ダイレクト・ペイン

スキル
アニメ〈古都内乱編Ⅴ〉より.©2023 佐島勤/KADOKAWA/魔法科高校3製作委員会

ダイレクト・ペインは、相手の肉体を経由せず精神に直接痛みを知覚認識させる系統外精神干渉系魔法[Ⓝ劣-13-261,18-239,SS-182・183・239,26-200・268,29-253,Ⓝ暗-1-158・209,2-240,Ⓝ夜闇-2-196・226,3-91,Ⓝメ-2-220・249,10-192,,㊮GB-劣2-5巻-24]

黒羽文弥だけが使える、文弥が切り札としている固有魔法[Ⓝ劣-12-89,13-261,Ⓝ暗-1-209,Ⓝ夜闇-3-91,Ⓝメ-2-220・249,10-191,㊮GB-劣2-5巻-24]
「遣い手が希少」「文弥の十八番おはこ」という表現もされている[Ⓝ夜闇-1-143,2-196,3-91,Ⓝメ-2-220・249]

人の感覚に直接痛みを与える魔法で、直接的な殺傷力は無いものの、この魔法を受けた者はあまりの痛みに意識を失う。肉体に傷一つ付けることなく相手を無力化することができるので、情報を握っている対象を誤って殺害してしまわずに済むというメリットがある[Ⓝ劣-12-90,SS-179,Ⓝ暗-1-84,2-240,Ⓝ夜闇-3-92,㊮GB-劣2-5巻-4・24]

原理

肉体大脳を通じて精神に届ける「痛み」という情報・・を、精神に直接・・入力する。大脳と精神の通信に割り込んで肉体が感じる痛み・・・・・・・・を精神に直接撃ち込み、偽装した情報を精神に認識させる。精神が認識する肉体の情報をハッキングし不正に書き換える魔法とも言える[Ⓝ劣-26-275,Ⓝ夜闇-1-153,Ⓝメ-9-31,10-192]

肉体から送られてきた信号を精神が「痛み」として認識するのではなく、精神に与えられた痛みが肉体感覚に翻訳されることで肉体の機能を損なう[Ⓝ暗-1-158]

肉体の制御を脳・神経系によるコントロールから精神による直接制御に切り替え痛覚神経をカットしても、『ダイレクト・ペイン』による痛みを消すことはできない[Ⓝ劣-26-267]
また幾ら肉体を強化しても、苦痛から逃げていると精神を強化できず、そういった場合には『ダイレクト・ペイン』に耐えることはできない。ここで「苦痛で精神を鍛える」とはどういう事かと言えば、その実例はまさに司波達也『再成』で他人の傷を治す事案に認められる[Ⓝ夜闇-1-210・211,管補,管推]

痛みに耐えかねて肉体と精神の回線を遮断すれば(=精神が肉体からの情報を拒否すれば)、失神という形で苦痛から抜け出すことができる[Ⓝメ-10-192]

特徴

魔法の照準

魔法の対象精神なのだが、精神そのものはこの世界に存在せず、精神を探しても何処にあるか・・・・・・は分からない。魔法の照準にはこの世界から精神へとつながる目印と必要とされ、ゆえに相手が見えない状況では照準に大きな影響が出る[Ⓝ劣-18-239,管補]

2094年の時点では黒羽文弥エイドスだけで照準を合わせる技術を持っておらず、何処に存在するのか特定できないものを照準することはできない。直接目視していなくても何処に位置するのかが分かっていれば照準できるが、何処に行ったのか見失ってしまうと照準できない。このため榛有希に『ダイレクト・ペイン』を撃ち込むことができなかった[Ⓝ暗-1-208・209,管補]

2097年2月、顧傑を追う過程で文弥はUSNA軍と交戦したが、発煙弾の煙幕により視界が悪化。文弥は肉眼に頼ることなく魔法を照準することができるが、当時その技術はまだ司波達也ほどには上手くなかった。上述したように精神を照準するには目印が必要で、結果として煙幕は文弥の照準の妨害に寄与した[Ⓝ劣-18-239]

この魔法に熟達する過程で、文弥は他者の肉体情報を読み取るスキルを発達させた[Ⓝ夜闇-1-153]

威力の調節

痛みのレベルは自由自在。苦痛の種類は、文弥が知るものであれば何でもOK。20mほど離れていても魔法は十分届くが、至近距離まで近づけばダメージを与えすぎないよう(威力を)調整することができる[Ⓝ劣-13-333,Ⓝ暗-1-84・209,管補]

2094年に相対した亜貿社ジャックは、骨が砕けた幻痛を感じた[Ⓝ暗-1-158]

2096年4月にこの魔法を浴びた人間主義者らは、腹部を杭打ちハンマーで殴られたに等しい痛みを覚えて意識を失った[Ⓝ劣-12-90]

九島光宣と相対した際には10mの距離で発動した。このとき光宣は「目が潰れたのではないか」という激痛を感じており[Ⓝ劣-26-266・267]、かなりの威力で発動したものと思われる[管推]

CAD

かつてはバングルに偽装したブレスレット形態特化型CAD[Ⓝ暗-1-158・209]で『ダイレクト・ペイン』を発動していたのだが、2094年の渋谷連続殺人事件に端を発する榛有希との闘いにおいて、『身体強化』フィジカルブーストで素早く動き回る有希を黒羽文弥はうまく照準することができなかった[Ⓝ暗-1-163∼168・200∼210・213・214,管補]

それを聞いた司波達也が「ボクシングのようにはいかないんだな」と漏らしたところ、文弥はそれで気づきを得てCADに細工を行った。具体的には(おそらく手首付近に装着している)ブレスレット形態特化型CADのスイッチ(『ダイレクト・ペイン』用のショートカットボタン)を左手に着けた手袋の人差し指の第一関節と第二関節の間に仕込み、ボクシングの動作とともに親指でスイッチを押す仕様に変えた[Ⓝ暗-1-213・214・234・235・251,管補]。これが今でも使われているナックルダスター形態単一目的特化型CADの元になっているものと思われる[管想]

文弥は改造後のCADを用いてぶっつけ本番でこの仕事を続行したが、慣熟訓練ができていないためタイミングがずれ、初撃はうまく成功しなかった(起動式の展開読み込み魔法式の構築魔法の発動という一連の流れとジャブのタイミングが合わなかった)[Ⓝ暗-1-241・242] 。しかしその後は実戦の中で次第に慣れて行った[Ⓝ暗-1-251・261]

2096年時点では、専用に作られたナックルダスター形態単一目的特化型CADを用いてこの魔法を発動している[Ⓝ劣-12-89,Ⓝ暗-2-240,Ⓝメ-2-220,㊮GB-劣2-5-4]。また2098年時点ではシグネットリング形態単一目的特化型CADを用いて発動している[Ⓝ夜闇-1-188・189,2-226,3-91]が、2100年時点でもナックルダスターを使っている。この頃には完全思考操作型CADがかなり普及しているのだが、達也のアドバイスによってこのタイプのCADで『ダイレクト・ペイン』を上手く使えるようになったという記憶があるからか、彼にとってはナックルダスター形態が最適であり、今も愛用している[Ⓝメ-2-220・248,10-191]

なおナックルダスターとシグネットリングはいずれも『ダイレクト・ペイン』専用のCADだが、前者は物理的な殴打の武器としても使うことができ、後者は普段から着けていても違和感が無いという点で用途に若干の差異がある[Ⓝ夜闇-1-188・189,管補]

備考

  • 黒羽文弥は2096年度九校戦モノリス・コード新人戦において、四葉真夜の命令で「活躍」する必要があった。だが文弥としては、この魔法はできるだけ隠しておくべきものである。そこで黒羽亜夜子と相談し、『幻衝』ファントム・ブロウと織り交ぜつつその裏側に隠して割り込ませる形で行使することとなった。また並み居る魔法研究者にも分からない様に威力を落とすことで、「強力な『幻衝』」と誤認させた。実際にこの魔法を受けた梶原は「何かで刺されたような・・・・・・・・・・ダメージ」を感じ、その直後に「直接・・激痛に襲われ」意識を失った[Ⓝ劣-13-261,SS-182・234,管補]。前後の文脈から、前者の痛みが『幻衝』によるもの、後者の痛みが『ダイレクト・ペイン』によるものであると思われる[管推]。また文弥に相対した七宝琢磨は『幻衝』対策として想子の防壁を展開していたが、それでもダメージが少しずつ蓄積されていった。琢磨は「全て幻覚」と自分に言い聞かせつつ闘っていたが、遂には力尽き敗北を喫した[Ⓝ劣-SS-236・237・239]
  • 想子サイオンの波をぶつけて「打たれた」あるいは「撃たれた」と錯覚させる『幻衝』は、肉体に作用する現象を伴わずに痛みを与えるという点で『ダイレクト・ペイン』と表面的には似ている(システムは全く異なる)[Ⓝ劣-SS-183]
  • 『幻衝』は相手の戦闘力を削ぎつつ隙を作るつなぎの魔法であって、『ダイレクト・ペイン』のように出会い頭の一撃で相手を完全に無力化するような強力なものではない[Ⓝ劣-SS-233]
  • 2096年10月、文弥は周公瑾に対して『ダイレクト・ペイン』を使用。周は鍼灸術で激痛から逃れようとしたが効果は無かった[Ⓝ劣-15-295]
  • 『ダイレクト・ペイン』は精神干渉系魔法なので、パラサイトにも十分通用するはず(むしろ相性は良い)[Ⓝ劣-26-200]とのことで、実際にパラサイト化した九島光宣にも有効だった[Ⓝ劣-26-267・268]
  • 薬物で痛覚を麻痺させていても、この魔法には関係が無い。たとえ大脳以外の肉体全てを機械化していたとしても、生身の人間であった過去があるなら『ダイレクト・ペイン』からは逃れられない[Ⓝメ-10-192]
    しかし、ガイノイドには痛覚が無く、またパラサイトは元々肉体を持たない精神情報体である。上述したように『ダイレクト・ペイン』は肉体が感じる痛みを撃ち込むものだが、パラサイドールを相手にした場合には再現すべき痛みが存在しないため『ダイレクト・ペイン』は効果を発揮しない[Ⓝ劣-26-274・275]
  • 司波達也を含めた四葉家の者は、文弥以外にこの魔法の使用者を知らない。達也は「文弥にしか使えない先天的な異能の一種」と考えている[Ⓝ劣-29-253,Ⓝメ-2-248・249]
  • (文弥が)八つ当たりに使った場合には、怪我(=証拠)が残らないので(折檻目的に使えるという点で)余計に質が悪い。文弥がこの魔法を濫用することはないものの、「必要とあれば部下にも躊躇無く使う」「外部からスカウトした魔法師分からせる・・・・・ために使用した」という記述もあり、文弥の部下らはそれを恐れていると思しき描写が散見される。その結果として妙な趣味・・・・に目覚めてしまった新入りも居たらしく、配下一同は戦慄を覚えたとのことである[Ⓝ暗-1-84,Ⓝ夜闇-3-91・92,管補]
  • 黒羽家の工作員でも、この魔法を受けて立ち上がれる者は少ない[Ⓝ暗-1-159]
  • 『ダイレクト・ペイン』の使用を隠すため、ポケットピストルに見せかけた拳銃形態武装一体型CADによる針を帯電させて飛ばす魔法で偽装することがあるのだが、亜貿社ジャックが受けた激痛についてわざわざ傍点を振って「(『ダイレクト・ペイン』と)勘違いしても仕方が無い激痛・・・・・・・・・・・・・」と表現されており、これは裏で『ダイレクト・ペイン』を発動していることを暗喩しているようにも思われる[Ⓝ暗-1-158∼161,管補,管推]。一方で「武装デバイスで手の内を隠そうなどと考えず最初からダイレクト・ペインを使っていれば」という後悔の記述もあり[Ⓝ暗-1-212]、この文脈からは逆説的に「この武装デバイスでは『ダイレクト・ペイン』は使えない」とも読み取れるので、ジャックに対しては武装デバイスとブレスレット形態特化型CADの両方を使って攻撃していたのかもしれない[管推]
  • 榛有希は、文弥が『ダイレクト・ペイン』を使おうとしたときに「絶望的なまでの危機感」に襲われている[Ⓝ暗-1-・243]
  • 2098年時点では、シグネットリング形態単一目的特化型CADのを使う状況において、文弥は(構えることなく)ノーモーションで『ダイレクト・ペイン』を発動している[Ⓝ夜闇-1-189]
  • 作者曰く、スピンオフ小説『夜の帳に闇は閃く』というタイトルにおいて、「闇」は文弥のコードネームを、「閃く」は『ダイレクト・ペイン』をそれぞれ象徴している[Ⓝ夜闇-1-280]
  • 2096年度九校戦で文弥が使用したCAD拳銃形態特化型CADと記述されており、13巻の口絵でも拳銃形態特化型CADを七宝琢磨に向けている様子が描かれている[Ⓝ劣-13-4・261,SS-235]が、アニメ〈スティープルチェース編Ⅲ〉においては明らかにナックルダスター様のCADを使っており、原作とは描写が異なっている[Ⓐ劣3-7-]

    アニメ〈スティープルチェース編Ⅲ〉より.©2023 佐島勤/KADOKAWA/魔法科高校3製作委員会

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