アニメ第3期考㉖ ‐ 第12話感想

作品考察
©2023 佐島勤/KADOKAWA/魔法科高校3製作委員会

※7/10 受けた指摘に対する返答などを追記しました。とうまさん、いつもとても面白い、興味深いコメントありがとうございます! ただ酔っ払いで書いたので、かなり分かりにくい文章になっていますが、ひとまずこんな感じでyrskです~。

〈古都内乱編Ⅳ〉の感想です。

原作のネタバレがあるのでご注意ください。

※以後に添付する画像のクレジットは、特に注記が無い限りは、「©2023 佐島勤/KADOKAWA/魔法科高校3製作委員会」です。

12話はコミカライズ4~5巻の内容なんですけど、ちょうどこの巻の宣伝CMがあったので、何となく貼っておきます。笑

時系列

時系列の全体像はこちら。

とてもシンプルで、ややこしい感じはほとんどない。

時系列移動はほぼゼロ。光宣の容態悪化のタイミングが若干前後したのと、達也たちが方術士03を制圧し警察に通報した話が全員での情報共有の場にまとめられたくらい?

カットされたシーンは、幻獣ゴーレム魔法宇治川の結界俱利伽羅剣くりからけんなど設定説明系の部分と、エリカ側の細かな話、達也が「視」てしまった光宣の秘密、そして何より達也と真由美のアレコレ!!!

真由美のは本当に残念だった。。。

アニオリについては、細かいものでは地の文がセリフ化されているとか、達也が伝統派の拠点を特定するときの流れが若干変更されているなどがあった。大きなものでは、尾行の私立探偵使い魔に変更されていた。

絵・表現/演技・演出/脚本

アヴァン

アヴァンは、前話に引き続き10月20日(土)の京都。

ただし場面はエリカたちサイドではなく達也たちサイドでスタート。

これに伴い、『相柳』の術者(方術士02)のその後や、警察への通報などの場面はカットとなった。

達也たち4人は、清水寺付近で周公瑾への手がかりを探す。

なお、3ヵ所の候補から清水寺を最初に選んだのは、原作によれば「ここが一番『何か』がいそうに思えたから」[Ⓝ劣-15-121]とのこと。

深雪光宣という美麗コンビに見蕩れる観光客たち。

達也「何か分かったか?」
光宣「いえ、こうも雑多な視線が多くては……」

この会話は、原作およびコミカライズでは清水寺の本堂前桧舞台――いわゆる「清水の舞台」で行われたものだが、アニメでは仁王門の手前に変更されている。

このため、「京都市街を一望できる場所だが想子光サイオンこうもやのように立ち上っていて捜索しづらい様子」は描かれなかった。

「捜索に戻ろう」のセリフは、この「観光」に絡めたネタ?

雑多な視線(笑)

もうちょっとこう手心をと言うか……いや手心いらんわコレ。ガン見しすぎやろ笑

深雪に・・・向けられる視線は全てチェックしてみたが~~」

しからん視線ならさっきから山のように注がれているが、それは光宣も同じだな」

前者について、達也は深雪に対する意識の波動をフィルタリングし、敵意の有無などをチェックしている。これは普段からやっている。

後者の「怪しからん視線」について原作では、女性が光宣に向ける視線、男性が深雪に向ける視線だけでなく、女性が深雪に向ける視線、男性が光宣に向ける視線のことも指している。

そりゃあ達也としては「怪しからん」すぎるよなと。笑

深雪「光宣君をいじめてはいけませんよ」

観客「キャッ」

達也「あっ」

ふむ

「絶世の美少女が絶世の美少年をかばう構図」に場が凍り付き硬直し時が止まってしまい、「そろそろ捜索に戻ろう」などとアニオリのセリフを嘯く達也。現在進行形で捜索中なのでは……?

なお原作では、このタイミングで尾行の私立探偵を発見するのだが、アニメでは大きく改変された。個人的に、この尾行探偵けっこう好きなので残念。

といったところで、コミカルなノリでアヴァン終了!

Aパート

10月20日(土)

達也チーム:清水寺付近の捜索

Aパートは、清水寺付近の続きから。

先に書いたように、この時点ですでに原作と流れが異なっているが、アニメのカットから鑑みるに、4人が歩いたルートはどうやら原作通りっぽい(以下参照)。

最初のカットは、清水寺の本堂と奥の院の間の場所。

その後に歩いているのは、奥の院から音羽の滝へ下る坂道。

アヴァンからの道のりは、何となくこんな感じでしょう。

『精霊の眼』エレメンタル・サイト精霊(?)の痕跡に気づく達也

達也「古式魔法の痕跡がある。これは……」

光宣使い魔で監視をしていたようですね。巧妙に隠されています」

ここの会話は完全にアニオリ。原作で登場する探偵の代替になっている。

達也「あちらに続いている」

ここ、『精霊の眼』持ちの達也が「視」えてるのはいいんだけど、何となく光宣にも「視」えているようにも思える。

……いや、精霊が移動していったあとにうっすらと残っている痕跡をきちんと知覚し、辿っていってるだけで、考えすぎやなきっと!()

これどこやろな。

痕跡を辿った末に着いたのはお豆腐料理屋さん。

コミカライズ版とは門構えが異なっている。制作陣の配慮かな?とも思うので、言及はここまでにしておきます。

店内の様子を探り、ある人物(店主)を見つける達也。

最初は話を聞くだけのつもりだったが、深雪水波がめっちゃ食べたそうにしてるし、そういえばお昼時だしで、とりあえずお昼をとることにする流れは原作通り。

なお原作では、店主に逃げられる感じもないから食事をとることにした旨も添えられている。

若干のカットを挟み、座敷席に案内された達也たちは、湯豆腐ふたつと湯葉鍋ふたつを注文。男性陣が前者、女性陣が後者。

……湯葉鍋を楽しむシーンを楽しみにしていたのだが、なんとアニメではカットされてしまった!

コミカライズを読もう……。

原作15巻口絵のフルカラー食事シーンを貼ってくれた公式に敬礼!!!

「生駒の九島さん」からの紹介で来たので、店主に会わせて欲しいと頼む達也は、原作では食後の場面として描かれているが、アニメでは食事前になっている。

(なお店員さんは「工藤さん」と思っている)
(ところで全関西人に問いたい。「生駒」のイントネーション、違和感なかった?笑)

店員さんに案内されて店主のもとへ。

これはさすがに、原作通りに食後のことだと思うのだが、さて。

敵意のない店主が、深々と一礼。

「まさか九島家の方にこうしてお目に掛かることになるとは~~」と言われて思わず顔が引きつる光宣クン。このような表情については原作で描かれておらず、これはコミカライズ準拠だと思う。

ここからの店主との問答については、原作からカットされた部分がたくさんあるので、詳細は原作を参照。

「九」と事を構えるつもりがないこと、自分は伝統派の一派を率いる呪い師(詳細は不明)であることを告白。

伝統派は一枚岩ではない。「九」への怒りから結成された集団だが、日本を裏切るようなやり方をとるなら距離を置くという者もいる。

「獅子身中の虫になると分かっていて何故、大陸の術者(=方術士)を身内に引き込むのか」という苦言に俯く光宣。

それはまさに、パラサイドール事件の折、父・真言が行っていたことだった。

そんな光宣を慮る水波ちゃ!
この演出は、原作にもコミカライズにも無い完全アニオリ。

今期はやはり、“みのみな”へのフォーカスが原作よりもコミカライズよりも強い気がする?

もしや「先」を見据えていたりする???(そうあれ)

2ページ分ほどのやりとりがカットされて、周公瑾の行方について尋ねる達也。

このカットはコミカライズ準拠。

店主は、最後に周公瑾の所在を確認したのは竹林の道の近くにある元密教僧一派の拠点だと言う。

日時についてはカットされたが、原作では10月12日(金)のことだと明記されている。

そして周公瑾はそこから南下したが、「宇治を越えた形跡は無い」と言う。

なお、ここで用いられた2枚の地図はコミカライズ準拠だと思われる。
また、この直前に京都タワーが映し出されるのもコミカライズ準拠の演出。

ここで、アニメでは超☆重要な話がカットされたので、コミカライズを引用しつつ補足をば。(店主のキャラが好きになれるシーンなので、カットは惜しい気持ちがある)

店主はなぜ、「宇治を越えてはいない」と断言できたのか?

実は、上流にある天ヶ瀬ダムでは、川の水の一部が聖別されている。これを宇治川の下流に流すことで、川そのものに結界の機能を与えている。

そして、店主はこの結界の管理者の一人であり、だからこそ「周公瑾が宇治川を越えていない」ことを知っていた。

なお、この宇治川の結界は強いものではなく、「が川を越えたかどうかを感知する警報装置くらい」[Ⓝ劣-15-148]のものである。

ちなみに、上記の俯瞰図の場所はおそらくこちら。なんかちょっと観光地っぽい?

ちなみにちなみに、宇治川は宇治市のど真ん中を流れる川です。参考まで(何のだ)

「本当のところ、蟠りを捨てきれてはいないのだが、(達也たちが)最低限の礼儀を守ったから血を流さずに済んだ」と述べる店主。

ここで言う「最低限の礼儀」は、アニメだとわかりにくいけれど、原作ではその文脈から「料理屋なのだから食事することが礼儀」だと分かる。

つまり、豆腐料理を食べたそうにしていた深雪と水波のファインプレーとも言える。

最後に、鞍馬山嵐山の一党について注意を促す店主。

きちんと頭を下げる一行にニッコリする店主。

いいお爺ちゃんなんやろなぁ。

ここで地図を再確認。

宝ヶ池京都新国際会議場、清水寺、音羽の滝、宇治川、天ヶ瀬ダム、竹林の道、鞍馬山、嵐山など、ここまでで登場した場所の参考に。

合流:捜索後の情報共有

達也たちがCRホテルに帰還。

エリカたちが将輝とともにホテルに戻るまでの流れはカットされた。

金閣寺にも手掛かりはありませんでしたね」

「ああ」

光宣と達也の会話はアニオリ。原作の地の文をセリフに起こしたもの。

ここで光宣がやたらと顔を赤らめているのは、たぶんだけどコミカライズの再現かもしれないと思っていて、それによれば「友達と一緒にホテルに泊まるとか旅行するとかが初めてで嬉しい」ようだ(4巻73・74P)。

※本記事UP後、指摘を受けたので掲載。その可能性ももちろん考えたのだが、なんとなくコミカライズ準拠にしたのかなと思い上記のような表現にした。

ただ、ちょっと思い込みの強い表現だったなと思ったので、打ち消し線で訂正しつつ、表現を少し緩めました。

なお本当のところは何とも言えず、制作陣の裏話を待ちたい(出て来るかどうかは知らない)。

なお、清水寺、金閣寺に続き挙がっていた最後の候補地、嵐山公園には行っていない。

ここは名倉の殺害現場近くであるため、明日真由美と合流してから向かおうと達也は判断した。

エリカたちの中に、なぜか将輝がいることに気づく達也。

将輝も達也に気づいて……

「司波……

……………

…さん!!!!!」

↑↑この一連の流れ最高だったw
すごくいいアニオリアレンジだと思うw

(これはツッコミが多すぎてつぶやきが間に合っていない様子。笑)

こんなニコニコな将輝も正直珍しいが、まぁ当然か。笑

将輝めっちゃ前のめりやんwww

将輝「お久しぶりです」

ここ、テンション高めなのにどことなく声が硬いというか、嬉しさを隠そうとして失敗してる感というか、上手く言えないけど「思わず上ずっちゃってる」感が最高of最高!

将輝には興味ナシの水波でジワるw

ちょっとニヤニヤしてるエリカも最高。笑

「危ないところを助けてもらったのよ♪」

これには将輝も思わず苦笑い。

この辺の心情については原作を参照!(15巻159P)

ホテルの部屋に場所を移し、情報共有に挑む一同。室内の様子はコミカライズ準拠。

ちなみに将輝は隣のKKホテルに宿泊している。

国防陸軍 第一〇一旅団 独立魔装大隊所属の特務士官であることを初手でバラす達也!

エリカ・レオ幹比古が目を白黒させる様子はカット。

お手本のような「なん・・・だと・・・」をありがとうございます!!!!!

あとからTwitter見てたら、このセリフにみーんな反応しててめっちゃ笑ったw

「他言無用だ」と言われて気を引き締める将輝。

「遠くを見詰めるような目」(原作談)をしているエリカ。

達也はかつて、同じ手をエリカにも使った。

アニメではカットされたが、原作では〈来訪者編〉の途中、エリカが達也の「正体」すなわち四葉家の縁者であるという秘密に気づき、非常に怖い思いをした[Ⓝ劣-11-84∼87]

エリカがここで秘密に気づけたのは、千葉修次の介入について探りを入れるために達也がそのように誘導したからなのだが、達也自身は「(そんなことをしなくても)遅かれ早かれ気づかれていた」と踏んでいる。

それくらいならまぁ……と思いたいところだけど、直後に「まぁエリカも巻き込めそうやし結果オーライ!」とか考えちゃってる[Ⓝ劣-11-91・92]ので、やっぱ達也は人でなしだと思う。笑

ちなみにこれと同じシーンのカットは、10周年記念PVにて初公開されている(カットの順序は逆転)。

そういう背景があるから、また同じ手を使ってる達也を見てこんな表情になっているわけです。

ただ個人的には、相手が将輝ならいいと思ってる。達也と将輝はそういう関係性であってほしいので。

ところで、コミカライズ版の方が「遠くを見詰めるような目」っぽいと思うが、どうだろうか。

達也が追っているという、横浜事変の工作員の名前が「周公瑾」であることを知り、怒りを露わにする将輝。

ナメた真似をしてくれる……!

ここでエリカが口を挟み、話題は周公瑾の『鬼門遁甲』に移る。

なお原作では、これは将輝に対するエリカの気遣いである旨が記されている。

光宣「大陸古式魔法師が使う術で、方位を狂わせる精神干渉系魔法です」

「方位を? 例えば水の中で上下を分からなくして溺れさせるとかか?」

レオの発想に対する光宣のこの表情は、原作によれば感心してのもの。(光宣にとっては思いもよらない斬新なものだった)

それにしても、光宣の表情がコロコロ変わるの、楽しいね。

光宣いわく、鬼門遁甲の主な使い方は「追跡者の方向感覚を狂わせて、見えているにも拘わらず何時までも追いつけない」というもの。

※このカットはコミカライズ準拠。

光宣のこのコメントに対して、そういう大規模な術式ばかりではなく個人戦闘レベルでも有効であり、そちらを警戒すべき、と達也が私見を述べる。

原作ではこの間に旧第九研諸葛孔明の話が挟まるが、これはカット。

互いに激しく位置を変えながら戦闘をしている状況で方位を狂わされると、自分がどちらを向いていたかが分からなくなり、致命的な隙を生みかねない。

これは同時に、相手が自分から見てどちらの方向にいたのか分からなくなる、ということも意味している(=敵に自分を見失わせる効果がある)。

原作では、このあともしばらく鬼門遁甲についての話が続くが、アニメではカットされて幹比古たちの話を聞くシーンまでジャンプした。

宝ヶ池公園で戦った相手は、おそらく鞍馬山の忍術使いだったと幹比古は言う。

しかし忍術使いたちの中心になっていたのは、大陸の方術士だった(傀儡式鬼相柳の術者)。

ここはアニメではカットされたのだが、原作およびコミカライズでは幹比古たち自身できちんとこの点を確認している。

続いて、達也も今日の報告を行う。その内容は「周公瑾の潜伏範囲が絞り込めた」「明日は嵐山に行く」という、非常に端的なものだった。

※原作では、呪い師や宇治の結界についてもきちんと説明している。

原作ではこのあと、吉田家が鞍馬山に抗議し、また吉田家と付き合いのある京都の各派に情報共有を行ったことや、幹比古たちの詳しい戦闘状況からの考察、今後の方針や明日の予定などについて話し合う様子などが描かれているが、これらはすべてカットされた。

チラチラする将輝、ちょっと見たかったんやけどな。そんな将輝を見て何やら笑ってる光宣も(コミカライズ参照)。笑

10月21日(日)

捜索2日目の朝。

光宣は体調を崩してしまった。

……達也のあぐら、カッコイイね?

自身を責める光宣を慰める達也。

ここの、無愛想な表情で、力強く「十分に力になっている」って伝える達也、最高なんですよね。

達也「光宣と同じで、頼ってもらった方が水波も喜ぶ」

早くも光宣を理解している達也。

お行儀良いよなぁ。俺こういうの全然できひん(笑)

夫婦感やべぇぇぇぇ!!!!!

じーっ…

じーーーっ……………

ジーーーッ……………………

ジ~~~~~ッ…………………………

パチッ!

「!」

そら寝られへんわなぁ!笑

はい可愛い!!!

頭から湯気でてる!!!!!

あまりにもきれいな平伏!

微笑ましいねぇ!!!!!

(・・・・・)

素晴らしい再現でした! ありがとうございますありがとうございます!!!!!

ナイギフ!(ナイジフ?)

嵐山の近く?の警察署でコミューターを降りる達也たち。

将輝の問いに対し、原作だと達也が「ここからは周公瑾のことは内緒でyrsk!」って言うんだけど、そこはカット。

そう言ってるうちに、新たなコミューターがやって来て……

真由美参上!!!

この光景、ちょっと味わい深いな。

その後の細かいやりとりはカットされ、一同は警察署の中へ。

刑事の案内で証拠保管室に入り、名倉さんの遺品を検分する一同。

刑事さんが「名倉氏が身に着けていた衣服」って言ってるから、やっぱりCADは無さそう。

原作およびコミカライズでは、名倉のCADは七草弘一が回収している。

「胸部が内側から破裂していた」という達也の言葉に、少し俯いて声を詰まらせる将輝。

普通に見れば、「どれほどの苦痛/覚悟だったのだろうか」と想像している将輝の画に見える。

が、ここは原作からカットされた、達也が「まるで爆裂だな」って言って、それに将輝が過剰反応するシーンなので、これを踏まえるといろいろ解釈が変わる。

個人的には、「この“達将”の絡みを入れると冗長になるからカットされたのだろう、そしてその名残をこの『……ッ』という将輝のドモりとして描いたのだろう」と思っている。

知らんけど。笑

一部のシーンがカットされたのち、名倉の魔法について尋ねられて記憶を探る真由美。

なんとか思い出し、「水を針にして相手に浴びせる魔法」だと答える。

……ところで、なんかお手手おっきくない?笑

「まさしく命の引き替えの反撃だな……」

すごいよねぇ。

遺品に付着している情報『精霊の眼』エレメンタル・サイトで読み取り、記憶する達也。

原作ではこのあと、名倉の傷は幻獣によるものであると述べた達也が、幻獣とは何か、化成体との違いは何か、等について説明し刑事が一生懸命にメモを取るシーンがあるのだが、これらはカットされた。

周公瑾の『影獣』の理解のため、何より「魔法の仕組み」の理解のためには重要な要素のひとつだと思うので、ぜひ原作参照をば。(原作無印シリーズ終盤で出てくる、九重八雲『欺身暗気』ぎしんあんきの仕組みにも通じるものがあると思います)

……アニメ第3期、やっぱ設定説明が少ないよな……

尺のつらさ……。

ここで場面は再び光宣&水波へ。

それにしても、ここで座椅子のカットを挟むの、上手いなぁと思う。
これ、朝に光宣が熱を出したときに、しれっと出てきたカットなんですよね。

直近で目にしたからこそ、視聴者の記憶にはたぶんうっすら残っているし、またキャラが映ってないから、脳みそにスッと入ってくる。
「ああ、場面は旅館に移ったんだな」って、スッと入ってくる。

先の座椅子のカットを挟まず、警察署からホテルの場面にいきなり飛ぶと、視聴者はたぶん、一瞬置いて行かれる。

チラシや雑誌で言う所の、視線誘導系テクニックの動画ver.なんだろうなぁ。

……なんてことを、素人ながら思いましたマル

「不思議……。光宣さまとはまだ知り合って間もないのに、なぜだか初めてお会いしたような気がしない」

原作15巻196Pの地の文のセリフ化に感謝~!!!

といったところでAパート終了!

Bパート

10月21日(日)

Bパートは、嵐山公園渡月橋の近くに来た4人から。

原作だと、この直前に水波から光宣の容態が悪化した旨を告げる電話が来て、達也が対応を指示するのだが、アニメではこのシーンは後ろに回された。

ちな実際に行ってきましたの写真。

「私は達也くんについていくわ」という内容を述べる真由美さん

↑言い回しを少し変えただけで意味深になる。笑

竹林の道へのルート。

たぶんここからが「竹林の道」?

息が少し乱れている真由美さん。

実際に歩いてみて分かったけど、渡月橋から竹林の道に行くまで坂道を結構歩くから、多少はこうなっても仕方ないなって。

原作で「小ハイキングコース」と表現されてるけど、まさにそんな感じだった。

ましてや、ローファーだとしんどそう。

履いたことないからイメージやけど。笑

なお4人が歩いたルートは、たぶんだけどこんな感じ(赤線)。

原作では、「渡月橋を渡って上流へと向かった。(中略)嵐山公園亀山地区、小倉山南東部丘陵地を登っていく」「公園の坂を登り切ったところに『竹林の道』という案内板があった」とある(15巻201・202P)。

コミカライズの描写とも合わせて考えると、おそらくこのようなルートになる。

真由美が問いを投げかけ、どう返答しようか達也が悩むシーンはカットされ、いよいよ戦闘開始!

深雪が声を上げると同時に、鬼火が飛んでくる。

これは深雪が『領域干渉』でブロック。

さらに風刃が飛んでくるが、もちろんこれも『領域干渉』を突破することはできない。

『精霊の眼』エレメンタル・サイトで敵の人数・位置を把握する達也。それによれば、襲撃者は13人らしい。

なおここもコミカライズ準拠。

なるほど!

達也「一条!」
将輝「任せろ!」

ここに、この二人が共闘することの最大で最高で至高の醍醐味が詰まっていると思ってます(伝われ)

隊形を整える一行。

深雪に向けて投げられたのは、五色で編まれた組紐(羂索けんさく)。

先端に結ばれている金属?の物体ではなく、紐がメイン。

当然これは達也がブロック!

すると、羂索を通じて『キャスト・ジャミング』に似た想子波が伝わってきた。

これは紐を通して想子サイオンのノイズを直接流し込むことで、魔法の発動を封じる魔法技術である。

なお原作で達也は、羂索という特殊な魔法具を使っていることから、敵は密教系の古式魔法師であると推測している。

羂索はあえてそのままにして、ノイズだけを『分解』

そして羂索を引っ張り、敵を引きずり出す。

ちなみに原作では、達也たちにも油断があったこと、周囲に一般の人影がない理由などについても触れられている。

まぁ、一般人がいないのは達也たちにも好都合なのでヨシ!

引きずり出された敵2名は、深雪の体温低下の魔法によって無力化。

ここ、原作とアニメでは、戦闘描写の順序が若干前後しているが、まぁ些細なことか。

一方で、将輝サイドには5本?の羂索が襲い掛かる。

将輝は左腕の腕輪形態汎用型CADを操作し、突風を起こす魔法で羂索を吹き飛ばす。

羂索はこのときも魔法阻害のノイズを発しているのだが、既に具現化している突風という現象に対しては有効でないので、普通に吹き飛ばされた。

ホンマや、ワンタップや!(気づいてなかった)

真由美さんがスカート抑えてるの、ポイント高いですね!笑

ここで真由美も魔法を行使!

ほんこれ。

選んだ魔法は、真由美の十八番(?)、『ドライ・ブリザード』

面制圧って便利だなぁ!

たまらず出てくる伝統派×6。

なお、魔法で防御したため重傷は負っていない。

達也はというと、手刀で『分解』を行使!

普段は「トライデント」を介して放っている魔法だが、今回は初のお披露目となる新しいCAD「シルバートーラス」を使って放った。

これは腕輪形態特化型CADという、これまでに登場していない新しいタイプの特化型CAD。このCADを完全思考操作型CADで操作し、両手フリーの状態で魔法を放つことに成功している。

大量の竹が倒れる。

敵も覚悟を決め、4人が飛び出してきた。

将輝・真由美サイドが6人、達也・深雪サイドが4人、計10人と相対する構図になっている。

原作初見時には、正直「なんてことを」って思いました。笑

出てきた敵は、深雪が無力化した2人と合わせても12人。

最初に探知したのは13人なので、1人足りない。

「一条」

「こっちは任せろ!」

最高かな?

を組む伝統派に対し、真っ赤な拳銃形態特化型CADを向ける将輝。

それにしても将輝のCAD、ゴツくなったの好きだわ~。

「カン!」と叫ぶ伝統派。

詳細はよく分からないが、原作の文脈から考えると、『一字咒』いちじしゅという密教系古式魔法高速発動技術の発展形であると思われる。

将輝と相対する伝統派が行使したのは、不動明王降魔の利剣をかたどってその力を借りる術式、『俱利伽羅剣』くりからけん[Ⓝ劣-15-228]

これは「魔」を断ち切る古式魔法で、現代魔法では魔法式を破壊する対抗魔法に分類されるものなのだが、正直かなりエグい魔法で、何がエグいかって「マジで腕が燃える」こと。

だからこのとき、現場には凄いニオイが漂っている。