒星炉を動力源とし、人造レリックによる人工重力システムを取り入れた宇宙住宅『高千穂』を極秘裏に打ち上げるなど[Ⓝ劣-32-287∼294]、魔法工学技師としての活躍は多岐にわたる。
軍人
沖縄海戦での風間らとの出会い[Ⓝ劣-8-94∼262]を通じ、2092年10月に四葉家の契約を経て独立魔装大隊の特務士官「大黒竜也特尉」となり[Ⓝ劣-12-195・196]、同時に日本の非公認戦略級魔法師となった。四葉家が達也の独立魔装大隊入隊を認めた理由については明示されていない。
国防軍と四葉家の契約
「司波深雪の護衛を除き、四葉家は司波達也に対する優先命令権を国防軍に認める」という契約が、四葉家と国防軍の間で成されている[Ⓝ劣-26-119]。
また、『再成』は『分解』以上の秘匿事項とする旨が、国防軍と四葉家の契約で定められている[Ⓝ劣-30-246]。
特務士官「大黒竜也」
達也は、正規の軍人ではない。
「大黒竜也特尉」の地位は、ある意味で超法規的なものである。特尉(特務士官)という言葉も便宜的な表現であり、厳密には「臨時ではなく常態として正規軍に所属する、士官待遇を与えられた民兵」[Ⓝ劣-25-127]もしくは「常時、継続的に軍の指揮命令を受ける義勇兵」[Ⓝ劣-32-103]と呼ぶのが適切である。
だが、あくまでも超法規「的」なのであって、国防軍内部での法的な問題は解決しており、その過程で背広組の了解は得ている[Ⓝ劣-25-128]。
なお、この「特尉」という地位について、達也は風間に「国防軍が俺を利用するための方便である」と述べている[Ⓝ劣-26-120]。
戦略級魔法『質量爆散』
沖縄海戦
2092年8月、沖縄海戦において大亜連合軍を圧倒。「魔醯首羅」「沖縄の悪魔」「デーモン・ライト」などの異名をとり、恐れられるようになった。
また同海戦において初めて『質量爆散』を使用し、敵艦隊を殲滅した。
横浜事変・灼熱のハロウィン
2095年10月30日に勃発した横浜事変においては、達也に対して国防軍特務規則に基づく出動命令が下された。ムーバル・スーツに身を包んで戦闘を行い、敵艦を『質量爆散』で消滅せしめた。
翌31日にもこの魔法を使い、鎮海軍港ごと大亜連合艦隊を消滅させた(灼熱のハロウィン)。
「灼熱のハロウィン」の術者については長らく公になっていなかったが、文脈から見て、2100年時点では術者が達也だと判明しているらしい[Ⓝメ-1-26]。
戦略級魔法師
達也は日本が保有する最大の魔法戦力、もとい「最大の戦力」である。一人で世界の軍事バランスを変えるジョーカーにして、最強の手札を作り出す五枚目のエースである[Ⓝ劣-25-128]。
達也自身は、戦略級魔法について「一つ持っていれば十分」「使い所が極めて限定される所為で普段は役に立たないくせに、持っているだけでしがらみが山のように付いてくる」と述べている[Ⓝ劣-26-243]。
国防軍との契約により、『質量爆散』の術者だと明かすことは許されていない[Ⓝ劣-30-59]。しかし、2097年8月11日の臨時師族会議において、達也は初めて自分から、「灼熱のハロウィン」の術者が自分であることを明かした[Ⓝ劣-32-102]。
退役
紆余曲折を経て達也と国防軍の関係は悪化し、2097年7月19日に退役した[Ⓝ劣-30-166∼180]。
自己評価
「他人の人生に同情できる程、自分は順調な人生を歩んでいない」と思っている[Ⓝ劣-27-67]。
自分は「(精神的に)強い」わけではなく、「弱さを許されなかっただけ」だと思っている[Ⓝ劣-32-191]。
人間関係
年齢にそぐわない大人びた性格・態度から、女子のハートを射止めることがしばしばある。
中学時代は、何人かの女子に告白される・されかけるなどそこそこモテているが、本人はモテるとは全く思っていない[Ⓝ劣-2-272]。
メインキャラ
司波深雪
深雪は、沖縄海戦時に達也に命を救われ、また達也の真価を知った[Ⓝ劣–]。それ以来、自身のことを「達也の為に存在する人間」と認識しており、それゆえ「自分にとって達也の存在は絶対不可欠」と考えている[Ⓝ劣-23-158]。
また、達也を敬愛していると言ってはいるが、本当は敬愛などではなく異性としての愛情を抱いている[Ⓝ劣–]。
長い間そのことから目を背け続けていたが、自身の次期当主継承が近付くにつれて自分を誤魔化しきれなくなり、兄である達也と結ばれないことに苦悩する[Ⓝ劣–]。
2096年12月31日、達也と結ばれても問題ないことを知って達也に告白した。そして「今はまだ妹としてしか見れないが、努力する」という言質を達也からとり、それを受け入れている[Ⓝ劣–]。
◇◇◇
達也は、深雪に「危ない真似をさせたくない」と思っている[Ⓝ劣-23-210]。
達也にとって、深雪が調整体であるということは、不愉快な事実であり、できれば信じたくないことである。なぜなら、深雪が誰かの手で弄り回されたということは、たとえそれが誕生前のことであっても不快感を覚えてしまうからである[Ⓝ劣-25-63・64]。
深雪に突然死が襲い掛かった場合、達也はその先の未来を思い描けないし、自分だけで済ませる自信を持っていない(世界を滅ぼさずに済ませる自信が無い)[Ⓝ劣-25-65]。
ガーディアンで無くなった後も、毎朝のエスコート(登校の付き添い)をしているが、これは護衛というよりは達也が好きでやっているという性格の方が強い[Ⓝ劣-26-240]。2100年春の時点では、深雪との関係はまだ「ついばむようなフェザーキス」をする程度だが、二人にしてみれば大きな前進である[Ⓝメ-1-193]。
千葉エリカ
エリカも2095年の夏ごろまでは達也を意識している描写があるが、2096年2月に達也が四葉家の縁者であることを達也に気づかされ(「自ら気づいた」ではない)[Ⓝ劣-11-81∼92]、その後も達也が他人を自分の事情に強制的に巻き込んでいく様[Ⓝ劣-15-161]を見ていくうちに、そういった描写は無くなった。<達也に関するエリカの発言・考え>(中略等アリ)
- 「実技は大したことないが、実戦になれば強い」「底知れない力を隠している気がする」(2097年4月)[Ⓝ劣-22-100]
- 「何を優先すべきか迷わない人」「ある意味では誰よりも信頼できるが、別の意味では誰よりも薄情」「達也の最優先は深雪」「深雪一人と自分たち全員の命、どちらかしか助けられないとしたら、達也は迷わず深雪を選ぶ」(2097年4月)[Ⓝ劣-22-101・102]
- 「凶運はいつも達也が連れてきていて、自分はそれに巻き込まれている」「だからこそ達也の周りにいる者は、凶運を切り抜けられるくらいに強くならないといけない」(2097年4月)[Ⓝ劣-22-253・254]
柴田美月
<達也に関する美月の発言・考え>(中略等アリ)
- 「怖い人ではない。紳士的で、横暴なところもない」(2097年4月)[Ⓝ劣-22-101]
西城レオンハルト
レオは、達也を「最後まで信用できる友人」だと思っている。<達也に関するレオの発言・考え>(中略等アリ)
- 「達也の強さは魔法だけじゃない」「達也とやり合うのは御免だ。立っていられる気がしない」(2097年4月)[Ⓝ劣-22-100・101]
- 「達也が学校を辞めたって、俺たちが達也のダチだってことに変わりはねえだろ」(2097年5月16日)[Ⓝ劣-23-108]
光井ほのか
2095年8月にはほのかに告白されているが、自分が幼少のころに遭った「魔法事故」(本当は人造魔法師実験)によって情動を失っており、恋愛感情を喪失していることを明かして断った。しかし、ほのかには乗り換え予告付きで今後も好きで居続けることを宣言され、達也も苦笑まじりで了承している[Ⓝ劣-5-57∼60]。
2100年に入って、ほのかは「達也に対する『好き』という気持ちが恋愛的な『好き』ではないのかもしれない」ことを自覚した[Ⓝメ-3-254・255]。
これについて、雫は「(少なくともかつては)恋であったことは間違いない」と述べている[Ⓝメ-3-255,管推]。
北山雫
雫に関しては、達也に褒められるのを喜んだり、達也のために行動したりと、達也への好意は持っているが、恋愛感情は持っていないらしく、親友のほのかをひたすら応援し続けている。また、「達也を思い通りに操るのは深雪でも無理」と評している[Ⓝメ-3-257]。
吉田幹比古
幹比古は、達也を「友人であり恩人」と認識しており、「必要とあれば達也の助けになりたい」と考えている。- 「存在感があって無視できず、一目置かれている」「魔法の専門知識は既に大学レベルを超えていると思う」(2097年4月)[Ⓝ劣-22-100]
アンジェリーナ=クドウ=シールズ
リーナは、吸血鬼事件当時は、実力で自分に勝利し、そのうえ自分のことを気にかけてくれている達也に対して、ライバル心か恋心か、あるいは友人としての感情なのか、明確なところは不明ではあるが、何かしらの意識はしていた。ただ、2097年1月に達也と深雪の婚約を知ったのち、達也と深雪に電話をかけた際、特に取り乱した様子は見られず、この時点では恋心は無いものと思われる[Ⓝ–]。
また、2100年時点では、深雪は「リーナには達也に対するそういう興味が無い」と判断している[Ⓝメ-1-198]。
2097年6月9日に達也が『トゥマーン・ボンバ』を受けたものの、健在であることを知った際には、ホッとした様子を見せている[Ⓝ劣-25-66]。
達也はリーナを「小娘」と侮ることはなかった。十三使徒だからといって特別扱いすることもなく、対等に扱った。リーナはそのことを嬉しく思っていた[Ⓝ劣-25-224・225]。
ただ、実際に達也を前にすると、意地を張ってしまう[Ⓝ劣-25-225]。また、無自覚に達也に甘えることもしばしば[Ⓝ劣-26-98]。
2097年7月2日、「達也がカノープスを助け出したなら、(必要ならば軍を辞めてでも)達也個人の味方になる」旨を達也に宣言した[Ⓝ劣-27-70・71]。
◇◇◇
達也は、リーナには潜入工作員としての適性が欠如していることを確信している[Ⓝ劣-27-60]。
達也は、(自分が保護している状況下において)リーナからずっと目を離しているのは不安だと思っており、暇を持て余して何か仕出かさないか気が気でない(目を離す際は「馬鹿な真似はしないはずだ」と己に言い聞かせることすらある)。その意味では、達也はリーナを全く信用していない[Ⓝ劣-26-241,27-60・61・161]。
深雪は、達也とリーナは互いに「相手を思い遣っている」と感じている[Ⓝ劣-27-190]。
桜井水波
水波は、達也に対して異性としての関心を持っておらず(眼中に無い)、主たる深雪の、昔は兄、今は婚約者でしかない[Ⓝ劣-28-170]。◇◇◇
水波に対する達也の心情は、いささか測りにくい。本人にも分かっていない[Ⓝ劣-29-170∼172]ためだと思われる。
しかし、ある種の「優しさ」を見せていることは間違いない。
2097年6月9日、水波は深雪と達也を守り、結果として魔法演算領域のオーバーヒートに陥った。
目を覚ました水波に、達也は威圧感を和らげるために目線をなるべく合わせつつ、「深雪を護衛する仕事だけでお前を頼りにしているのではない」「お前は俺が信じて頼れる、数少ない人間の一人だ。だから俺はお前に、深雪の側についていてもらいたいと思っている」などと述べるばかりか、水波の結婚相手にまで言及している[Ⓝ劣-25-81∼83]。また、「平和な人生を歩んで欲しい」とも考えている[Ⓝ劣-25-88]。
わざわざ目線を合わせたことと言い、信義に厳しい達也が「信じている」と発言したことと言い、「人が悪い」「魔王」などの評価からは考えられない「優しさ」「気遣い」と言わざるを得ない。
このような優しさについては水波も不思議に思っており、「何故、私のことをそんなに心配してくれるのか」と達也に直接尋ねている[Ⓝ劣-25-92]。その際、達也は「俺には桜井水波という少女が、深雪に深くかかわる人間として認識されている」「俺がお前を心配するのは、深雪がお前のことを心から案じているからだ」「俺は深雪に対する想いを通して、お前のことを本気で心配しているつもりだ」と述べている[Ⓝ劣-25-94]。
しかし、この心情についても怪しい面がある。
ピクシー
ほのかの想念を写し取って覚醒したパラサイトであるピクシーは、達也に対する従属願望を赤裸々に語り、達也への従属と忠誠を宣言。達也も最終的にはピクシーの願いを受け入れ、所有権を買い取り、電子システム等の強化を施しつつ、生徒会室で使用している。
一条将輝
将輝は、達也のことを「気に食わないやつ」「正々堂々と打ち倒すべき悪者・敵」と思っている[Ⓝ劣-23-66・67]。周公瑾や顧傑を巡って協力し合ったことで仲間意識も少しは芽生えているが、やはりライバルである。だからこそ、2097年初夏の達也を巡る情勢悪化に関して、達也を不正に悪者扱いするのは将輝の意に反しており、冤罪で貶めるのは卑怯な真似であるように感じている[Ⓝ劣-23-66・67]。
また、単なる強さでは対抗できない、深く昏い権力の深淵に達也が食い込んでいることを示唆された際には、奇妙な敗北感、子供が大人に抱く劣等感に似たものを感じている[Ⓝ劣-32-263]。
吉祥寺真紅郎
吉祥寺と達也の間には、私的なメールどころか研究上の意見を交換する関係も無い[Ⓝ劣-27-112]。九島光宣
光宣は達也を、「冷たいように見えて優しい人」と評している[Ⓝ劣-32-221]。◇◇◇
達也は光宣の力を高く評価しており、「九島家のナンバー・ワン」「『九』を冠する魔法師の最高峰」[Ⓝ劣-25-176]、「光宣の『仮装行列』はリーナ以上」[Ⓝ劣-28-44]などと述べ、「生死を問わぬ戦いであっても、万全な状態の光宣を相手にして確実に勝てると言い切る自信は無い」と考えている[Ⓝ劣-28-41]。
2100年にFAIRの調査を依頼する際には、「お前くらいの実力がないと安心して任せられない」と発言している[Ⓝメ-1-283]。
また水波を巡って光宣と初めて敵対した際には、光宣を殺すことをためらっている。これは、「今後利用できる可能性が高い」「貴重な戦力」である光宣を失って良いのか、と迷っていたためである[Ⓝ劣-25-197・198]。
水波の奪還を開始した時点でも、殺す決断はできていない。情が移ったという理由も皆無ではないが、「パラサイトと融合しながらも自我を保っている上に、周公瑾の亡霊まで取り込んでいる光宣の肉体を滅ぼした場合、何が起こるか予測できない」という理由もある[Ⓝ劣-28-40・41]。
七草真由美
真由美は、ことあるごとに達也を気遣っている[Ⓝ劣-30-46]。好意を抱きつつも、自分に全く気兼ねしない弟のような、それでいてとても頼りになる後輩として見ているつもりだった。
しかし、2097年正月に達也が四葉家の直系だと判明し、弘一と摩利に煽られてから本格的に意識し始めた[Ⓝ劣–]。
2100年4月時点では、デートくらいなら(深雪の存在を無視できるならば)特に抵抗はない。ただ、達也を相手に不誠実な真似をすることには抵抗を感じている[Ⓝメ-1-71]。
同時に、「自分がモーションを掛けても達也は絶対になびかない」と理解してもいる[Ⓝメ-1-71]。
◇◇◇
達也は真由美に対し、いい意味で「善良」であり「お節介な人」と思っている[Ⓝ劣-25-219]。
<達也に関する真由美の発言・考え>(中略等アリ)
- 「(外見に反して)その中身は平凡には程遠い」「優秀と言うより規格外」「達也の存在は、世界中の学者が知恵を絞って作り上げた『魔法師評価基準』に喧嘩を売っている」「魔法界の『闇』にも通じ過ぎている」「『四波』の数字落ちなのかもしれない」(2095年9月末)[Ⓝ劣-5-336]
渡辺摩利
摩利は、恋愛感情はないが、好意的に接している。<達也に関する摩利の発言・考え>(中略等アリ)
- 「(深雪に対して)過保護」(2097年4月)[Ⓝ劣-22-129]
- 「実質的な生徒会トップ」(2097年4月)[Ⓝ劣-22-222]
十文字克人
達也は、克人のことを「できることなら戦いたくない強敵」と認識している[Ⓝ劣-23-210]。
九重八雲
八雲は、忍術の弟子ではなく、体術の良い稽古相手として扱っている。達也の才能も認めており、自身の利害を考えながらではあるものの、達也に協力することが多々ある。魔法科高校生
壬生紗耶香
一高では、入学直後の4月に紗耶香に恋愛感情を持たれているが、紗耶香自身が達也の「強さ」についていけないだろうと察して失恋している[Ⓝ劣-2-279・280]。七宝琢磨
七草香澄
◇◇◇
達也は香澄について、「(善良であるため)十師族には向いていないかもしれない」と考えている[Ⓝ劣-26-83・84]。
七草泉美
泉美は深雪に心酔しているため、達也を敵視している感が否めないが、冷静な観察によって「司波達也」という人物について的確に述べることが多い。2097年5月時点でも、未だに達也に打ち解けているとは言えず、自分から積極的に話しかけることはあまりない[Ⓝ劣-23-40]。
達也は泉美について、「(善良であるため)十師族には向いていないかもしれない」と考えている[Ⓝ劣-26-83・84]。
<達也に関する泉美の発言・考え>(中略等アリ)
- 「深雪を何よりも大事にしている点は評価できる」「他人に配慮する余力があるくせに手を差し伸べないところや、相手が何を感じているのか推理する洞察力があるくせに気を遣おうとしないところが不満」「一言で表現すれば薄情」「洞察力はあるが共感力はない」「他人の感情の動きを『共感』ではなく『分析』している」「必要ないと判断すれば相手の感情をあっさり無視する」「表面的には少しクールなくらいにしか見えないが、深雪が関わらなければ本物の冷血漢」(2097年4月)[Ⓝ劣-22-178・179]
三矢詩奈
<達也に関する詩奈の発言・考え>(中略等アリ)
- 「達也の心は深雪のためだけに動く。一人の男性が心のすべてを捧げてくれるなんて、女の子として羨ましい」(2097年4月)[Ⓝ劣-22-179]
矢車侍郎
五十里明
鈴音・あずさ・エイミィ・スバル
その他、鈴音、あずさ、エイミィ、スバルなどは、恋愛感情はないが、(あずさはおびえつつも)達也には好意的に接している。
その他女性
他の上級生女子も、大人びていて少し強引なところのある達也のことを[Ⓝ劣-5-298]、(好意的な意味で)「お兄様」と陰で呼んでいる者もいて[Ⓝ劣-14-61・62]、深雪に柳眉を逆立てさせていたりする[Ⓝ劣-5-298]。
反対に、女性の反感を買うことも多々ある。小春を助けなかったことで千秋からは憎悪され、真由美を大切に想っている香澄からは毛嫌いされ、花音からは嫌われているわけではないが時折苛立ちを向けられ、雫とほのかのことを大切に想っている紅音からは警戒されている。
一科の同級生男子生徒
一科の同級生男子からは、達也が彼らのプライドを逆撫でし続けているため嫌われがち。 二科生であるにも関わらず風紀委員になり、魔法理論で学年1位をマークし続け、2095年度九校戦でエンジニアに選抜され、2095年度九校戦のモノリス・コード新人戦で将輝に勝利するなど、学業の総合成績では劣りながら実践・実戦では圧倒的な実績をあげ、そのうえ女子の人気も独占していることを考えると、仕方のないことと言える。実際、一科の同級生男子で達也と良好な関係を築いているのは十三束だけである(鷹輔については不明)。
達也嫌いの代表格であった森崎は、2095年度九校戦での達也の活躍を見て、またその後のリンとの出会いを通じて、2096年春時点では達也のことは苦々しく思いながらも認めているらしい。
上級生男子生徒
上級生男子では、達也を嫌悪している登場人物はほとんどおらず、克人や辰巳、沢木、桐原、五十里など、達也の実力をきちんと評価できる人物がメインに描かれている。
当初は達也のことを見下していた服部も、模擬戦で達也に敗れてからはそのような描写は鳴りを潜め、2095年度九校戦では達也のエンジニア入りを推したり、2097年3月の西果新島テロ未遂事件では達也が参戦していた大亜連合軍脱走兵との戦闘に積極的に関わったりと、徐々にではあるが達也を認めていくようになった。
ただし、それでも服部の達也への態度はぎこちないもので、服部が真由美に対して抱いている気持ちが関係していると思われる。
もちろん、上級生男子全員が達也を好意的に捉えているというわけではなく、入学当初は剣術部部員の反感を買い、それがきっかけで他のクラブの魔法攻撃を受けることもたびたびあった。
鳴瀬晴海
その他他校の生徒
2095年度および2096年度の九校戦において、第三高校の優勝を達也がことごとく阻んだこともあり、達也は第三高校の生徒たちにとって「最大の敵役」であり、「一高のあいつ」「あの野郎」呼ばわりされている[Ⓝ劣-23-66]。
それゆえ、「達也のせい」で九校戦が中止となった2097年初夏には激しい敵意や拒否感情を抱かれた[Ⓝ劣-23-66∼68]。これは第三高校以外の魔法科高校でも似たようなものだった[Ⓝ劣-23-68]。
四葉家
四葉家内では、分家の当主、および使用人からは毛嫌いされているが、これは真夜・深夜・分家の当主らがそのように誘導したからである。ただし、分家でも、亜夜子や文弥、勝成、夕歌など、達也と同世代の者は、友好的であるにしろ敵対しているにしろ、達也の実力を認めている。
四葉真夜
また、真夜は達也に対して並々ならぬ想いを抱いており、達也を深雪と婚約させたのも達也の自由を確保するためのことらしいが、その感情は複雑すぎて、達也にも今一つ理解しきれていないらしく、達也は真夜を狂人扱いしている。
司波深夜
四葉英作
葉山忠教
葉山は達也について、「年齢より成熟している」が「それでもまだ18歳」とし、「本人が気づかない部分は年長者が補うべき」と述べている[Ⓝ劣-32-131]。花菱兵庫
兵庫は達也に、忠誠心を捧げるに値する何かを見出しており、忠臣の座に収まっている[Ⓝ劣-26-66]。黒羽貢
貢は、達也を嫌っている。「課せられた務めや背負わされた定めを蹴り倒していく達也の生き方」は、務めと定めに生きる貢にとって「馬鹿にするな」と言いたくなるものだからである[Ⓝ劣-29-174]。黒羽亜夜子
亜夜子は、自身の才能を開花させるきっかけが達也であったことから、幼いころから達也を尊敬しており、それがいつしか恋愛感情に変わっているらしい描写があり、そのため深雪をライバル視している。2097年元旦に達也と深雪の婚約が発表された際には、慶春会を中座するほどのショックを受けた。ただ、2097年2月の顧傑との戦いを終えた達也を労わる深雪と、達也が浮かべた安らぎの表情を見て、「深雪には敵わない」と認めている。
黒羽文弥
津久葉冬歌
津久葉夕歌
新発田理
新発田勝成
司波龍郎・司波小百合
実父の龍郎と義母の小百合は、達也の才能に嫉妬し、名を成せないよう妨害をしている。
フォア・リーブス・テクノロジー
FLTでは、牛山をはじめとするCAD開発第三課のメンバーは達也の才能を認め、達也と仕事ができることを光栄に思っている。国防軍
独立魔装大隊の人間は、達也とは利用し利用される関係にある。各員は達也のことを基本的に受け容れているものの、達也、および旅団長である佐伯双方の行動によって、両者の関係は徐々に悪化していった。 国防陸軍情報部の面々は、達也を「思想的危険分子」と見なし、「再教育」方針で行動を起こしている。
佐伯広海
佐伯は、達也との関係が悪化していく中で、達也を四葉家から引き離すとともに、その自由を徹底的に奪うことを主目的として戦略級魔法師管理条約を提案。マクロードへの根回しを行った[Ⓝ劣-30-104]。<達也に関する佐伯の発言・考え>(中略等アリ)
- 「能力的には申し分ないが、性格的には中佐の言うとおり(エゴイストで軍人には向いていない)」(2097年4月末、風間の達也評に対しての返答)[Ⓝ劣-23-34]
- 「このところ、彼の振る舞いはいささか目に余る」[Ⓝ劣-28-134]
風間玄信
風間玄信にとって達也は、八雲を師匠とする弟弟子である。また、風間に対して達也は、義理と恩義を感じている[Ⓝ劣-25-54]。
<達也に関する風間の発言・考え>(中略等アリ)
- 「情報部が危険分子と認定したこと自体は正しい」「この上ないエゴイスト」「国家や市民の為に、自分や身内を犠牲にすることはあり得ない」「軍人には最も向いていない種類の人間」(2097年4月末)[Ⓝ劣-23-34]
柳連
真田繫留
山中幸典
藤林響子
二十八家・百家
三矢元
2097年7月6日、達也が三矢家を訪ねるまで、直接言葉を交わしたことはなかった[Ⓝ劣-27-162]。
六塚温子
七草弘一
弘一は周公瑾と手を組んでいたが、達也はそれを理由として弘一に対する蟠りなどは懐いていない[Ⓝメ-3-47]。
八代雷蔵
九島烈
十三束家
翡翠は、達也にはディオーネ―計画に関連して散々苦しめられたという面があり、意趣返しをしたいと思っている[Ⓝ劣-32-128]。十六夜調
海外
ポール・ウォーカー
ウォーカーは、達也個人に悪感情を抱いていない。ただ単に、「一人で一軍に匹敵する戦略級魔法師の在り方は危うい」と感じているだけであり、それゆえに達也を危険すぎると判断している[Ⓝ劣-28-180]。ベンジャミン・ロウズ
達也とカノープスの間には、(顧傑を巡って)好ましからぬ因縁がある[Ⓝ劣-27-69]。
達也はカノープスの戦闘力について、「容易ならざる相手」「ベゾブラゾフやシリウスよりも強敵かもしれない」と評している[Ⓝ劣-27-169]。
アビゲイル・ステューアット
アビゲイルは達也を、「加重系魔法の技術的三大難問のうち二つを解決した鬼才」と評している[Ⓝ劣-32-150]。◇◇◇
達也はアビゲイルを「FAE理論を実用化した天才」と評しており[Ⓝ劣-32-150]、「白旗を揚げる」相手であり、何時か会ってみたいと強く念じている相手である[Ⓝ劣-26-241・242]。
なお、2097年8月15日に両者は初めて対面した[Ⓝ劣-32-150]。
レイモンド・クラーク
レイモンドは、自身のロマン、サーガを否定する達也を邪魔だと感じていた。ちょうどそのタイミングで、レイモンドはパラサイト化し、達也を屈服させることを望むようになった[Ⓝ劣-25-155]。ワイアット・カーティス
ワイアットは、身内であるカノープスの救出とパラサイトの駆逐を達也に依頼[Ⓝ劣-30-131・134]。その対価として、北西ハワイ諸島へ移動手段を提供し、また同海域での戦闘の後始末を行うこと[Ⓝ劣-30-130・131]、および依頼達成後にはワイアットの派閥が「将来にわたり」深雪の後ろ盾となることを提案した[Ⓝ劣-30-135]。
達也はこれを引き受け[Ⓝ劣-30-135]、カノープス、そして水波の救出に向かうことができるようになった。
<達也に関するワイアットの発言・考え>(中略等アリ)
- 「若いのによくお分かりだ」「エクセレント」[Ⓝ劣-30-133]
マイケル・カーティス
マイケルは、達也のことを気に入っている[Ⓝ劣-30-261]。その一方で、ミッドウェー監獄を手加減しながら20分で陥落させた達也に対して「伯父の客でなければ全力で沈めている」「今後も良好な関係でありたい」とも考えている[Ⓝ劣-30-293]。
ペンタゴン
ペンタゴンは、四葉家と達也を国土防衛軍以上に重要な同盟相手と認識している[Ⓝメ-1-155]。
イーゴリ・アンドレイビッチ・ベゾブラゾフ
ベゾブラゾフは達也に対し、強い屈辱を覚えている。初めて戦略級魔法師としての任務を失敗させた相手が達也だからである[Ⓝ劣-25-250]。加えて、『海爆』や『氷河期』などの戦略級魔法に、『トゥマーン・ボンバ』の一部(『チェイン・キャスト』)を盗まれたことにも怒り狂っている[Ⓝ劣-28-168,]。
レナ・フェール
レナは、達也を「世界を動かし得る実質的な力を有する人物」と評している[Ⓝメ-1-79]。レナにとっては、達也は評価が両極端に分かれる人物である。(巳焼島事変によって)魔法師が強力な兵器となり得ることを示したという面ではマイナスであり、(ESCAPES計画によって)魔法師が国家から自立した存在となり得る基盤をもたらしたという面ではプラスである。それゆえレナは、達也がこれから何をしようとしているのか、推測することもできていない[Ⓝメ-1-79]。
その他
東道青波
四葉家のスポンサー・東道青波にとっては、達也は究極ではあるが、ただの実験体であるらしい[Ⓝ劣-19-83]。青波は、達也のことを「四葉達也」と呼ぶ[Ⓝ劣-30-154]。その意図は不明。
「達也の力は一武官の影響下に置かれるべきではない」と考えており、佐伯と達也の縁が切れることは「日本にとって好都合」と述べている[Ⓝ劣-30-157]。
藤林大門
達也は、藤林大門の能力は信用している。しかし人間としては、藤林響子ほどには信用していない[Ⓝメ-3-100]。
また大門は、藤林家の前当主・藤林長正の背信を償うために達也の下で働いているため、達也はそのことを忘れさせないため、大門に対して常に主たる対応をとっている[Ⓝメ-3-100]。
生い立ち
真夜の大漢拉致事件を経て根付いた、「一族を守ってほしい」「一族の敵を滅ぼす力を持ってほしい」という四葉一族の捻じれた願望を背負って生まれた[Ⓝ劣-16-192∼194]。生後、達也が『分解』と『再成』を備えていることが判明したとき、その魔法を危険視した一族の者が達也を殺すべきだと提案したが、当時の当主・英作に却下された[Ⓝ劣-15-52,16-198∼200]。
そのことは分家の親世代と葉山だけしか知らない(2096年12月31日に達也自身も初めて知った)[Ⓝ劣-15-52]。
生まれてすぐに戦士として最適な栄養が与えられ、歩けるようになってすぐ戦闘訓練を受け始めた[Ⓝ劣-16-200・201]。
6歳のときに、真夜の命令に基づき深夜によって実施された人造魔法師実験の被験者となり、意識領域内に仮想魔法演算領域を作られ、弱い魔法を使えるようになったが、代償として兄妹愛を除く情動を白紙化された[Ⓝ劣-3-155]。
この実験は、魔法が使えない達也の四葉家での居場所を作るためのものであると同時に[Ⓝ劣-8-196・197]、達也から感情を奪い去り、達也の『分解』が暴走して世界を滅ぼすのを防ぐためのものでもあったが、深夜の願いで「兄妹愛」の情動だけは残されることになった[Ⓝ劣-16-234・235]。
また、無理な精神構造干渉魔法を行使した代償として息子への愛情を喪失したためか、あるいは「深雪に達也への興味を持たせたくない」という深夜の考えによるものでもあるのかは不明だが、少なくともこの実験以降、深夜は達也に対して極端に冷たい態度をとり、母親として接することは生涯なかった[Ⓝ劣-8-198∼201・242・243]。
人造魔法師実験を受けてすぐ、6歳の時点で、30歳の円熟した戦闘魔法師と正面から交戦し、殺害した[Ⓝ劣-16-159]。
その後も四葉での訓練を続けた結果、中学1年にして正規軍の上等兵や伍長、軍曹程度では相手にならないほどの戦闘力を身につけている[Ⓝ劣-8-117∼129]。
なおこの訓練は、中学入学直前に中断された。これは成長期における骨格の形成に悪影響が生じるのを避けるため、また12歳時点で既に並みの一流では技術的な指導ができなくなったためである[GB-追憶-26]。
達也を取り巻く世界情勢
日本国
北アメリカ大陸合衆国
USNA軍の上層部、すなわち国防総省では、達也に対する意見は真っ二つに分かれている。すなわち、達也をあくまでも脅威として抹殺しようとする勢力と、脅威ではあるがUSNAの世界戦略に組み込んで利用するべきだという勢力である[Ⓝ劣-26-54,27-57]。抹殺派は、日本を「西太平洋における競合相手」と考える勢力にほぼ一致し、利用派は日本を「大亜連合・新ソ連の太平洋進出の防波堤」と考える勢力とほぼ重なる[Ⓝ劣-26-55]。
抹殺派
ウォーカー[Ⓝ劣-26-55]、アークトゥルス[Ⓝ劣-26-55]、ベガ[Ⓝ劣-26-55]、
利用派
カノープス[Ⓝ劣-26-56]、
これを防ぐという理由もあって、ウォーカーはカノープスと司法取引を行い、軍法会議の開廷を回避した[Ⓝ劣-26-56・57]。
また、パラサイト化したスターズの暴走が見逃されているのは、抹殺派の支持と庇護があるためである[Ⓝ劣-27-57]。
達也を暗殺するため、抹殺派はイリーガルMAP・ホースヘッド分隊を日本に送り込むことを決定した[Ⓝ劣-27-58]。
イギリス連合王国
イギリスのマクロードは、当初はディオーネ―計画による達也の排除を目論んでいた。しかし、その実現性が薄れたことを受け、佐伯の戦略級魔法師管理条約に移行した[Ⓝ劣-30-102∼105]。これについては、イギリス王室の意向であることも暗に示されている[Ⓝ劣-30-103]。しかしこの条約案は、佐伯の失脚によって廃案となる[Ⓝ劣-32-]。
最終的にメイジアン・ソサエティ設立に噛むことで、達也の『質量爆散』への対策とした[Ⓝメ-1-]。
新ソビエト連邦
大亜細亜連合
インド・ペルシア連邦
2097年7月14日、達也はインド・ペルシア連邦のチャンドラセカール博士と会談し、反魔法主義運動に関する互いの認識について確認。魔法師の人権自衛のため、チャンドラセカールが提唱した「メイジアンのための国際結社」(のちのメイジアン・ソサエティ)における協力関係を築いた[Ⓝ劣-30-77・84∼91]。
達也に近しい仲間たち
イリーガルMAP・ホースヘッド分隊によって、美月が攫われかけ、ほのかが実際に攫われたことを受けて、達也は「美月とほのか、そしてエリカ・レオ・幹比古を、自身の庇護下に収めたほうが良いかもしれない」と考えている[Ⓝ劣-29-269]。ただし、雫については「北山家の力があるから心配要らない」としている[Ⓝ劣-29-269]。
この発言を受け、リーナは「王国が創れるんじゃない?」と述べている[Ⓝ劣-29-270]。
これに関連して、雫は達也に「二度とこんなことが起きない様に、ほのかを守って欲しい」と伝え、ほのかはこれを受け容れている[Ⓝ劣-30-62∼65]。
その他
魔法の利き手
達也は、右手で『分解』を、左手で『再成』を使う[Ⓝ劣–]。
これについて、作者は以下のように述べている。
ここで第7巻の内容について少し。「Demon Right」「Divine Left」は単に左右のCADを使い分けているだけのもので、それ以上の必然性はありません。ナイフは右手、フォークは左手、みたいなものです。 #mahouka
— 電撃文庫『魔法科高校の劣等生』 (@dengeki_mahouka) September 11, 2012
右利きの方はフォークを右手で使えますよね? でもナイフとフォークを同時に使う場合はフォークを必ず左手に持つのではないでしょうか。それと似たようなものです。達也は左右の手の区別無くどちらの魔法も使えますが、習慣として右手と左手を使い分けています。 #mahouka
— 電撃文庫『魔法科高校の劣等生』 (@dengeki_mahouka) September 11, 2012
「魔王」
達也は、どういうわけか「魔王」呼ばわりされることがしばしばある。
- 風間と佐伯の会話(2097年4月末)[Ⓝ劣-23-35]
- 青波と達也の会話(2097年5月29日)[Ⓝ劣-24-112]
- 達也とリーナの会話(2097年6月29日)[Ⓝ劣-26-243]
- 遼介の心中(2100年4月29日)[Ⓝメ-1-152]
免許・資格など
- 四輪自走車免許(18歳=2097年4月24日以降に取得)[Ⓝ劣-26-94]
- 外航用の小型船舶免許(18歳=2097年4月24日以降に取得)[Ⓝ劣-26-94]
要人とのつながり
- 「抑止力となること」を条件に、東道青波の支援を受けている。
- アーシャ・チャンドラセカールとは、魔法師の人権自衛を目的とした国際結社(メイジアン・ソサエティ)立ち上げについて協調している。
- USNAとは、達也個人とアメリカ政府との間で太平洋地域における協力関係を築いている[Ⓝ劣-31-284]。また、恒星炉プラントにおける連携も行っている[Ⓝ劣-31-286,32-36]。
- リーナについては、USNAから「アンジェリーナ・シールズ中佐」の無償無期限で貸し出されている[Ⓝ劣-31-285]。
その他
- 佐島先生いわく、「達也(と深雪)は書きにくいキャラクター」「物語を進めにくい」「でもリーナを加えると一気にバランスを取りやすくなる」[Ⓝメ-1-292]。