司波深夜

©2019 佐島 勤/KADOKAWA/魔法科高校2製作委員会

司波深夜【しば・みや】は、四葉家初代当主・四葉元造の長女で[Ⓝ劣-8-264・265,16-2]、3代目当主・四葉真夜の一卵性の双子の姉[Ⓝ劣-3-155,7-317,8-149・264,17-38・248]
司波達也司波深雪の母[Ⓝ劣-3-153・155,8-2,16-229・230]
故人[Ⓝ劣-1-128,©追-3-168]

世界で唯一の『精神構造干渉魔法』の使い手で、「忘却の川レテ支配者ミストレス」の異名で畏怖されていた、世界最高の精神干渉系魔法師[Ⓝ劣-3-157,7-253,8-4・166,16-192,21-89]
6歳当時の達也に仮想魔法演算領域を植え付けた人物[Ⓝ劣-3-155,8-196∼198]

2062年の「事件」以降、魔法の過剰行使を繰り返したことによって20歳になる前に身体を壊し、(2078年ごろまで)10年に及ぶ療養生活を送った[Ⓝ劣-8-50・286,管推]

世間的には、20年に及ぶ入院生活を送った末に、結婚もせず子供も作らぬまま亡くなったことになっている[Ⓝ劣-9-127]

生没年 2049年度~2094年ごろ
体型 165cm/58㎏
二つ名 忘却の川レテ支配者ミストレス
家系 四葉家司波家
家族 父  四葉元造
母  阿部泰夜
妹  四葉真夜
夫  司波龍郎
息子 司波達也(2097年1月1日以降は戸籍上は甥)
娘  司波深雪
所属
技能 精神構造認識の知覚力
精神構造干渉魔法
装備 携帯端末形態汎用型CAD[Ⓝ劣-8-110]
『精神構造干渉』使用時はラップトップタイプ以上の大型CAD[GB-追憶編-6]
CV 井上喜久子

体格・容姿

身長165cm、体重58kg。グラマラスな体型[GB-追憶編-6]

年齢は2092年度で43歳になるが、外見は非常に若々しい[Ⓝ劣-8-102・103]

性格

表面的には普通だが、感情が摩耗して周囲に対する関心が薄れている[GB-追憶編-6]

司波深雪いわく、深夜は「普段から儚いイメージがある」[Ⓝ㊕続追-3]

それ以外は描写が少なく、詳しくは不明。かつては四葉真夜と仲が良かったことや、深雪には親として接していたこと、司波達也に親として接していなかったことにも理由があったこと、達也に対する自分の気持ちや行動に苦悩する様子が垣間見えること、などの情報から想像することしかできない。

魔法・戦闘技能

魔法技能

四葉家においても唯一の、特殊な魔法資質の持ち主[Ⓝ劣-24-79]

精神干渉の魔法を得意とする[Ⓝ劣–]精神の構造を認識し(精神構造認識の知覚力[Ⓝ劣-8-275]『精神構造干渉魔法』を操る[Ⓝ劣-8-166・169]

また生来、非常に鋭敏な想子感受性を有している[Ⓝ劣-8-167]
身体を壊した後には人混みが発する雑多な想子のノイズが負担になり、静かな環境を何より必要としていたため、僻地にある伊豆の別荘で療養した[Ⓝ劣-23-137]

とても強力な魔法師だが、晩年は魔法の出力に身体がついていかなくなっていた[Ⓝ劣-8-85]
また、若い頃の無理がたたり、想子波に対する抵抗力もとみに低下しており、沖縄海戦ではキャスト・ジャミングによって身体にまで悪影響が出ていた[Ⓝ劣-8-167]
身体に大きな負担がかかるため、深雪魔法についても直接指導することはなかった[Ⓝ㊕続追-5]

司波深夜の「直感」

精神に関わる魔法の使い手は高い直感的洞察力を有している傾向があり、「忘却の川の支配者」の異名で畏怖された深夜の「直感」ならば、とうてい無視できるものではない[Ⓝ劣-8-165・166]

人間関係

深夜については、深雪視点(8巻)と真夜視点(16巻)で詳しく描かれている。
しかし、前者では深夜自身が深雪に対して隠している事柄も多く、後者では真夜が自身の言動にフェイクを織り交ぜている可能性を否定できない。
したがって、深夜が実際にはどのように感じ、どのように考えていたかは判然としない部分が非常に多い。

桜井穂波

桜井穂波は、2087年ごろから深夜のガーディアンを務め、身の周りの世話も行っていた[Ⓝ劣-8-5・28]

穂波が戦死するまで、穂波も深夜も「雇い主と使用人」のけじめを堅く守っていた[Ⓝ㊕続追-3]

穂波の死後、深夜は恩納瀬良垣の別荘を処分した[Ⓝ劣-20-60・61]
つらい思い出を見たくなかったからなのかもしれない[管推]

穂波を失って以来、深夜は深い憂鬱に囚われ、ずっと塞ぎ込んでいた。深夜にとって穂波は、単なるボディガードではなく、精神的な支柱であり、最も信頼できる腹心の部下であり、股肱の臣、片腕とさえ頼る存在だった。穂波を失った深夜は物事に取り組む気力を失った[Ⓝ㊕続追-3・4]

四葉真夜

真夜と深夜の関係は、2062年に起こった「事件」を境に大きく変化した。

「事件」以前
12歳のあの時まで、深夜と真夜は仲の良い姉妹だった[Ⓝ劣-16-192]
「事件」の際に真夜を非常に心配している様子[Ⓝ劣-8-264・265]からも、そのことがうかがえる。

「事件」当時
救出された真夜の精神は壊れかけていた。父・元造は、深夜に「全ての経験記憶意味記憶に作り変える」よう命じた[Ⓝ劣-8-269・270]
深夜は初めは拒んだものの結局これを受け容れ、『精神構造干渉魔法』を使い、全ての経験を知識に作り変えた[Ⓝ劣-8-270・273∼278]
これによって真夜は意思を取り戻すことができたが、真夜は全ての思い出を「実感」できなくなった[Ⓝ劣-8-274]。喜怒哀楽といった感情を伴っていたはずの「思い出」は、(これらの感情を伴わない)単なる「データ」に変換された[Ⓝ劣-8-273∼277]
真夜はこれを「死」と捉え、「昨日までの自分は姉さんに殺された」として、感謝することもなかった[Ⓝ劣-8-277・278]
「私は姉さんに自分自身を奪われた」「12歳で死んでしまった『四葉真夜』」などとも表現している[Ⓝ劣-16-234・240]

「事件」以降
真夜と深夜は不仲になり、二人の絆が再び結ばれることは生涯なかった[Ⓝ劣-8-278]
いがみ合ったりするわけではないが、一種の冷戦状態が続いた。これは四葉家内では公然の秘密である[Ⓝ劣-8-149]

達也出生時
真夜は、深夜が第1子を妊娠した際には誰よりも祝福し[Ⓝ劣-16-192]、何度も見舞っては、愛おしそうに深夜のお腹を見ていたと、黒羽貢は述べている[Ⓝ劣-16-194・195]
だが、こうした真夜の「愛情」は、貢が言うような「姉妹の仲直り」[Ⓝ劣-16-192]に結びつくものではなく、狂気的な願望(世界への復讐心)に由来するものだった[Ⓝ劣-16-232∼234・239・240]
ただし、真夜の「狂気」については、達也深雪との婚約を納得させるための演技だった可能性(フェイクが混ざっている可能性)もある[Ⓝ劣-8-228,16-244,管推]

人造魔法師実験
2085年、真夜の決定に基づき、6歳の達也に対して深夜は『精神構造干渉魔法』を行使し、仮想魔法演算領域を植え付けた(人造魔法師実験[Ⓝ劣-3-155・157,8-196∼198]
この実験について真夜は、「姉さんは最後まで渋っていたが、結局達也のために実施した」「あえて『強い感情』だけを消し去ったのは、姉さんが自身の寿命を削ってまで精一杯努力した結果だった」「(達也が)産まれる前に私によってねじ曲げられた精神を、今度は姉さんが暴走しないように改造した」と述べている[Ⓝ劣-16-234・235]

深夜の死後:真夜と達也の会話
真夜の言によれば、達也を「肉体的に」生んだのは深夜であり、自分と達也は遺伝子的には甥と叔母だが、「精神的には」息子と母である[Ⓝ劣-16-232・233]
これは、達也の魔法は「貢たちの『祈り』や、深夜の『絶望』や『復讐心』によって生まれたもの」ではなく、「私の『世界への復讐心』が姉さんの『我が子への想い』より強く、姉さんの魔法(精神構造干渉)を(双子の妹である)私が動かしたことによって生まれたもの」だという真夜の考えによるものである[Ⓝ劣-16-194∼196・233・234]
したがって「達也を肉体的に生んだのは姉さんだが、貴方の魔法をそういう風に作ったのは私」であり、「だから魔法師としての貴方は私の息子」ということになる[Ⓝ劣-16-232∼234]

司波達也

深夜→達也

  • 深夜は、達也に対しては恐ろしいほど冷淡に接し[Ⓝ劣-8-4・162・165・190]、「不良品」「出来損ない」と突き放しており[Ⓝ劣-8-190・193]、達也とはほとんど触れ合うことが無かった[Ⓝ劣-1-128]
  • しかしその一方で、深雪は深夜の表情に「子供に愛情を抱けない」という苦悩をかすかに感じとっている[Ⓝ劣-8-201]
  • また穂波は、深夜の「あの子は目端は利く方だから」というセリフを聞いて、「母親が息子を自慢しているのだ」「そうあってほしい」と思っている[Ⓝ劣-8-243]
  • 人造魔法師実験は、魔法が使えない達也に四葉家内での居場所を作るためのものであると同時に[Ⓝ劣-8-196・197]感情を奪い去ることで『分解』暴走して世界を滅ぼすのを防ぐためのものでもあったが、深夜の願いで「兄妹愛」の情動だけは残されることになった[Ⓝ劣-8-199・200,16-234・235]
    無理をして精神構造干渉魔法を行使した代償(副作用)として息子への愛情を喪失してしまったためか、あるいは「深雪に達也への興味を持たせたくない(持たせるべきでない)」という深夜の考えによるものでもあるのかは不明だが、少なくともこの実験以降、深夜は達也に対して極端に冷たい態度をとり、母親として接することは生涯なかった[Ⓝ劣-8-198∼201・242・243]
  • その一方で、真夜は(嘲るようにではあるが)「姉さんは貴方を愛そうと努力していたわ。結局、愛せなかったようだけど」と達也に述べている[Ⓝ劣-16-234]
  • さらに、晩年の深夜は静かな環境を必要としていたにも関わらず、達也・深雪とともにいた。それが達也のためなのか深雪のためなのかはわからないが、ずいぶん無理をしていたようだと、達也は理解している[Ⓝ劣-23-137]
  • これらのことから、深夜が達也に対する愛情を一切持っていなかったかと言えば疑問が残る。
    深夜本人の気持ちが描かれておらず、真夜のセリフにはフェイクも入っている可能性があるため断言することはできないが、「冷たい母親」と切って捨てることは難しいだろう[管推]

達也→深夜

  • 達也は、(強い感情を失っているために)深夜のことを恨んでも怒ってもいない[Ⓝ劣-3-156・157]
    ただ「母親」と認識しているだけで、そこに当然付随すべき親子の愛情も存在しない[Ⓝ劣-8-200]
  • 達也は四葉家内で蔑まれているが、これは真夜、深夜、および分家当主らがそのように誘導しているためである[Ⓝ劣-16-69]
    これは、分家当主らの場合は達也に対する忌避感(センチメンタルな感傷)によるものだと思われるが[Ⓝ劣-16-203,管推]、深夜については「達也に対する関心を深雪に持たせないため」ではないかと考える(後述)[管推]
    ただし、真夜についてはよく分からない。「どう転んでも世界に対する復讐が成されるから放置で構わない」と思っていたのかもしれないが、それでは真夜が時折見せる「達也に対する謎の愛情」[Ⓝ劣-15-47・48,24-37]をうまく説明できない気もする。

司波深雪

深夜→深雪

  • 深夜は深雪に、己に課せられた責任から決して逃れられないよう[Ⓝ劣-8-228]四葉家を裏切れないよう教育した[Ⓝ劣–]
  • 深夜は、達也と深雪が兄妹らしい交流を持つことを禁止していた[Ⓝ劣-4-389,8-106・162,18‐164]
    深雪の「お兄様」呼びもやめさせようとしたが[Ⓝ劣-8-190・192・193・261]、これだけは深雪も譲らなかった[Ⓝ劣-8-261・262,Ⓝ㊕続追-4]
    真夜によれば、深夜のこうした行動は達也の為のものである。深夜は、達也に対する無関心を深雪に刻み込もうとした。関心を持たなければ嫌うことも癇癪を向けることも無く、『コキュートス』暴発して達也が「止められて」しまうこともないからである[Ⓝ劣-16-235]
  • 深夜は、深雪に作法や言葉遣いを仕込むなど[Ⓝ劣-1-128]、徹底的に淑女として教育した[Ⓝ劣-16-235]
    感情的になって魔法の暴走を起こし、(達也が「止められて」しまうことの無いようにするため)お淑やかで控え目で、感情をむき出しにせずヒステリーを起こさない、そんな子に育てようとした[Ⓝ劣-16-235]

深雪→深夜

  • 深雪は深夜のことを親子として愛している。それは深夜も同様であるように思われる(思いたい)。
    前者は随所から感じられるのだが、後者については深夜の心情描写が少なすぎるため、やや心許ない[Ⓝ劣-8-,16-,Ⓝ㊕続追-2・4・6・7など,管推]
  • 深雪は、「司波龍郎の娘であることは拒否できても、司波深夜の娘であることは拒めない」と思っている[Ⓝ劣-8-136]
    この一節からも、深雪は深夜に対して愛情を持っていることが分かる。

九島烈

深夜は一時期、真夜弘一とともに、九島烈の教えを受けていた[Ⓝ劣-4-408,9-232,12-219]

烈が深夜と真夜を教えていたのは、烈が元造と親しくしていた縁によるものである[Ⓝ劣-14-81]

司波龍郎

司波龍郎は、(遺伝子に関して)計算に計算を重ねて選び出された、深夜の配偶者[Ⓝ劣-16-192]

深夜の死後、FLTの持ち株を相続して最大株主となった[Ⓝ劣-3-156]

司波小百合

小百合にとって、深夜は恋敵だった[Ⓝ劣-6-67]

できごと

2049年度
四葉深夜が生まれる[Ⓝ劣-8-264,]

2062年4月ごろ
深夜が四葉真夜経験記憶意味記憶に作り変える[Ⓝ劣-8-269・270・273∼278]
深夜と真夜が不仲になる[Ⓝ劣-8-278]

~2068年ごろ
深夜が自分を罰するように魔法の過剰行使を繰り返し、20歳になる前に身体を壊す[Ⓝ劣-8-286]

~2078年ごろ
深夜が入退院を繰り返し、伊豆の別荘で療養生活を送る[Ⓝ劣-8-286,23-98]

2078年ごろ
四葉家司馬龍郎古葉小百合を別れさせる[Ⓝ劣-6-55]
深夜が龍郎と結婚する[Ⓝ劣-6-55]
司波家が創設される[Ⓝ劣-16-111,管推]

2078年6月ごろ[Ⓝ劣-16-191,管推]
司波深夜が第1子を妊娠する[Ⓝ劣-16-191・192]

2079.04.24(月)
司波達也が生まれる[Ⓝ劣–]

2080.03.25(月)
司波深雪が生まれる[Ⓝ劣–]

2085年
6歳の達也に人造魔法師実験を実施[Ⓝ劣-3-155,8-196]

2087年ごろ
桜井穂波が深夜のガーディアンになる[Ⓝ劣-8-28]

2092.08.04(月)
沖縄旅行初日[Ⓝ劣-8-]

2092.08.11(月)
沖縄海戦で死にかけるが、達也の『再成』で救われる[Ⓝ劣-8-170・174・176]
穂波が戦死する[Ⓝ劣-8-256]

2092.08.17(日)
沖縄を発つ[Ⓝ劣-8-260]

時期未詳
少なくとも2092年12月末の時点で、郊外の病院に入院している[Ⓝ㊕-続追-2]

2094年
深夜が逝去[Ⓝ劣-6-54・55,©追-3-168]

深夜逝去の半年後
司波龍郎と古葉小百合が再婚する[Ⓝ劣-6-54・55,Ⓝ㊕続追-9]

2095年2月ごろ[管推]
達也と深雪が沖縄に墓参りに行く[©追-3-168]

その他

  • 深夜は人の多いところが苦手で[Ⓝ劣-8-27]、家に閉じこもりがちだった[Ⓝ㊕星呼-146]
  • 深雪の精神凍結魔法『コキュートス』は、深夜から受け継いだ精神干渉系の適性の現れである[Ⓝ劣-8-169]
  • 深夜は特殊な魔法資質の持ち主だったため、その特殊な因子を狙って誘拐を企む襲撃が何度か起こっている[Ⓝ劣-24-79・80]
  • 真夜は深雪を次期当主に選んだが、その重要な理由のひとつは、達也を敵に回さない、達也を四葉家から離反させないためである[Ⓝ劣-8-228,16-244]
    深雪を当主の座を受けさせるための策は、真夜が考えている[Ⓝ劣-8-228]。それは、「達也は深夜ではなく真夜の息子であり、達也と深雪は兄妹ではなく従兄妹である」ことを明かした上で、「達也を深雪の婚約者にすること」だった[Ⓝ劣-16-219∼221]。これについて葉山は「ただただ感服した」と述べている[Ⓝ劣-16-244]
  • 2097年1月1日以降は、達也は深夜の息子ではなく、「事件」前に冷凍保存していた真夜の卵子を龍郎のものではない精子人工授精させ、深夜を代理母として生まれた子として、戸籍を変更されている[Ⓝ劣-16-219・220・271,17-35・43・87]
タイトルとURLをコピーしました