アニメ第3期考㉗ ‐ 第13話感想

作品考察
©2023 佐島勤/KADOKAWA/魔法科高校3製作委員会

ついに最終話、〈古都内乱編Ⅴ〉の感想です。

原作のネタバレがあるのでご注意ください。

※以後に添付する画像のクレジットは、特に注記が無い限りは、「©2023 佐島勤/KADOKAWA/魔法科高校3製作委員会」です。

時系列

時系列の全体像はこちら。

時系列移動はゼロ。カットもほぼゼロ。さすが最終話だ!

まるっとカットされたのは、CRホテルで同室となった幹比古達也の会話と、周公瑾が自爆したあとの達也と亜夜子文弥の会話。

また一部カットされたのは、論文コンペ当日の真由美との会話。

前者はさほど重要なものではないし、後者は下見時の達也と真由美のアレコレがカットされてしまったので致し方なし(深雪に拘束される達也見たかったが……)。

一番最後の、真夜からの電話と手紙が届く部分は原作でも描かれていないアニオリ描写だが、原作16巻〈四葉継承編〉の冒頭の内容を反映したものになっている。

絵・表現/演技・演出/脚本

アヴァン

アヴァンは10月22日(日)、達也が京都から帰宅した場面からスタート。

すでに夜になっている。

ここ、達也がコミューターを降りたタイミングでドアの電気つくの怖いってw

ドアを開けようとしたら手を伸ばしたら電気がついたので引っ込めるw

嬉しそうに達也を出迎える深雪

それは言っちゃダメ!笑

wwwww

「ただいま」と玄関口で、「今回は悪かったな」と廊下を歩きながら。

この流れ、原作だと「ただいま。今回は悪かったな」と玄関で一息に言ってるんだけど、このセリフ分割は凄く良かったと思う。

リビングで寛がせられる・・・・・・達也(笑)

原作とコミカライズでは水波が旅行バッグを奪い取る件も描かれているが、そこはカット。

達也に心配そうな目を向ける深雪。

達也はそれを「仕事の首尾についての心配」だと思ったので、上手くいっている旨を説明する。

でもどうやらそうじゃないっぽいので、何が訊きたいのか、とたずねる。

深雪が訊きたいのは、九島光宣の体質について。

この問いは予想外の不意討ちだったが、その様子を目元のアップで表現。

たぶん、コミカライズを元にしたのかな。

「光宣の魔力が強すぎて、身体がそれに耐えられないんだ」と誤魔化す達也。

ここ、原作およびコミカライズだと、「魔力」じゃなくて「魔法力」なので、わざわざ変更したことになる。

「魔力」という言葉は、原作でしばしば登場する。たとえば〈横浜騒乱編〉では「魔法を発動する為のサイオン活性事象改変干渉力を合わせたもの」と説明されている(6巻320P)。

光宣は想子活性が非常に強く、想子体サイオンたいの破損と修復が短いサイクルで行われるために「病弱でありながら虚弱ではない」という体質になっている[Ⓝ劣-15-222・223]わけだが、想子活性のニュアンスを含める意図で「魔力」に変更したのかもしれない。

なお、「魔力」が指す意味は文脈によって変わる可能性もあるので要注意。

「あのときのご様子はただならぬものでした」と言って、悩みを私にも分けてくれと深雪は達也に迫る。

拳を固くしながら「お前は知らない方が良い」と告げる達也だが、深雪には逆効果。

手元アップの表現はコミカライズ準拠かと。

涙目で最妹に懇願されたらさすがに無理だった。

「心を強く持って聞いて欲しい」

この手の描写もコミカライズ準拠!

「光宣と藤林さんは異父姉弟だ」

↑こう言われても、その意味ってすぐにはピンと来ないよなw

なんて分かりやすい図。(コミカライズ準拠)

ところでいい加減、九島真言の末の妹さんの名前教えてもらえませんか?笑

ということで、ここで九島家の家系図を載せておきますね。

この画像には『魔法科』シリーズ最新刊に至るネタバレがあるので、ご注意ください。

さすがにショックを受ける深雪。

「光宣は調整体で、おそらく人工授精によって生まれたから近親相姦ではないが、実の兄妹の間に生まれた子供である」旨が遂に語られた。これを最終話のアヴァンに持ってくるのは強い!

生い立ち、回収されましたね。。。

◇◇◇

ではここで、過去の描写を改めて振り返ってみる。まずは〈九校戦編〉のこのシーン。

風間「閣下がこちらの事情をご存知であるように、自分も閣下のご事情をある程度存じ上げております。閣下が達也のことを気に掛ける本当の理由についても承知しておるつもりです」

九島烈は、魔法師が兵器として「作られる」ことに懸念を抱いている。風間の言う「本当の理由」は光宣のことであり、ゆえに風間も光宣の秘密をある程度知っている可能性がある。

ただし、「作られた調整体」であることは知っていそうだが、「実の兄妹の間の子」であることまでは知らないかもしれない。

次。〈スティープルチェース編Ⅰ〉のここ。

「魔法師を兵器とすることはやめさせなければならない」
「これ以上、光宣のような子供を生み出してはならない」

ソウダネ……。

続いて佐伯閣下

「今回のことは、魔法師を兵器として扱うのは止めるべきだと常々仰っていた、九島閣下の変節に見えます。しかしあの方に限って、そんな単純な話であるはずがありません」

孫を想うがゆえの烈の暴走(パラサイドール事件)は、周囲にも違和感を抱かせた。

九島真言は、周公瑾の来訪について家内に緘口令かんこうれいを敷いた[Ⓝ劣-13-106]。その理由のひとつには、おそらく「先代に対するコンプレックス」もあるのだろう[管推]

そのようなコンプレックスの結果として生み出されたのが、九島光宣という存在なのだと思う。少しネタバレになるが原作29巻において、真言は光宣に「お前は九島家の最高傑作だ。失うのは惜しい」という無情な言葉を掛けている。ここからも九島家の業が垣間見える。

この点については、パラサイドール事件について整理してみるという記事で多少書いたので、よろしければ。(原作13巻35Pを読むでも可)

再びの佐伯閣下「お孫さんも、『彼』も同様に」

佐伯も光宣のことをある程度知っている。

◇◇◇

閑話休題。本編に戻る。

光宣の生い立ちを聞かされ、さすがに動揺する深雪。

パワーワード「近親相姦」を連呼する兄妹。リビングで視るの辛かったんだ……笑

「断定はできない」と述べる達也。

調整体開発の要点については、これより先の原作で多少触れられることになる。それによれば九島家の調整には足りていないものがあって、光宣の体質はそれが原因なのだが、ここでは置いておく。

「だが近すぎる遺伝子が原因である可能性も否定できない」
魔法師開発研究所でも親子間や兄弟姉妹間の遺伝子を使うことは避けられていた」(※)
「遺伝子が想子体に、そして精神にどのような影響を与えるのか、分かっていることはまだ少ない」

などと述べ、深雪に致命的な精神ダメージを与える達也。(※はカットされた原作のセリフ)

瞳に湛えた涙を思わずぽろりと流してしまった深雪は、我が事のように・・・・・・・ショックを受けている。

この指摘、おもしろい!

最近こういう見方も楽しめるようになってきたんだけど、それを踏まえると:

「まぁそもそも、現実世界から見れば、あの社会自体が歪んでるように見えるし多少はね?」

という気持ちにならなくもない。笑

といったところでアヴァン終了~。

原作では4ページ分の内容が、アヴァンでは3分超をかけて、ほとんど原作通りに再現された。

たつみゆ描写への注力が強い!!!!!

Aパート

日付は飛んで10月27日(土)。

いよいよ論文コンペ前日!

午後に出発した第一高校の代表とサポートチームを乗せたバスがCRホテルに到着。(前泊)

このカットもコミカライズ準拠っぽい。

最初に降りてきたのは千代田花音

五十里とのバス旅行を満喫したため元気いっぱい!

なおコミカライズでも元気いっぱい!

それを後ろから見守る五十里くん

ここからの止め絵3連発は完全コミカライズ準拠。(深雪を除く)

まずは一高代表の五十里啓、三七上ケリー中条あずさ

今回の発表は五十里が中心となる。

達也幹比古はそれぞれ生徒会役員、風紀委員長として、また会場警備隊の一員として参加。

エリカレオは会場警備隊の一員として参加。

花音は五十里の、朝子紗耶香はあーちゃんの、桐原はケリーの護衛として参加している。

ほのか水波泉美は生徒会として参加。
美月は、論文コンペの実演器具作製において活躍した美術部の一員としてサポートメンバーに選ばれた。(後ろのモブ3人は知らない)

ところでこの泉美、たぶん深雪を見つめてるんやろうなぁ。そしてそんな泉美を観察する水波。笑

当の深雪は、どこか物憂げな顔。

この感じ、たぶん最後にバスから降りてきたんやと思うけど、原作だと泉美が最後に降りてきてるから若干変更されたのか。

上に書いた通り、深雪だけコミカライズ準拠の止め絵から外れていて、あらためてアニメ第3期の「軸」を感じさせられた。

ツインの洋室での達也と幹比古の会話はカットされ、場面は黒羽家のホテルへ。外観のカットはコミカライズ準拠。

ロビーで喋ってるけど、原作だと亜夜子遮音フィールドを張っている。魔法の不正使用だが、黒羽の――四葉家の仕事用に改造されているらしく、警報は鳴らない。

達也が使っているものと同じ車種のバイク、防刃・防弾効果付きの服に加え、(原作では)戦闘用のブーツ・グローブ・ヘルメットを用意した、とのたまう姉弟。黒羽家しゅごい……

達也が「ありがとう」って言っただけでニッコリしちゃう姉弟。良き^^

そして亜夜子が澄まし顔で立ち上がるまでがワンセットである。笑

「それで?」と、周公瑾の居場所について問う達也。

なお、前話Bパートのラストで戦った密教系古式魔法師から得た情報(宇治二子塚古墳が怪しい由)を達也はその日のうちに葉山さんに伝えており、黒羽家はそれを元に捜索を進めていた旨が、原作15巻267Pで語られている。

ヘルメットに映り込む形で語られたのは、周公瑾は何と国防陸軍宇治第二補給基地に匿われている、という情報だった。

そりゃあなかなか見つかりませんよ。

モニターに向かった達也が文弥に声を掛ける。

ここ、達也は完全にガチギレしていて、感情レベルが上限に達している。原作では「ぞっとするような硬質の声」と表現され、演技もまさにそんな感じの厳しい声音に聞こえる。

ガチギレの理由は単純で、国防軍の背信行為が許容限度を超えていたためである。(沖縄海戦で深雪が撃たれて以降、達也は裏切り行為に対してとても不寛容になった)

なお一番の見どころは、ピッ!てなる文弥くんかな。両脚がピッ!ってなってる。笑

達也「外部への通信は可能か?」
文弥「少しお待ちください」

ここの達也の声こわ~!!!
中村さんの演技すげぇ!!!!!

謎文字だ!!!

一文字一文字解読したい!!!

(ポケモンのアンノウンを思い出しつつ)

画面に現れたのは藤林少尉

「少尉、自分は今、京都に来ております」

声色がこわいよ~……

響子「周公瑾の潜伏場所は見当がつきました」
達也「どこです?」

これは黒羽姉弟の情報の裏取りのための確認質問。それにしてもガチギレ達也こわい……

はぐらかそうとする響子に対し、強い調子で迫る達也。

達也のことを「大黒特尉」と呼ぶ響子に対して、「藤林少尉」から「藤林さん」と呼び方を変えることで、民間人としての立場から問答を続けている。

にしても、ここで出てくる特務規則についてもそのうち整理してみたいなぁ。

ここのピント変更、ちょっとおもしろいなぁって思った。文弥の顔は外した状態で開始し、遠近法で小さく見える、後方の亜夜子にピントを合わせ、パンしていって文弥の顔が入ったらそっちにピントを移す、と。

俺が気づいてなかっただけで、普通に使われてる手法なんかな。

苦しそうに答えを返す響子。

これさ、よく考えたら軍規に引っかかったりしないのかな? 「九島家の縁者として答える」という観点では当然やけど、軍の情報を、軍人としての「大黒特尉」ではなく民間人としての「達也くん」にリークしたことにならない? そのへんどうなんやろ。

達也を心配して「国防軍に任せて」と述べる響子を、無情にシャットアウトする達也(笑)。

直後のここ、フォルダ名が全部「Folder-数字」になってるけど、何のフォルダなんだろう。

ぜんぜんまったく関係ないけど、Folder5を思い出した。
未来だけ信じてる~♪
誰かがわらってもかまわない~♪

裏付けも取れたところで、黒羽家のプランを尋ねる。

文弥 「日没と同時に行動を開始し、基地内に侵入します」

達也 「侵入経路は?」

亜夜子「複数のゲートから堂々と入らせてもらいます。フェンスを乗り越えるような真似はいたしませんわ

文弥 「もちろん、中から逃げ出された場合に備えてゲートの外にも人を配置しておきます」

赤字部分は、アニメではカットされた原作のセリフ

黒羽兄妹の目的は、ひそかに周公瑾を追跡・・することにある。

①南ゲートを除く各ゲートに人員を配置するのだが、
②黒羽家の包囲網を破って逃げおおせるほどの術者なのだからそれにも気づくだろう。
③そこまで読み切ったうえで南ゲートだけ空けておき、
④逃走するターゲットを姉弟が追跡、機会をうかがって姉弟が逃走を妨害する。

原作15巻270~295Pを眺めるに、おおむねこんな感じだろうと思う。

姉弟が提示したプランに、「人数が心許ない」と呟く達也。

どうしてそう思ったのかはハッキリしないが、おそらく「確実に南ゲートへと誘導する役」が足りていないと思ったのではないだろうか? 黒服たちにはできないくらいに派手に暴れ、ターゲットを焦らせる必要があると感じたのかもしれない。

もちろん、そうじゃないのかもしれないが。この辺りは正直わからない。

自分のまったく知らないところで「調達」される「戦力」扱いになってる人がいるらしいw

冷静に考えれば光栄なことなんやけど、本人がどう思うかはまた別の話ですよね。笑

姉弟の活躍も楽しみ楽しみ!^^

兄を想う深雪のカットが入った。これは原作にもコミカライズにも無いアニオリだが、ものすごく自然だった。

◇◇◇

バイクを走らせる達也。あたりはすっかり暗くなっているが、時刻はおそらく16時台。

原作では「西の空には赤みが差している」と表現されているが、10月末なら確かにこんな感じか。

ヘルメットをかぶったまま通話する達也。

そう、「勝手に調達される戦力」その正体とは!!!

一条ォ~~~! 将ァ~輝ィ~~~~~!!!(知ってた)

それにしても、こういうハイテクヘルメット、実際にあるらしいってどこかで見た気がするな(かっこいい……男の子なら誰もが憧れる系のギアだと思う。)

◇◇◇

地図が出てきたので、位置を確認してみようと思う。

これが元になってるんかな???

まず、CraftMap様の白地図を重ね合わせてみた。

……宇治第二補給基地、これ、宇治市じゃなくて京都市伏見区じゃねぇ?

GoogleMapと重ね合わせたバージョン。

やっぱこれ伏見区だ……

なお二子塚公園~宇治基地~宇治橋は赤丸らへん。

赤の細い点線から上が伏見区。

他の白点についてはこんな感じ。

◇◇◇

地図についてはこの辺にしておいて、本題に戻る。

「宇治二子塚公園南西の入り口で待っている」
「わかった、すぐ向かう!」

なお原作では「17時まで待っている」とのこと。

ところで将輝、スマホも赤いんだなぁって。

打って変わって、今度は敵方のシーン。宇治第二補給基地。

周公瑾が撤収準備に入っているのは、宇治第二補給基地の基地司令官が(憲兵隊による)査察を受け入れたため[Ⓝ劣-15-269・274]

周を「先生」と呼ぶこの軍人は波多江大尉。基地所属の中隊長で、対大亜連合宥和派の人物。

周に「あちらには九島閣下がいますから」と言われてこの表情。ここだけでいろいろ察せられる。

周「夜の内にお暇しようと思います」

査察は翌日の早朝に行われる予定になっている。

波多江「ではせめて、お車をご用意いたします」

これ、軍用車とか公用車ではなく波多江の使用車なんだけど、ポンとあげちゃうのすごいなって()

いちおう謝意は見せるが、直後にこの表情である。笑

二子塚古墳公園で落ち合う達也と将輝。

達也(赤が好きなやつだな……)

なお実際の現地:

周公瑾の居場所を問われて指さす達也。

なお現地:

目的地がの基地だと聞かされて驚く将輝。そら驚くよな。笑

達也「俺はフェンスを跳び越えて・・・・・・・・・・基地に侵入する。一条、お前はどうする?」

自ら見つかる形で・・・・・・・・基地に侵入するというメチャクチャな話をいきなり突きつけられる将輝。無茶ぶりすぎるんよ笑

「自ら見つかる侵入方式」を選んだ理由について将輝が理解を示した経緯については原作参照(アニメではカット)。

はいココ、将輝の将輝ポイントその壱。

第三高校の生徒としての将輝はあくまで民間人であり、民間人ごときが軍の基地に侵入するなどあってはならない犯罪行為、重大事件である。よって、もし実行していろいろバレたら、三高は論文コンペを辞退せざるを得ないし、全学年に迷惑をかけるし、何より親友であるジョージの努力を無駄にしてしまう。

それを踏まえた上で、将輝はここで「俺はともかく」と言っている。これは原作に無いアニオリの独白である。

「俺はともかく」←責任を負う覚悟をナチュラルに当然のこととして受け止めている高校生。ヤバ

また、ここの表情から、本気で悩んでいるのだろうなという心情がひしひしと伝わってくる。

「だが、俺は十師族の一員だ」

これが将輝の「芯」。格好良いよね。

そして「俺も行く」と、わずか数秒で決断。

格好良い。

それを受けての達也のこの表情ですよ。

あ~最高最高最高!

僕は達也と将輝のこういう関係性がめっちゃ好きなんですよね。

ついにカチコミ開始!!!

ここで、場面は宇治橋に移る。

リムジンで光宣登場!!!

なお原作によれば、この場所は宇治橋の東側。

「ここで待つのか?」と問うたのは光宣の護衛

光宣のこの行動は、周公瑾が脱出したときに備えてのもの。

(どこから情報入手したんや……響子? )

護衛「宇治川を渡るにしても『おおとり』にも橋はありますが」

光宣「あっちは高架道路専用でしょう? 一旦高架道に上がってしまうと逃げ場が限られてしまうからね」

塩対応の光宣くん。彼本来の気性が見え隠れして最高^^

ちなみにこの「おおとり」ってセリフ、単純な読み間違えなんじゃないかなと思う。原作でもGoogleマップでも「大島」だし、読みも「おおしま」。

いちおう今昔マップも見てみたけど、「おおとり」なる文字は見つけられず。

台本ゲットした人なら分かるかもしれない?

そんな「大島の高架」の実物がこちら。手前のじゃなくて、奥の橋。まぁ、よく見かける普通の高架道路。

カットされた光宣のセリフによれば、鬼門遁甲が真価を発揮する為には八方向へ移動する自由が必要だから、周公瑾は高架道は使わないとのこと[Ⓝ劣-15-280]

「しかし、東へ逃げるという可能性も……」

なおも食い下がる護衛。

「大丈夫だ。僕の推理は間違っていない」

高圧的な光宣~! 原作と少しセリフが違うけど。(原作だともっと高圧的w)

原作で先まで読んでいくと、正直、性格に少し(少し?)難があるんだよな。笑

でもまぁ難のない人間なんていないとも思うからなぁ。いたとしても、そんなん相当つまらへん人間な気もするし。特に光宣の場合は、この難がギャップで魅力的なわけやし。ん、よかよか。

といったところでAパート終了。

二子塚古墳公園、宇治駐屯地、大島の高架、宇治橋の位置を再確認。

護衛が「東へ逃げる可能性」について言及していたが、「東は高峰山であり、周公瑾の鬼門遁甲は街中で役立つから東には逃げない」とのこと[Ⓝ劣-15-280]

要するに、達也たちが北から南へと周公瑾を追い立て、宇治橋で西に逃げようとするところを光宣が跳ね返そうというプランである。

Googleマップを実際に見たら、南に追い立てれば、まず間違いなく宇治橋に逃げると思う。(周りは山だらけなので)

Bパート

Bパートは宇治第二補給基地から。

いよいよカチコミが始まる・・・・・!

基地の南ゲート付近に潜む亜夜子文弥、および黒羽家の黒服たち。

「時間だ。作戦開始!」

原作によれば、これは17:10のこと[Ⓝ劣-15-270・275]

なおこちらのサイトによれば、2096年10月27日の京都府の日の入りは17:07とのこと。

文弥の号令で、一斉に黄昏に溶けていく黒服たち。

原作ではここでひとネタあったのだが、そのやり取りはカットされた。

直後、基地内に警報が鳴り響く。

「始まったわよ」
「達也兄さんかな」
「ええ。囮になってくださっているのでしょう」

達也将輝は、あえてバレるように侵入した。

「北側から南へ、獲物を追い立ててくださるおつもりなのではないかしら」
「達也兄さん、何故そんな危ない真似を」
「達也さんには自信があるのよ。どれほどの危機に瀕しても、自分ならば切り抜けられると。だから進んで一番危険な仕事を引き受けてくださるのだわ」
※原作では「危機」ではなく「危殆きたい

ここ、あえて穿った妄想的偏向的見方をしてみてもいい?

亜夜子「自分ならば切り抜けられると」
ぼく「将輝と二人でならば切り抜けられると」

わーわーわーわーわーーーーー!!!!!笑

亜夜子と文弥の語りを背景に、『オブジェクトの分解』で銃器を壊しまくる達也。

この『分解』、美しすぎない? 作画にめっちゃ力が入ってるような。

将輝が少し膨らんでバイク走らせてるのも細かい。

あとここの将輝、映像ではわからんけど、絶対水素ガスの気球の魔法使ってるやんな?

ツーカーか?

以心伝心か?

達也がピッチャーで将輝がキャッチャー(女房役)なのか???

……ここまで書いて気づいた。俺、この二人の関係性における将輝の役割について、「しゃーねぇなあ!」とブー垂れながらもめんどい後始末をやってくれる捕手の関係性で見ていたのかもしれない。

しばりん伯爵に感謝!

なお、原作およびコミカライズでは、バイクではなく徒歩で侵入していることを添えておく。

(普通のバイクでどうやってフェンスを跳び越えたのか? 気合いだ気合い)

「わたくしたちが達也さんのお心遣いを無駄にしては、それこそ申し訳が立たないわよ。周公瑾を確実に追跡しないと・・・・・・
「分かっている」

原作では「追跡しないと」に傍点が振られている。つまり「追跡」が黒羽家の目的。

侵入者への対応でバタバタする軍人たち。

「賊は二名! いずれも魔法師と思われます!」
「何ぃっ!?」

部下の報告に波多江が驚きを見せたのは、たった一人でも強大な戦力となり得る魔法師が二人もいるから(平均的な軍属戦闘魔法師の場合、歩兵一個中隊に匹敵すると言われている)[Ⓝ劣-15-284]

こっそり潜入するのではなく大胆に侵入して暴れる。そんな魔法師の実力が平均以下とは到底思えないので、こんなに驚愕している。

周がカバンを閉じると鈴の音(?)のような効果音が鳴り響き、波多江と部下はビクリと身体を震わせ、動きがぎこちなくなった。目つきもおかしい。

この「カバンを閉じると音が出て波多江たちが硬直する」という演出は原作にもコミカライズにもないアニオリだが、周公瑾が「何かをした」感が凄く伝わって来て、とても良かった。

「侵入者を排除してください。基地の全戦力を使って」

波多江と部下の様子がますますヤバい感じになっている。

原作によれば、波多江の中隊全員に同様の異変が起こっている。

すげぇ気持ち悪い動きで鍵を渡す波多江大尉。

心の底から(気持ち悪……)って感じさせる動きで最高。

「死体の欠片も残らぬくらい徹底的に消し去らなければ」などと、ネットで見かける煽り屋みたいなことを宣う周。

目が妖しく光り、音程の高い不協和音が響く。

「そうだ。これは国防軍の威信に対する挑戦だ。甘く見られるな。徹底的に叩け」
「ハッ」
セリフの内容に反して熱のない口調。

原作15巻285P

マジで「熱のない口調」で最高!

また出た、蜘蛛!!!

前話でも出てきた、人の意思を操る魔法だと思うけど、周公瑾の「蜘蛛」は方術士03のそれより強そうに描かれている気がする。

「蜘蛛」はすぐに見えなくなった。

ついつい『H×H』の「陰」を連想したけど、どういう理屈なんだろう。魔法の行使を隠す技術の一種とか? わからん。

場面は再び達也と将輝に移る。

ダイナミックなカメラワークかっこよ!!!

基地内には監視カメラがズラリと並んでいるが、

達也はこれを片っ端から『分解』!笑

二人ともフルフェイスを被ってるけど、念のためにね。

「その魔法は何だ!?」
そらそう思うわな。笑

「そんなことを言っている場合か」
それはそう。笑

ここで思い出すシリーズ:横浜事変のときの吉祥寺と達也の会話

「それを何故使える!?」
「そんなことを言っている場合か」

達也の誤魔化しバリエーション、少ない疑惑。笑

Q.ところで、『分解』を将輝に見せてもいいの?

A.「言うまでもないが他言無用だ」という前話の大暴露で、国家機密保護法[Ⓝ劣-7-132]を暗にちらつかせてるのだと考えれば、大丈夫のような気がする。

つまりあの暴露には、「秘密をバラしたら有罪になるぞ」という脅し的な側面も持ってるんじゃないか?とちょっと思っている。

同時に、「いちいち具体的に言わなくてもコイツならそれくらいわかるやろ」という謎信頼の現れでもある……のかもしれない。

(いやでも、さすがにちょっと酷くない?笑)

まぁ、「他人の秘密をみだりに漏らしたりはしないヤツ」だと達也は認識していると思えば、尊みが増すし、それでええんちゃうかなって。笑

閑話休題。

銃器もどんどん『分解』していく。

「それより燃料の処理が遅れているぞ」
「手間が掛かるんだよ、これは!」

あ~~~~もう最高最高最高最高最高!!!!!

しごでき男同士特有の会話が大好物なのです……。

おいおいおい

カメラワークがカッコよすぎるんだが?

ちょい待ち、どこからCAD出した???

それはそれとして、このアングルかっこよすぎるんだが!!!!!

燃料気球化の魔法を繰り出す将輝。

死傷者を出すことなく機甲兵器を無力化できるという点で、爆裂よりも使い勝手が良い攻撃魔法[Ⓝ劣-15-287]

後で詳述するが、工程はかなり複雑。

その難しさを踏まえてこの一連のカットを見ると、マジで二人の連携えげつないなって思う。

だって、達也が『分解』をかまして、車体が壊れ始めたときには水素ガスと思しき赤色の気球化がすでに始まってるんやで?

これ、初見の『分解』に先んじて、あるいはほぼタイムラグなく、『気球化』の魔法を将輝が行使してるってことの証左やんな?

何その阿吽っぷり?
初見の魔法でも即座に呼吸を合わせる???
そんなんあまりに尊すぎて、呼吸とまるファンでるんちゃうか?(混乱)

もっと言ったら(さっきも言ったけど)、気球魔法かましつつ、膨らんで避けるバイク操作もこなすの、いくらなんでもエグいって!!!!!

「爆発させるだけが芸ではないだろう」
「分かっている!」

僕を悶え殺す気なんですかね?

はーーーーー

最高

ちなみにこの場面は、原作15巻の口絵に相当するシーンになっている(セリフが同じ)。
右の10周年記念PVのカットは、おそらく同じ場面のバリエーション。

なお原作・コミカライズ・10周年PVでは、バイクではなく徒歩で基地に侵入している。

これは気づかなかった!!!

実弾を撃ってくる波多江中隊。

原作によれば、ここまで使用していたのは無力化用のゴム弾だったらしい。

咄嗟に対物障壁魔法を展開する将輝。

なおアニメでは見て取れないが、原作では達也はこのとき領域設置型分解魔法を展開し、撃ち漏らしをこっそり処理している。

言われてみればたし蟹

回避のため、物陰に隠れる両名。

「撃ってきたぞ!」

さすがに物陰に隠れる。

ここのバイクの急ブレーキ感、すごく好き。

「どうやら彼らも操られているようだな」

軍人たちは、先日の密教系古式魔法師たちと同様に操られている。

「そういうことか」と納得した次の瞬間、

戦車部隊まで出てきた。やりすぎィ!

「内戦でもやらかすつもりか」

分かってるようで分かってないワード「内戦」。NJやくらら等々の媒体で、「抑止力とは」「戦力とは」「軍隊とは」など、分かってるようで分かってない用語が多いことを僕は知った。ということで、「内戦」についてもちゃんと調べる必要があるな、と思うなど。

言われてみれば確かに、、、笑

達也「一気に行くぞ」
将輝「ちょ、おま、、、」

言うてる間に飛び出す達也w

ここの砲塔の動きがすげぇ細かくて、まず水平照準を合わせてから、微妙に上下に動いてて、これもたぶん照準なんやろなって。

なお実際の戦車運用においても、こういうスタイルなのかどうかは知らない。