四葉家【よつばけ】は、二十八家のひとつで、十師族の一角[Ⓝ劣-3-8・205]。
東海及び岐阜・長野方面を監視・守護している[Ⓝ劣-17-7・243]。
初代当主は四葉元造(~2063年ごろ)[Ⓝ劣-8-265・279・285]。
2代目当主は四葉英作(2063年ごろ~2085年ごろ)[Ⓝ劣-16-112]。
3代目当主は四葉真夜(2085年ごろ~現在)[Ⓝ劣-3-155,16-112]。
次期当主は司波深雪(2097年1月1日~現在)[Ⓝ劣-8-228,16-270]。
当代における世界最強の魔法師の一人と目されている四葉真夜を当主に戴くことによって、七草家と並ぶ十師族の双璧と見なされている[Ⓝ劣-1-27,2-267,3-203・205,8-227,17-267,SS-189,21-38・102]が、「魔法の実力は抜きん出ており、別格に恐ろしい」[Ⓝ劣-21-38]、「十師族の中でも突出した・別格視される存在」[Ⓝ劣-4-410,19-290]、「四葉家は十師族を離れてもやっていける」[Ⓝ劣-22-181]などと評する声もある。
2097年2月5日の十師族選定会議で再び選出され[Ⓝ劣-17-273]、引き続き十師族の役目を担っている。
概要
四葉家は、「精神干渉魔法を利用した精神改造による魔法能力の付与・向上の研究」を行っていた魔法技能師開発第四研究所で開発された中で唯一「四」の数字を与えられた家系[Ⓝ劣-8-114・279,17-7]。
ただし実際には、第四研創設以前から、その前身となる組織で交配が進められていた[Ⓝ劣-20-293]。
四葉家は社会の裏側に住む者たちである。世間的には謎に満ちた一族で、構成メンバーも当主の真夜以外は謎に包まれている[Ⓝ劣-14-210,17-60,SS-189]。
取り憑かれたように自らの性能アップに邁進し、ただその魔法力のみによって十師族のトップに並び立っている、十師族においてすら異端と言える一族で、魔法師の性能向上を最重要課題としている[Ⓝ劣-9-133,15-46]。
風間は「『兵器として開発された魔法師』の伝統を最も忠実に守り続けている一族」と評している[Ⓝ劣-4-410]。
良く言えば自主独立路線、悪く言えば唯我独尊路線を取っており、他家が何をしようと気にしないスタンスを通している[Ⓝ劣-9-133]。一条将輝は「無愛想な四葉家」と表現している[Ⓝ劣-17-33]。
また徹底した秘密主義を貫いており、外部から大勢の客を招くようなことは無い[Ⓝ劣-3-357,4-250,8-16・113]。
本家とは別に7つの分家があり[Ⓝ劣-15-52]、それぞれが役割を持っている。
四葉には一族としての「二つ名」がない。これは一人一人が特殊な力を持っており、一つのカテゴリーに収めることができないためである[Ⓝ劣-7-253]。
彼らはかつて第四研を乗っ取り、自分たちを軍から解放した。そうして四葉元造がリーダーとして立ち、初代当主となってから、一族としての形を持つようになった[Ⓝ劣-8-271,16-112,Ⓝ暗-1-290]。
亜夜子いわく「身内には甘い一族」で、たとえば暗殺者として育てられた身内に暗殺者の適性が無かったからと言って、その者を始末するようなことはない[Ⓝ暗-2-206]。
2062~2063年の悲劇(大漢復讐戦)以降、四葉家の多くの者は「『絶対的な力を持つ守護者』『個人で世界を退ける最強の魔法師』に一族を守って欲しい」という妄執(超人願望)に囚われていた。
(その反動として)「絶対的な破壊者」であり「四葉の罪の象徴、罪の結晶」たる達也は憎まれ、蔑まれ、忌避されるようになった(達也はこれについて「センチメンタルな罪悪感」と一蹴している)[Ⓝ劣-13-345・346,16-193・194・198・202・203,管推]。
なお、権力欲は無く、「世界を支配しよう」などという野望も持っていない[Ⓝ劣-13-199,Ⓝメ-1-84]。
事業等
全国のホテルやFLTなど、四葉家が極秘に出資している企業の経営や、国家に対して背信行為を働いた魔法師の粛清業務、国防軍からの委託業務等により収入を得ている[Ⓝ劣-10-139,15-55,22-46]。
ただし、暴力行為による報酬はあくまでも副業で、軍事組織ではなく民間組織であり、本業は研究活動である[Ⓝ劣-26-95]。
戦力
秘密裏に活動している破壊工作部隊や暗殺部隊を闇から闇に葬る仕事は、ナンバーズの中で四葉家が最も長けているという評価がある[Ⓝ劣-11-63]。
また、世界最強の魔法師部隊を自認するスターズと事を構えたとしても、単独で自衛する実力を有している[Ⓝ劣-22-56]。
事実、吸血鬼事件の際に達也と深雪の力を思い知ったスターズ総隊長アンジー・シリウスは、四葉家の実力について「その悪名は大袈裟なものではない」と述べており[Ⓝ劣-21-230]、またパラサイトと化したスターズ恒星級隊員を含むUSNAの正規軍と相対した際には、正面からこれを破っている[Ⓝ劣-31-]。
その一方で、四葉家は数の上で一条家や七草家などに著しく劣っており、他の十師族に比べると、「四葉の魔法師」の人数は多くはない。これを補うために粛清業務等で捕縛した戦闘員を洗脳して傭兵部隊を組織し、「使い捨て」の外部協力部隊として運用している。このため、他家に比べ戦力として劣っているわけではない[Ⓝ劣-11-63,15-54・55,Ⓝ暗-1-232,Ⓝメ-2-265・266]。
四葉家が人数に問題を抱えているのは、2062~2063年の大漢復讐戦で多くの人員を喪ったためで、戦力の拡充はそれ以来の重要課題となっている。
2096年時点では当時を上回る戦力を確保しているが、今なお戦闘魔法師の育成をハイペースで続けている。諜報員はまだまだ不足していて、非合法な仕事をする魔法師ももっと充実させたい、と真夜は考えている。
2097年時点では随分回復してきているが、それでも数の不足を質で補っている状態であり、戦力を多方面に同時展開する余力は乏しい[Ⓝ劣-29-77,Ⓝ暗-1-232,2-34・205]。
ただし、「四葉の魔法師は少数精鋭」などとよく言われるが、この「四葉の魔法師」には分家が外部から取り込んだ魔法師や子飼いの魔法師などは含まれない。したがって、旧第四研にルーツを持つことに拘らなければ、四葉家の戦力は決して少数ではない[Ⓝ暗-1-233]。
魔法技能
四葉の魔法師は、血縁強化された家系には珍しく、一族一人一人の魔法特性がまるで異なっており、特定分野に突出した性能を見せる[Ⓝ劣-3-379,8-241]。
四葉家の魔法師は、大きく2つのタイプに分かれる。
すなわち、精神干渉系魔法を得意とするタイプと、極めて強力でユニークな希少魔法を得意とするタイプである[Ⓝ劣-8-280,16-63,27-290]。
これは、第四研から生み出された魔法師は、生まれながらに精神干渉系の異能を強化された者と、強力で歪な魔法演算領域を備えて生まれた者の2つの系統を内包していたためである[Ⓝ劣-8-280]。
結果として、子孫である四葉家の者は必然的にこれらの2つの系統に分かれた。血を分けた肉親同士でもこの2つの性質はランダムに現れる[Ⓝ劣-8-280]。
精神干渉系魔法を得意とするタイプ
- 四葉元造[Ⓝ劣-8-280]
- 司波深夜[Ⓝ劣-8-280]
- 津久葉夕歌[Ⓝ劣-16-63]
極めて強力でユニークな魔法を得意とするタイプ
両方に当てはまるタイプ
- 司波深雪[Ⓝ劣-16-63]
◇ ◇ ◇
四葉家に臣従する魔法師にとって、魔法発動の兆候を捉える技術は「当たり前」のものであり、魔法発動の兆候を隠す技術すら「できて当然」のものである[Ⓝ劣-13-308]。
四葉家に伝わる魔法演算領域分析系の魔法は、ほとんどが四葉英作が作り上げた術式を基にしている[Ⓝ劣-16-196]。
技術開発力
FLTのトーラス・シルバーによるものを除いても、四葉家の技術開発力は高い。 独立魔装大隊のムーバル・スーツを再現した「フリードスーツ」や、空を飛ぶ電動バイク「ウイングレス」は、達也を驚かせた[Ⓝ劣-22-272∼275]。また、飛行魔法を用いた空陸両用車輌「エアカー」も開発した[Ⓝ劣-26-71・72・93・94]。これは、当初は二人乗りだったが、すぐに四人乗りのものも開発された[Ⓝ劣-30-208]。
各界との関係
国内
日本政界
四葉家は、日本の政界に強い影響力を有している[Ⓝ劣-31-52]。日本政府は四葉家に口出しするどころか、逆に恐れている[Ⓝ劣-32-184]。
ただし四葉家としては、権力者同士の潰し合いから距離を置いており、政治には積極的に関わらない方針を取っている。特に親しくしている政治家や軍人はいるし、政府や元老院の依頼を請け負うこともあるが、非合法な権力闘争にはどれだけ金を積まれても手を貸さない。このように、四葉家には傲慢で潔癖な面があるが、これは権力者を凡人と見なしているためである[Ⓝ暗-1-290]。
国防軍
国防軍とは、非公式な業務を通じて協力関係にある[Ⓝ劣-31-52]。また第一〇一旅団・独立魔装大隊とは、2092年に大黒特尉の扱いに関して密約を結んでいる(詳細は司波達也を参照)[Ⓝ劣–,13-195・196,14-45]。
また、情報部のどこかのセクションに対して影響力を有しているらしい[Ⓝ劣-9-134]。
日本魔法界
日本魔法界においては、四葉家は七草家と並ぶ「十師族の双璧」であり[Ⓝ劣-3-205]、「七草家とは対立関係にある」[Ⓝ劣–,Ⓝメ-1-127]などと見なされているが、実際のところ四葉家は魔法協会を意に介さず、それどころか師族会議すらも眼中に入れていない[Ⓝ劣-32-184]。日本魔法界における孤立も恐れておらず、必要ならば他のナンバーズとの全面戦争も辞さない[Ⓝ劣-22-55・56]。
そうは言っても「十師族の特権」はやはり無視できるものではなく、2097年2月の十師族選定会議には交渉材料の吟味に多くのマンパワーを投入している[Ⓝ劣-17-200]。
海外
黒羽家は小国の大使公邸を我が物顔で使っている。このように四葉家は、小国とは言え、外国大使と対等以上の関係を結んでいる[Ⓝ暗-1-292]。 真夜は、USNA軍のヴァージニア・バランスと2096年2月から極秘協力関係にある[Ⓝ劣-11-130,17-197・198]。2097年8月以降、ペンタゴンは四葉家と達也を日本軍以上に重要な同盟相手と認識しており[Ⓝメ-1-155]、USNAの国防長官リアム・スペンサーは2097年8月に「司波達也個人とアメリカ政府が敵対しない」旨の協定を達也と結んでいる[Ⓝ劣-32-108]。
拠点・資産
本拠地
本家は、旧第四研の跡地に建てられている[Ⓝ劣-8-113・114]。
四葉の村は、旧長野県との境に近い旧山梨県の狭隘な盆地にある。村の名前は無く、地図にも載っておらず、行政区画としての村が置かれているわけでもなく、近代化以前から人々が集まって形成された自然村というわけでもない[Ⓝ劣-12-25,15-44]。
名前が無いこと以外は普通の村で、役場や警察署や消防署、学校(小中一体校)もある。電気も水道も通っており、道もきちんと舗装されている[Ⓝ劣-12-25]。
ただし、村の家屋は全て偽装した旧第四研の研究施設であり、村全体がまるごと一つの実験場である。地上施設は今でも魔法師の性能試験に使われている。また第四研の性質から、自給自足もできるようになっている[Ⓝ劣-8-114,12-31,20-34]。
たとえば、2096年2月には村内の学校において桜井水波の「テスト」(魔法による武装集団の鎮圧の演習)が行われた[Ⓝ劣-12-25・31∼33]。
村には認識阻害の結界が張られており[Ⓝ劣-16-141]、外部からは認識できないようになっている。この村へと続くルートには、決まった地点で特定の波形を持つサイオン波を照射しないと入れない仕組みになっており、トンネルの中に無系統魔法を鍵とした自動ゲートが設けられている。同様のゲートは他にも何ヶ所か存在するが、常時作動しているのは1ヶ所のみである。これによって四葉本家は、陸上交通機関に限って言えば外界から遮断されている[Ⓝ劣-16-145・146]。
また、小淵沢駅近くのヘリポートからエレベーターで地下80メートルまで降りたところには、本村への直通ルートが敷設されており、ここから本村までは法定速度を無視した速度で10分程度で到着する[Ⓝ劣-22-32∼34]。
第四研は元々名前のみが知られていて、その場所は政府や軍の高官にも分からなかったのだが、四葉家が第四研を引き継ぐ際に、この秘密を知る外部の人間の記憶を消して回り、本拠地の所在を完全に隠した[Ⓝ劣-8-114,16-145・146]。
四葉家の縁者以外でその場所を知る者は、政府関係者を含めてごく僅かしかいない[Ⓝ劣-12-25,SS-189]。
ただし、三矢家・六塚家・七草家・九島家には「甲府市から諏訪市の間」という大まかな地域を明かしている[Ⓝ劣-29-102]。
村の中央には、広い敷地内に複数の離れを持つ一際大きな平屋建ての屋敷がある。この武家屋敷調伝統家屋が四葉家の本邸であり、真夜の住まいである[Ⓝ劣-8-16,12-31,15-44]。
一般家屋と比べれば確かに広いものの、七草家や一条家の大邸宅に比べれば、質素でこじんまりとしている(四葉は屋敷の広さなど気にしない)[Ⓝ劣-8-16]。
外見は伝統的な日本家屋だが、中は無節操なまでに和洋折衷になっている[Ⓝ劣-8-89]。
門は重厚な作りをしている[Ⓝ劣-8-16]。
「謁見室」(大応接室)
「謁見室」と通称される大応接室は純洋風で、出入り口は外開きの木の扉。中の雰囲気はモダンで、広々としている。明るい色調の壁には大きな風景画(油絵)が掛けられている。心理的な圧迫感をもたらす効果を狙っているのか、広さに対して物が少なく、ガランとした印象がある[Ⓝ劣-8-16・63・89]。
「奥の食堂」
「奥の食堂」は真夜が私的な会食を開く場所で、特に重要な客を招いたり、食事をしながら極めて秘密性の高い会議を開く場所である。食堂奥の扉は、当主専用の扉となっている。2096年大晦日の話し合いや、2097年4月の二十八家若手会議後の報告会で利用された[Ⓝ劣-16-184・205,22-43]。
真夜の書斎
真夜の書斎には、重厚な机、背もたれの高い椅子、天井まで届く本棚、年代物の応接セット、フリズスキャルヴ用の情報端末が置かれている[Ⓝ劣-16-223∼225]。
「真夜の部屋」
アニメでしばしば出てくる右画の部屋については「真夜の部屋」と表記されており[㊮来ADW-67]、「書斎」とは書かれていない。
また2096年12月時点では、「書斎」には真夜・葉山・業者以外は立ち入ったことはないのだが[Ⓝ劣-16-223・224]、この「真夜の部屋」には水波が2096年4月に立ち入っている[Ⓐ劣2-11-B]。
本棚があるようにも見えないので、やはりこの部屋は「書斎」ではないのだろう[管推]。
また、16巻で達也は真夜に「いつも深雪にお電話をいただいている部屋は、書斎ではなかったのだなと思いまして」と述べているので[Ⓝ劣-16-224]、右画の椅子のある部屋も書斎ではない。
サンルーム
サンルームがある[Ⓝ劣-8-224・258]。
純和室の大部屋
慶春会に用いられる純和室の部屋がある[Ⓝ劣-16-267]。
アニメ〈古都内乱編Ⅴ〉で出てきた部屋だろうか?[管想]
その他
敷地内には、四葉夢女が暮らしている離れ[Ⓝ劣-8-44]や、津久葉家がいつも使っている離れ[Ⓝ劣-16-182]がある。
また武道場もあり、ここの使用頻度は特に高い[Ⓝ劣-8-114]。
また、敷地の地下には旧第四研の中枢がある[Ⓝ劣-8-114]。
敷地内に入った際、風間は「これほど濃密な死の臭いが漂う場所は滅多にない」と述べている[Ⓝ劣-8-113]。
四葉東京本部ビル
四葉東京本部ビルは、調布市に新しく建てられた10階建てのビル[Ⓝ劣-22-31・81,23-97,25-60]。「首都圏本部ビル」「調布のビル(マンション)」などとも表現される[Ⓝ劣-23-97,25-60]。
東京における四葉家の本部として建てられたものだが、深雪との婚約に伴い、達也はこのビルへの引っ越しの必要性を認めた[Ⓝ劣-17-57,22-81]。
ビルは、広い敷地の中央に建っている。3階までがオフィス用、4~10階は居住用で、屋上はヘリポートになっており、居心地の良いペントハウスがある[Ⓝ劣-22-31・81]。地下には研究施設や訓練施設などがある[Ⓝ劣–]。
マンション部分は全て四葉関係者が入居し、戦闘員の一時的な宿舎としても機能する。そのため、要塞のような造りになっている[Ⓝ劣-22-81]。
このビルのすぐ近くには調布碧葉医院があり、有事においては傷病者対策の役割を担うこととなっている[Ⓝ劣-25-60]。
東京副本部マンション
東京副本部は、東京本部ビルからワンブロック離れたところにある中層マンションである[Ⓝメ-1-102]。
本部ビルが何らかの理由で使えなくなったときに備えて買い取られ、改造された[Ⓝメ-1-102]。
第二の本拠地・巳焼島
巳焼島は、四葉家が完全支配している東京の不動産会社の所有地(実質的な四葉家の私有地)で、治外法権に等しい拠点[Ⓝ劣-22-46,26-60,28-198,Ⓝメ-1-263,Ⓝ㊕続追-10・12]。中学生時代に深雪が『ニブルヘイム』の練習をしていた島[Ⓝ劣-22-46・47,Ⓝ㊕-続追]。
四葉家が受託管理していた巳焼島軍事刑務所が廃止された後、四葉家の新本拠地として各種の魔法研究施設が造られ(四葉巳焼島支部)[Ⓝ劣-22-47,Ⓝメ-2-78]、またESCAPES計画のプラントも建造された[Ⓝ劣-26-61∼63]。
巳焼島の開発は急ピッチで進み、海上空港が完成するなど、島内の風景は2100年までの3年間で様変わりしている[Ⓝメ-1-32]。
四葉家の研究施設は島の北西地区に置かれている[Ⓝメ-1-168]。ここには四葉家の幹部が巳焼島に滞在する際の居室や、島の管理、島内および周辺海域の監視、自衛のための情報処理・通信施設(指令室)を収めたビルなどが建っている[Ⓝメ-3-112]。
また南西地区には、「高千穂」と地上をつなぐ仮想衛星エレベーターが設けられている[Ⓝメ-1-169]。
この2エリア(島面積の30%)は、四葉家関係者以外立入禁止となっている[Ⓝメ-1-169]。
その他の資産
- 四葉家のクルーザー
横浜事変の直後に、海上での仕事が増えることを予測した花菱執事が長崎の造船所に発注したもの。見た目はレジャー用のクルーザーだが、中身は戦闘用快速艇で、魔法的なギミックも組み込まれている[Ⓝ劣-20-187・188]。 - 四葉家の小型VTOL
主翼の中にティルトローターを組み込んだ、パイロットを除く定員が6名の電動式機体[Ⓝ劣-22-30・31]。 - 四葉家の大型トラック
チタン合金とセラミックの複合装甲板でできた荷台を持つトラック。内部はちょっとした研究室のような造りになっている[Ⓝ劣-22-271・272]。 - フリードスーツ
四葉家が開発した、ムーバル・スーツに代わる達也専用の飛行装甲服[Ⓝ劣-22-272∼275]。 - 「ウイングレス」
四葉家が開発した、飛行魔法で空を飛ぶバイク[Ⓝ劣-22-273・275]。 - 「エアカー」
四葉家が開発した、飛行魔法で空を飛ぶ車。深海や宇宙空間でも、いちおう行動できる[Ⓝ劣–]。
活動
魔法研究
四葉家は魔法研究者の一族であり[Ⓝ劣-30-98]、魔法に関する知識を貪欲に求め[Ⓝメ-2-248]、種々の魔法研究を行っている。
精神についての研究
魔法の可能性を探究・追窮し、その果てに「精神とは何か」を解き明かすことは、他の十師族にも知られていない、一族が目指す到達点である[Ⓝ劣-11-240,30-98]。
真夜がパラサイトに興味を持ったのも、「精神の独立情報体」と言われているパラサイトを調べることで精神の性質(精神の素材、構造、所在など)を解明するヒントが得られるのではないかと考えたためである[Ⓝ劣-11-240]。
魔法演算領域の研究
四葉の研究者にとって、魔法演算領域の研究は旧第四研の時代から一貫したテーマである[Ⓝ劣-25-119]。
魔法演算領域の治療法の模索
四葉元造が命を落とす原因となった『魔法演算領域のオーバーヒート』について、長年の研究を重ねてきており、治療法の開発も英作の時代から続けられている[Ⓝ劣-21-88,25-118・119]。
情報ネットワークに関する研究
魔法の本質を解明するための足掛かりを得るため、真夜は響子に『情報ネットワークの本質解明』を命じた[Ⓝメ-1-85]。
企業経営
全国のホテルや病院、不動産会社、FLTなどの企業経営により収入を得ている[Ⓝ劣–]。
特にトーラス・シルバーによる四葉家の財務面への貢献は、無視できないものがある[Ⓝ劣-16-76,28-242]。
また恒星炉事業は、成功すれば四葉家に大きな利益をもたらす一大プロジェクトであると期待されている[Ⓝ劣-31-61]。
犯罪魔法師の粛清業務
元老院からの依頼を受け、危険な魔法師の粛清業務を行うことで収入を得ている[Ⓝ劣–]。国防軍からの委託業務
巳焼島軍事刑務所の管理を依頼され、受託している[Ⓝ劣–]。家系
- 素体
司馬空哉、東雲真彩 - 曾祖父母世代
四葉和真、四葉彩夢、東山元英、四葉兵馬、四葉勇磨 - 祖父母世代
四葉元造、阿部泰夜、四葉英作、四葉夢女、黒羽重蔵、四葉元輔、津久葉彩歌、結城冬彦 - 父母世代
真柴真佐、四葉深夜、司馬龍郎、古葉小百合、四葉真夜、椎葉英嗣、黒羽貢、東雲亜弥、亜弥の兄、静陽人、新発田理、理の妻、武倉藍霞、津久葉冬歌、安東青司 - 主人公世代
司波達也、司波深雪、黒羽亜夜子、黒羽文弥、東雲吉見、新発田勝成、堤琴鳴、堤奏太、津久葉夕歌
四葉家は、本家と7つの分家から成っている[Ⓝ暗-1-232]。
このうち「四葉の魔法師」と呼ばれるのは、本家の血縁、本家直属、分家の血縁の魔法師のみである[Ⓝ暗-1-232]。
分家が抱える魔法師は、子飼いの者であっても「四葉の魔法師」とは呼ばれない[Ⓝ暗-1-232]。
本家
本家当主には、その世代で最も「強い」魔法師ではなく、その世代で最も「優れた」魔法師が就くことになっている[Ⓝ劣-16-38・67]。
当主の資質として精神干渉系魔法への適性が重視されるものの、それは絶対的な条件ではなく、事実3代目の真夜は適性を持っていない[Ⓝ劣-16-73・74]。
また、建前としては本家当主と分家当主の話し合いで次期当主を決めることになっているが、一族に対する本家当主の影響力を考えれば、実質的には本家当主の指名で次期当主は決定される[Ⓝ劣-16-75]。
「本家の人間かどうか」は人によってさまざまで、たとえば司波龍郎は本家の人間とは認められておらず、本家への立ち入りも許されていない[Ⓝ劣-16-112,Ⓝ㊕続追-8]。
四葉家では当主の絶対支配が敷かれているわけではない。面と向かって逆らう者はいなくても、消極的なサボタージュ程度で粛清されることはない[Ⓝ暗-1-73]。
四葉元造
四葉家の初代当主。大漢復讐戦で戦死した[Ⓝ劣–]。
阿部泰夜
元造の妻。復讐戦以前に死亡[Ⓝ劣–]。
四葉英作
四葉家の2代目当主。2085年頃に逝去した[Ⓝ劣–]。
分家当主らによる「達也は殺すべきだ」という提案を却下し、「達也は最高の戦闘魔法師にする」という決定を下した[Ⓝ劣-16-200]。
四葉夢女
元造と英作の妹。貢の母。存命[Ⓝ劣-8-,16-2・189]。
四葉元輔
元造・英作・夢女の弟。大漢復讐戦で戦死した[Ⓝ劣–]。
四葉深夜
真夜の姉。人造魔法師実験の施術者。2094年頃に病死した[Ⓝ劣–]。
四葉真夜
四葉家の3代目当主。人造魔法師実験を決定した人物。英作の遺言により当主となった。達也に対して異常な執心を見せており、達也は「狂っている」と述べている[Ⓝ劣-16-・232∼234・238∼240]。
分家
四葉家には7つの分家があり、それぞれが役割を持っている[Ⓝ劣-15-52]。
これらの分家は、それぞれが単独で十師族並の戦闘力を秘めている[Ⓝ劣-16-78,Ⓝ暗-1-233]。
また、この7家に加えて、司波家という分家もある。
新発田家
新発田家は、私設軍隊の性格が強い分家。
暗殺や破壊工作よりも正面突破や拠点防衛[Ⓝ劣-31-200]、殺し合い・壊し合いを得意とする[Ⓝ劣-28-198]。
ネーミングの由来は、「四葉→シバ→シバタ」[Ⓝ劣-15-312]。
新発田理
新発田家の現当主[Ⓝ劣–]。
勝成の母
存命[Ⓝ劣-16-265]。
新発田勝成
四葉家の元次期当主候補で、新発田家の次期当主[Ⓝ劣-16-7,22-46]。
四葉家の戦闘魔法師の中でもトップクラスの実力者で、単純な魔法戦闘力では分家中最強の、「普通に」優れた魔法師[Ⓝ劣-16-130・143・175,31-226]。
黒羽家
黒羽家は、諜報工作活動を担う分家。
裏仕事が多い四葉家の中でも、更にその暗闇奥深くを担当しており、周公瑾は「四葉の更なる闇」と表現している[Ⓝ劣-8-266,11-186,12-229,13-346,16-46・78,SS-175,Ⓝ暗-1-177]。
非合法性の強い家であるため、絶対に裏切らないことが必要で、黒羽家の人間には徹底的な「四葉家当主への服従」が刷り込まれている[Ⓝ劣-SS-175]。
本拠地は旧愛知県だが、諜報のための拠点を日本各地に持っている[Ⓝ暗-2-71]。
ネーミングの由来は、「四葉→クローバー→クロバ」[Ⓝ劣-15-312]。
黒羽重蔵
黒羽家の前当主。夢女の夫。大漢復讐戦後に逝去した[Ⓝ劣-16-2]。
生まれたばかりの達也を「殺すべきだ」と英作に具申した[Ⓝ劣-16-199]。
黒羽貢
黒羽家の現当主。2054年度生まれ[Ⓝメ-2-268]。子煩悩な愛妻家[Ⓝ劣-8-,16-]。達也を忌避している[Ⓝ劣–]。
東雲亜弥
貢の妻。故人[Ⓝ劣-8-49,16-2]。
黒羽亜夜子
文弥の双子の姉。2080年6月10日生まれ[Ⓝメ-2-299]。達也を慕っている[Ⓝ劣–]。
黒羽文弥
四葉家の元次期当主候補で、黒羽家の次期当主[Ⓝ劣–]。2080年6月10日生まれ[Ⓝメ-2-299]。達也を慕っている[Ⓝ劣–]。
真柴家
真柴家は、精神干渉系魔法による監視と追跡を得意とする[Ⓝ劣-28-198]。
ネーミングの由来は、「四葉→シバ→マシバ」[Ⓝ劣-15-312]。
真柴真佐
真柴家の現当主[Ⓝ劣-16-2]。
椎葉家
椎葉家の詳細は不明。
ネーミングの由来は、「四葉→シバ→シイバ」[Ⓝ劣-15-312]。
椎葉英嗣
椎葉家の現当主[Ⓝ劣-16-2]。
津久葉家
津久葉家は、系統外魔法を得意とする魔法師が多い分家[Ⓝ-21-89]。
ネーミングの由来は、4枚の葉を持つ「衝羽根草」という植物[Ⓝ劣-15-313]。
津久葉彩歌
夕歌の母方の祖母。存命?[Ⓝ劣-16-2]
結城冬彦
夕歌の母方の祖父。大漢復讐戦で戦死[Ⓝ劣-16-2]。
津久葉冬歌
津久葉家の現当主。夕歌の母。存命。ややヒステリックな面がある[Ⓝ劣-16-2,]。
安東青司
夕歌の父。存命?[Ⓝ劣-16-2]
津久葉夕歌
四葉家の元次期当主候補で、津久葉家の次期当主。第一高校の元生徒会副会長。夜型人間[Ⓝ劣-16-6・145]。
精神干渉系魔法を得意とする[Ⓝ劣-16-6]。
武倉家
武倉家の詳細は不明。
ネーミングの由来は、「ヨツバムグラ」という植物[Ⓝ劣-15-313]。
武倉藍霞
武倉家の現当主[Ⓝ劣-16-2]。
静家
静家の詳細は不明。
ネーミングの由来は、4枚の葉を持つ「ヒトリシズカ」という植物[Ⓝ劣-15-313]。
静陽人
静家の現当主[Ⓝ劣-16-2]。
司波家
司波家は、四葉深夜のために創設された分家[Ⓝ-16-111]。
他の7家とは性格を異にしているように感じられる[管推]。
司波龍郎
計算に計算を重ねて選び出された深夜の配偶者。達也と深雪の父。FLTの筆頭株主だが、本家への出入りは許されていない[Ⓝ劣-16-192]。
司波深夜
達也と深雪の実母。世界最高の精神干渉系魔法師。故人[Ⓝ劣–]。
世間的には子供を成さないまま死んだことになっていた[Ⓝ劣–]。
司波小百合
龍郎の後妻。旧姓は「古葉」。司波兄妹を嫌っている[Ⓝ劣–]。
司波達也
深雪の元ガーディアンで現婚約者[Ⓝ–]。青波いわく「一つの究極の作品」[Ⓝ-17-83・85]。
四葉家では多くの者から見下されているが、これは分家の当主がそのように誘導し、本家もそれを放置したためである[Ⓝ劣–,管推]。
本家への出入りは許されているが、2096年時点では「四葉の魔法師」とは認められていない[Ⓝ劣–]。
正真正銘、龍郎と深夜の息子だが、2097年元旦以降は真夜の息子ということになり、父親も龍郎ではないということになった。また深雪との婚約に伴って「四葉の魔法師」として認められた[Ⓝ劣-16-219∼222・229・230・270・271]。
司波深雪
龍郎と深夜の娘。四葉家の次期当主で、達也の婚約者。四葉の「最高傑作」であり、四葉家の技術の粋を注ぎ込んで生み出された、達也のためだけに作られた「完全調整体」[Ⓝ劣-15-196,16-217・221・230・231・236・270]。
その他の家
分家扱いではないが、関連する家系として以下の家がある。
東雲家
東雲家の詳細は不明だが、家系図には「東雲」の姓がしばしば登場する。
東雲真彩
四葉家の素体[Ⓝ-16-2]。
東雲亜弥
黒羽貢の妻。故人[Ⓝ-16-2,]。
亜弥の兄[Ⓝ-18-224]
東雲吉見
亜弥の姪で、亜夜子と文弥の従姉。黒羽家に所属するサイコメトリスト[Ⓝ-18-114・115・224]。
東山家
東山家の詳細は不明だが、四葉家の家系図には東山元英の名があり、また国立魔法大学の東山知時は東山家の縁者である[Ⓝ劣-16-2,Ⓝメ–]。
司馬家
司馬家の詳細は不明だが、四葉家の素体には「司馬」の姓が冠されており、また司波龍郎の旧姓も「司馬」である[Ⓝ-16-2]。
東道家
東道家は、家系図には出てこないが重要な一族である。
四葉家はかつて国防軍から第四研の実権を奪い取ったが、その前に軍が東道家から第四研の実権を奪い取ったという経緯がある[Ⓝ劣-20-291]。
四葉家に「血」を提供したのは東道家であり[Ⓝ劣-20-293]、「東雲」「東山」「安東」など四葉一族の姓に「東」の文字が散見されるのはその表れではないかと想像される[管推]。
使用人・スタッフ
執事
四葉本家には、主要な「執事」が8名いる。「執事」と言ってもその実態は各業務において使用人を監督する立場にある者のことで、本家当主のプライベートな用向きを果たす「執事」に該当するのは葉山だけである[Ⓝ劣-16-142,17-2]。
「内陣〈インナー〉」
葉山忠教
序列第一位。真夜の側近。英作の代から四葉家当主に仕えている重鎮。筆頭執事として全てを監督している。初老に見えるが、実年齢は70歳を超えている。コーヒーを淹れるのが非常に上手い[Ⓝ劣-8-224・225,12-33,16-225,17-2,30-137,Ⓝメ-2-264・265]。
花菱但馬
序列第二位。実戦経験が豊富な退役軍人。戦闘行為を伴う非合法活動の人員・装備両面を取り仕切っている[Ⓝ劣-14-58・269,17-2,22-30,27-244,Ⓝメ-2-265]。
紅林
序列第三位。旧第四研の調整施設を統括する、四葉家の研究・技術部門総責任者[Ⓝ劣–,Ⓝメ-2-265]。
「外陣〈アウター〉」
青木
序列第四位[Ⓝ劣-3-154,]。財務面を統括する[Ⓝ劣-3-152,11-161]。
達也を見下すなど、性格面に問題はあるが、仕事の実力は表も裏も一流である[Ⓝ劣-3-152∼154,11-161・228・229]。
黒田
序列第五位。外部の人材採用・スカウト、村外の不動産管理を行っている[Ⓝ劣-17-2]。
白川
序列第六位。使用人の統括において葉山の補佐を行っている[Ⓝ劣-16-183,17-2,20-186]。
木村
序列第七位。村長代行、村内の不動産管理を行っている[Ⓝ劣-17-2]。
小原
序列第八位。元交通機動隊。外部との交通手段を管理している[Ⓝ劣-16-70,17-2]。
◇◇◇
以上の8名以外にも、執事、または執事に準じる仕事をしている使用人がいる。
花菱兵庫
四葉本家に仕える執事[Ⓝ劣-25-110,Ⓝメ-3-156]。達也の忠臣[Ⓝ劣-26-67]。
イギリスのPMSC、「アンシーンアームズ」で修行していた[Ⓝ劣-22-30,]。
本家の少年執事
達也とさほど歳の変わらない少年。訓練が行き届いている[Ⓝ劣-8-135・136]。
作間
新発田家に長年仕えている使用人[Ⓝ劣-28-197]。
メイド
白川夫人
四葉家の家政婦を統括する「メイド長」。白川執事の妻[Ⓝ劣-16-183,17-2]。
桜崎奈穂
四葉家のメイド[Ⓝ暗–]。暗殺者[Ⓝ暗–]。
桜井水波
四葉家のメイド[Ⓝ劣-25-110]。元人間[Ⓝ劣-32-]。
ガーディアン
四葉家のガーディアン制度は、特に優れた魔法資質を持つ一族の者に専属の護衛役を置く制度[Ⓝ劣-8-286]。ガーディアンは、特定の要人を、自分の命を犠牲にしてでも守る役目を負う[Ⓝ劣-6-88]。
大漢の崑崙方院による真夜の拉致事件を教訓として設置された[Ⓝ劣-8-286]。ガーディアンの任務が四葉の中で最優先とされる[Ⓝ劣-6-89]のは、こうした事情によるものと思われる[管推]。
桜井穂波
深夜のガーディアン[Ⓝ劣-8-28]。故人[Ⓝ劣-8-]。
司波達也
深雪の元ガーディアン(2086年頃~2097年)[Ⓝ劣-6-88,8-33・93]。
深雪との婚約に伴いその地位は変更されたらしく[Ⓝ劣-21-91]、2097年6月時点では既にガーディアンではなくなっている[Ⓝ劣-26-240]。
桜井水波
深雪の元ガーディアン[Ⓝ劣-8-259,12-35・227]。元人間[Ⓝ劣–]。四葉家のメイド[Ⓝ劣-8-258,12-32]。
潜在的な能力は七草の双子に匹敵する[Ⓝ劣-8-259]。
夕歌の元ガーディアン
女性。故人[Ⓝ劣-16-59・60]。夕歌のプライベートにはほとんど口を出さなかった[Ⓝ劣-16-67]。それ以上の詳細は不明。
桜崎千穂
夕歌の現ガーディアン[Ⓝ劣–]。
堤琴鳴
勝成の元ガーディアンで現婚約者[Ⓝ劣-16-60・153・269,28-198]。
堤奏太
勝成のガーディアン[Ⓝ劣-16-153,28-198]。
傭兵部隊・暗殺者
本家の傭兵部隊
序列第二位の執事である花菱但馬が管理している[Ⓝ劣–]。
暗殺者
本家や分家は、複数の暗殺者を抱えている。
桜崎奈穂
本家所属の暗殺者。メイド。「桜」シリーズの一人。ガーディアンの成り損ない。
榛有希
黒羽家所属の暗殺者[Ⓝ暗-1-288・292]。
『身体強化』の超能力者で、忍者の技能も持つ[Ⓝ暗-1-]。
亜貿社の社員でもある[Ⓝ暗-1-288]。
鰐塚単馬
黒羽家所属の情報屋[Ⓝ暗-1-289・292]。
有希の相棒で、情報収集担当[Ⓝ暗-1-289]。
亜貿社の社員でもある[Ⓝ暗-1-288]。
若宮刃鉄
黒羽家所属の暗殺者[Ⓝ暗-3-230]。
「鉄」シリーズの一人[Ⓝ暗-3-38]。
形式的ではあるが出家し、九重寺で八雲の高弟・巻雲の指導を受けた[Ⓝ暗-3-262・263]。
その他の人員
藤林響子
藤林家出身の魔法研究者。真夜直属の部下[Ⓝメ-1-91]。
アンジェリーナ=クドウ=シールズ
スターズ叛乱事件や巳焼島事変を経て、リーナはUSNAから達也に対して「レンタル」され(のちに日本に帰化)、それ以来深雪の護衛任務に就いている[Ⓝ劣-32-285,Ⓝメ-1-33]。
深雪の護衛任務の対価として、四葉家から生活保障(報酬)を得ている[Ⓝメ-3-167]。
九島光宣と桜井水波
パラサイトとなった二人は、時折達也の依頼をこなしている[Ⓝメ-1-91・94・95,2-]。
倉知
国防陸軍参謀部の少尉。黒羽家が送り込んだスパイ[Ⓝ劣-31-59・60]。
四八徹
国防空軍出身のパイロット。達也直属の部下[Ⓝメ-1-31]。
精神感応者〈テレパス〉
超遠距離通信が可能なテレパスは四葉家配下にも数人しかおらず、全員が本家直属となっている[Ⓝ劣-30-295]。
四葉家のクルーザーの機関士
揺動と振動を緩和する魔法を使う[Ⓝ劣-20-188]。
支配している企業・施設
フォア・リーブス・テクノロジー
四葉家傘下の魔法工学機器メーカー[Ⓝ劣-3-156,8-27]。四葉家の純然たる資金源の一つ[Ⓝ劣-16-47]。
名目上の最大株主は司波龍郎だが、実質的な支配権は四葉家が握っている[Ⓝ劣-3-156,24-55]。
亜貿社
2094年に黒羽家が傘下に収めた殺人請負企業で、政治的暗殺結社[Ⓝ暗-1-136・153・285]。
その他
黒羽姉弟の通う私立中学校[Ⓝ暗-1-103]、花菱モータースポーツ[Ⓝ劣-29-205]、調布碧葉医院[Ⓝ劣-25-60・110,27-219,]、甲府の病院[Ⓝ劣-30-36・233]、横浜のホテル[Ⓝ劣-10-138・139]、奈良のホテル[Ⓝ劣-13-154]、京都のホテル[Ⓝ劣-15-265・266]など全国各地のホテル[Ⓝ劣-14-55]、伊豆の土地を所有している不動産会社[Ⓝ劣-24-82]、巳焼島を所有している不動産会社[Ⓝ劣-22-46,26-60,28-198]、司波家の恩納瀬良垣の別荘(のちに処分)[Ⓝ劣-8-27,20-60・61]、伊豆の別荘[Ⓝ劣-23-98]とその監視小屋[Ⓝ劣-24-79]、編笠山の麓にある津久葉家の別荘[Ⓝ劣-16-124・145]、小淵沢駅近くのヘリポート[Ⓝ劣-22-32,Ⓝメ-2-78]、黒羽家のサバイバルゲーム会場[Ⓝ暗–]、下田市の要塞兼監獄[Ⓝメ-2-263]、町田市のメイジアン・カンパニー本部ビル[Ⓝメ-1-122・130]など、多くの企業や施設を直接・間接に保有、あるいは支配している。
関係のある企業・組織
株式会社ステラジェネレーター
恒星炉プラントを統一された経営意思の下で建設・運営することを目的として、2100年5月に新設された事業体。社長は司波達也。多数の企業から資金が入っており[Ⓝメ-1-54・55]、四葉家の資金も当然入っているものと予想される。
一般社団法人メイジアン・カンパニー
達也が2100年4月に設立した社団法人。理事長は司波深雪[Ⓝメ-1-60]。本部は町田市にある[Ⓝメ-1-122]。四葉家との資金関係は不明。
魔法工業技術専門学院(魔工院)
伊豆半島南東の海岸にある[Ⓝメ-2-263]。
東山研究室
国立魔法大学の研究室のひとつ。四葉家の支援を受けている。夕歌や達也が所属している[Ⓝ劣-27-40,Ⓝメ-1-110・111]。
「触れてはならない者たち〈アンタッチャブル〉」
―――日本の四葉に手を出すな。手を出せば、破滅する[Ⓝ劣-20-113]。
四葉家は、崑崙方院と大漢への報復事件と、それに続く大漢の崩壊によって、「触れてはならない者たち〈アンタッチャブル〉」と言われ恐れられている[Ⓝ劣-8-287]。
達也と深雪が四葉家の人間だと分かった時には、エリカ、幹比古、美月など、両名に非常に近しい者たちもびびっている(レオは除く)[Ⓝ劣-17-112∼119]。
ただしFLTのCAD第三課の面々については、もともとはみ出し者の集まりで権威に背を向ける人間ばかりだったからか、態度は変わっていない[Ⓝ劣-17-132]。
この事件で、四葉家は当主の元造を含め30人の犠牲者を出したが(四葉家が抱えていた実戦魔法師の約半数)、大漢は閣僚・高級官僚・士官・魔法師・研究者など約4,000人を殺され、大陸における現代魔法の研究成果を破壊し尽くされ、そのダメージで翌2064年に大漢は内部崩壊した[Ⓝ劣-8-282・283・286・287]。
身内の一人が害されたというだけで、身内の犠牲を厭わず攻め込み、2桁差以上の頭数を殺害し、一国家を崩壊に至らしめたその事実から畏怖の対象となり、「アンタッチャブル」と恐怖され、世界中の魔法関係者に悪名を轟かせるようになった。この事件には内情や公安、情報部も巻き添えに遭い、徹底的に叩きのめされたことで、「四葉家と事を構える」ということの意味を思い知った。裏社会の人間も同様で、彼らにとって四葉家とは、触れてはならない禁域、触れれば破滅の禍が返ってくる悪魔である[Ⓝ劣-8-271∼273・286・287,11-132,15-44,21-233,Ⓝ暗-1-286,Ⓝ㊕IF-10]。
魔法に関わる者にとって、四葉家とは一種の禁忌であり、不可触領域であり、魔法というものの一面を狂的に突き詰めた集団である。「その気になれば統合幕僚長の首を取るのも容易く、一夜で政府をひっくり返すことも可能」「もし四葉家がテロリストと化したなら、第四次世界大戦の引き金が引かれる」と言う者もいる[Ⓝ劣-6-124,11-127,Ⓝ暗-3-154・155,Ⓝ㊕IF-11]。そのせいで、魔法絡みで何か大きな凶事が発生したときには、「とりあえず四葉の関与を疑ってみる」という風潮が、日本ばかりかアジアや北米地域にはできあがっている[Ⓝ㊕IF-11]。
また、日本の魔法関連企業では、四葉家と全く関係のない企業であっても、社名に「四葉」「フォー・リーブズ」などの言葉を入れることがしばしばある。これは、企業を狙うスパイ組織・犯罪組織に対して手出しを躊躇わせるためである[Ⓝ劣-6-124]。
◇◇◇
2097年8月4日に起こった巳焼島事変では、USNA軍の正規軍と正面衝突したが、四葉家が完勝した。この事実は各国の軍事関係者を震撼させ、「四葉」の悪名をますます世界に轟かせた[Ⓝ劣-31-260]。
四葉家のスポンサー
四葉家は、「日本で二番目くらいの権力を有する」非公式の秘密組織・元老院の支援を受けている[Ⓝ劣-32-182・184]。
東道青波もその一員(四大老の一人)で[Ⓝ劣-32-184,Ⓝメ-2-231]、真夜いわく「特に親しくしていただいている」最有力のスポンサーである。また本人いわく「四葉家は最早配下ではなく、今の私は単なるスポンサー」とのことだが、かつての第四研のオーナーであり、現在においても「四葉家の真のオーナー」であって、決して「単なる」ではない[Ⓝ劣-19-20・82,20-291,24-40,28-174]。
また、葉山は四葉家の監視役として派遣された、元老院のエージェントである[Ⓝ劣-32-185,Ⓝメ-2-265]。
暴力では四葉家が上回っているが、権力と財力は元老院が上回っており[Ⓝ劣-29-241]、元老院と四葉家はほとんど対等の立場で「依頼人」と「請負人」の関係を築いている[Ⓝ劣-29-241]。
元老院が四葉家に依頼する内容は、凶悪犯罪を犯した、あるいは目論んでいる魔法師を捕らえて処分させるものである(=粛清業務)[Ⓝ劣-32-184]。
四葉家は実のところ、師族会議も魔法協会も眼中に入れていない。四葉家が影響されることを受け容れているのは、元老院だけである[Ⓝ劣-32-184]。
なお、四葉家の仕事に対し、途中で元老院が口出しするのは異例のことである[Ⓝ劣-29-241]。
具体的には、吸血鬼事件の際に解決を急かされた[Ⓝ劣-10-141]。
また、達也が光宣を追跡していた際、「四葉家はこれ以上の手出しを控える」よう依頼された[Ⓝ劣-29-241]。
できごと
その他
- 苗字に「四」の字を持つ魔法師の家系は、四方家、四方堂家、四月一日家などが知られているが、これらは旧第四研の出ではなく、四葉家とは関係が無い[Ⓝ劣-8-114]。
- ~2096年末の時点では、達也は四葉本家の一員とは認められていない。「四葉家当主の甥」ではなく、単なる護衛役、四葉家に仕える魔法師でしかない[Ⓝ劣-3-152,4-478,8-33,12-88,Ⓝ㊕笛吹-下-46]。
しかし2096年の大晦日に「四葉家の一員」と認められた。それ以来、達也に対する本家使用人の態度は大きく変わったが、2097年5月末時点では、まだ人望は乏しいらしい[Ⓝ劣-18-167,24-41]。
しかし2100年時点では、達也は四葉家内で当主に次ぐ地位を認められている[Ⓝメ-2-154]。 - 国立魔法大学においては、未確認魔法研究会というサークルが四葉家の活動拠点になっている[Ⓝメ-2-153]。
- 四葉家に手段を選ぶような良識は無い[Ⓝ劣-6-308]。
- 四葉家の情報管理は官邸よりも数段レベルが高く、通信にも十分な強度の暗号が用いられているが、フリズスキャルヴには通用しなかった[Ⓝ劣-9-230,18-194・195]。
- 「深雪様をお守りするのは四葉家にとって二番目の優先事項」と葉山が述べている[Ⓝ劣-11-99]が、これは「次期当主は深雪に事実上内定している」ことを示唆するジョーク(あるいはジャブ)だと思われる(一番は真夜)[管推]。
- 四葉家の力は強すぎるため、遠からず十師族のバランス、国家のバランスを崩してしまうのではないかと、九島烈や七草弘一は危惧している[Ⓝ劣-4-410,12-220,17-39]。
- 九重八雲は、四葉家にとっても警戒心を持たずにはいられない相手である[Ⓝ劣-13-154・161]。
- 四葉の村には住所が無いため、宅配システムは使えない[Ⓝ劣-16-90]。
- 2097年2月の十師族選定会議において、七宝家が「九」の各家にサポートを求めた際、九鬼家は「二木殿と四葉殿にお願いすればよろしいのでは」と述べている[Ⓝ劣-17-274]。
京都・奈良・滋賀・紀伊方面のサポートに関して、阪神地方の二木家はともかく、なぜ四葉家が出てきたのかが少し気になる。 - 八雲いわく、「四葉の名は、達也が考えているよりずっと思い」[Ⓝ劣-19-212]。
- 真夜は、十文字家、十山家、および九島光宣について、「四葉家であっても油断ならない相手」と認識しているらしい[Ⓝ劣-22-52・53]。