2024年度春アニメ
『魔法科高校の劣等生〈ダブルセブン編〉〈スティープルチェース編〉〈古都内乱編〉』
のネタバレが大量に含まれるかもしれません。
七草弘一【さえぐさ・こういち】は、七草家の現当主[Ⓝ劣-9-128,11-62,12-15]。超一流の魔法師[Ⓝ劣-12-15]。
七草真由美、香澄、泉美の父親[Ⓝ劣-9-128,12-15,]。四葉真夜の元婚約者[Ⓝ劣-8-264・286]。
表の職業はベンチャーキャピタルの経営[Ⓝ劣-17-7・238]。
十師族の中では、マスコミの扱いに最も通じている[Ⓝ劣-18-51]。また権力者との交渉事でも、十師族当主の中で最も数多く経験している[Ⓝ劣-18-172]。
情報収集能力は高い[Ⓝ劣-21-94]。
14歳の時に片目を失った[Ⓝ劣-8-264,12-211]。このため、十代の頃は「眼帯の少年魔法師」として魔法関係者の間では有名だった[Ⓝ劣-12-211]。
体格・容姿
身長・体重は不明。
20世紀後半のエリートビジネスマンを彷彿とさせる外見をしている、やや古風でスマートな紳士。どちらかと言えば線が細い身体つきで、威厳より人当たりの良さを感じさせる顔つきをしており、口調もそれに応じて柔らか[Ⓝ劣-11-366,17-238]。
狸というよりは狐、狐というよりは狼のような容姿をしている[Ⓝ劣-11-367]。
14歳の時に遭遇した国際拉致事件で右の眼球を失った。大人になり成長が止まってからは、義眼を使用している[Ⓝ劣-8-264・286,12-211]。
義眼の違和感を隠すため、薄い色の付いた伊達眼鏡をかけている[Ⓝ劣-11-367,12-211,17-238]。
年齢について
- 2062年4月時点で14歳、2097年2月時点で48歳[Ⓝ劣-8-264,17-7・37・38]。
- 弘一は、学年で言えば一条剛毅の6学年上、年齢では7歳上であり(2097年1月時点)、また剛毅は早生まれで弘一は遅生まれ[Ⓝ劣-17-37・38・52]。
- 剛毅は2097年2月時点で「つい先日誕生日を迎えたばかりの42歳」[Ⓝ劣-17-237]であることから、剛毅は2054年度生まれだと分かる。
以上から、弘一の誕生日は2048年4月であると考えられる[管推]。
性格
狡賢いところがあり、九島烈や七草真由美いわく、「謀略好き」「裏工作が好きな謀略家」[Ⓝ劣-11-185,12-239,19-134]。
真由美は弘一に関して、その外見は中身を表していないと確信している[Ⓝ劣-11-367]。
家族に有無を言わさぬ家長主義的なところは十師族当主の例に漏れない。具体例としては、真由美を自身の書斎に呼びつけたとき、弘一はさっさと椅子に腰かけたが、真由美を座らせることはなく、立たせたまま話を聞かせた[Ⓝ劣-11-211・366,管補]。
また、七草家を訪れた小和村真紀を案内するという仕事を真由美に与え、役目を終えたところで追い返したりもしている[Ⓝ劣-12-209・210]。
弘一は、四葉真夜に対する感情的なしこりと司波達也に対する評価を、分けて考えることができる人間である[Ⓝメ-3-47]。
思想
七草真由美は弘一について、「どんな理由があろうと十師族の役目を忘れるような人ではない」「日本魔法界に不利益をもたらすような真似をするはずが無い」と述べている[Ⓝ劣-12-239]。だからこそ、あるいはそれゆえに、弘一は司波達也の「メイジアン・カンパニー」に掲げる本当の理念を理解できない[Ⓝメ-2-93∼96,管補]。
本人曰く、(政府や軍、あるいは他の勢力に)盲従するつもりはなく、(その判断は)時と場合と相手による、とのことである[Ⓝメ-3-44,管補]。
魔法・戦闘技能
魔法適性
不明
戦闘能力
不明
崑崙方院による襲撃事件
弘一は2062年4月、婚約者の四葉真夜とともに訪れた台北で、大漢の魔法師開発機関・崑崙方院による襲撃を受けた[Ⓝ劣-8-264]。
賊の目的は真夜の誘拐で、このとき弘一は右手、右腕の裂傷及び骨折と、右の眼球を失う大怪我を負った[Ⓝ劣-8-264]。
◇ ◇ ◇
事件の3日後に救出された真夜の精神は崩壊しかけていた[Ⓝ劣-8-264∼266・268∼270]。
「真夜の心が決定的に壊れてしまう」のを防ぐため、司波深夜は精神構造干渉魔法を真夜に行使し、真夜の「経験」(経験記憶)を「知識」(意味記憶)に作り変えた[Ⓝ劣-8-269∼271・276]。
これにより精神機能は回復したものの、真夜はすべての思い出を「実感」できなくなった[Ⓝ劣-8-274]。これは「経験」を「知識」に作り変えたためで[Ⓝ劣-8-276]、喜怒哀楽といった感情を伴いつつ経験してきたはずの「思い出」は、これらの感情を伴わない単なる「データ」に変換された[Ⓝ劣-8-274∼277から管推]。
◇ ◇ ◇
この事件で、真夜は生殖能力を喪失した。子供を作れなくなったことを理由に、四葉家は弘一との婚約を解消した。弘一は、自分だけが何事も無かったように無傷で生きることはできないと、眼球の再生手術(クローニング技術を利用した移植可能な眼球の作成)を拒否。右の眼球と同時に恋人を永久に失った[Ⓝ劣-8-286,管補]。
四葉家は復讐戦として大漢に攻め込み、当主の四葉元造を含めた30人の犠牲を出したが、大漢の重要人物およそ4,000人を暗殺。このダメージにより大漢は2064年に内部崩壊した(大漢崩壊事件)[Ⓝ劣-8-286・287]。人間関係
七草家
- 弘一と真由美・香澄・泉美との間に、それほど会話は多くない[Ⓝ劣-17-53]。
- (弘一と三姉妹の)親子仲は、世間の平均よりも冷めており、夕餉の食卓においても会話は一切ない[Ⓝメ-1-65,管補]。
- 七草家の親子仲は冷え切っている[Ⓝメ-1-118]。
前妻・後妻
前妻は、智一と孝次郎の母親。故人[Ⓝ劣-13-122]。
後妻は、真由美・香澄・泉美の母親。夫婦仲は冷え切っていて、療養という名目で別居中[Ⓝ劣-13-122,17-41,㊮GB-劣3-1巻-32]。
弘一に対してだけでなく自分の子供たちとも折り合いが良くなく、まともに話ができるのは真由美だけ。香澄からは嫌われ、泉美からは諦められている[㊮GB-劣3-1巻-32]。
七草智一
七草智一は、弘一をビジネス面で補佐している。外見は、弘一によく似ている。性格は弘一よりも「いい人」[㊮GB-劣3-1巻-32]。七草孝次郎
七草孝次郎は研究のことしか頭にない人で、七草家が設立した魔法研究所に泊まり込んでいる。独善的な性格で、一高生時代は問題児だった。魔法力は智一よりも高い[㊮GB-劣3-1巻-32]。七草真由美
- 真由美は、弘一を「狸親父」と呼ぶなどして嫌っている。毛嫌いしている描写は随所に登場する[Ⓝ劣-4-457,9-134,11-367,17-154・158・161,21-262,30-253,Ⓝメ-5-278,管補]。
ただし、そのしつこさについては「狸というより猟犬」などと内心で評している[Ⓝ劣-11-367]。 - (弘一に対して)無意味に反抗的な態度を取るのは、真由美のスタイルではない[Ⓝ劣-11-366,管補]。
- 弘一が突拍子もないことを言い出すのは、(真由美にとっては)いつものことである[Ⓝメ-1-70]。
- いつも弘一に無茶を強いられている真由美にとって、父の狼狽する姿は愉快なものである[Ⓝメ-2-91]。
◇◇◇
- 弘一は真由美の「切り替えの速さ」について、長所として評価している[Ⓝ劣-17-44]。
七草香澄
七草泉美
泉美は、弘一に一番気に入られている娘である[Ⓝ劣-21-102,Ⓝメ-1-118]。そのせいか、弘一は泉美には多少甘くなる[Ⓝ劣-17-42・50,管補]。 箱根テロ事件で、激昂した泉美が警察官に抗議した際には、泉美を叱責するどころか面白がって傍観している[Ⓝ劣-18-30・31]。理由は不明。
◇◇◇
泉美は、本気で弘一のことを案じている部分があるらしい[Ⓝ劣-18-40]。
だが、弘一に最も可愛がられている泉美でさえ、弘一との間に壁を感じている[Ⓝメ-1-118]。
泉美の(意味深な)笑顔は、真由美よりも弘一に似ているときがある[Ⓝ劣-21-115,管補]。
名倉三郎
名倉三郎は、弘一に長く仕えている腹心の部下。ただし、四葉真夜と葉山忠教のそれとは違い、何処かビジネスライクな面が見受けられる。これは、「腹心」といっても名倉は七草家の身内ではなく傭兵と言うべき立場の者であり、常に弘一の側に仕えているわけではないためである[Ⓝ劣-11-243・372,管補]。弘一自身も、名倉を七草家の身内とは考えていないし、それは名倉から見てもおそらくそうである[Ⓝ劣-11-372,管補]。
「数字落ち」である名倉に対して、弘一は情報収集などで、法を逸脱した活動を命じることもあった。それが、「数字落ち」に対する弘一の遇し方だった[Ⓝ劣-11-243]。
弘一は、名倉の前では感情をさらけ出すことがしばしばある[Ⓝ劣-11-243・244]。
◇◇◇
名倉は弘一の感情を意に介さず、淡々と対応しているように見受けられる場面がしばしばある[Ⓝ劣-11-244]。
たとえば2095年11月には、弘一が知らなかった情報を伝えた際に、「初めて聞いたな」とつぶやく弘一に対して、「これまで独立魔装大隊が七草家の利害に触れることはございませんでした故」(意訳:伝える必要が無かったので伝えませんでした)と返している[Ⓝ劣-11-372,管補]。
名倉は弘一について、「社会の裏側での火遊びを好みながら、結局は表側の住人である」と評している[Ⓝ劣-14-210]。
他家
四葉真夜
弘一は、真夜を相手にするときにだけ感情の揺らぎを見せる。
しかし、真夜の方は弘一からの視線に関心を見せたことは(師族会議などでは)一度も無く、いつもどうでも良いような眼差しを返すだけである[Ⓝ劣-17-244]。
真夜と弘一の間の確執は広く知られているが、対立の種を作り出すのは、大体において七草家の方である[Ⓝ劣-9-133]。
それは十師族各家の当主も当然知っていて[Ⓝ劣-17-257]、弘一が真夜に「ちょっかい」を掛けることは師族会議お馴染みの光景である。そのたびに、九島真言がため息をこらえるような様子を見せたり、六塚温子や八代雷蔵が「またか」という空気を漂わせるなどしている[Ⓝ劣-17-246]。
それだけに、「(箱根テロ事件の)首謀者を捕らえるべきだ」という弘一の意見を真夜が支持した際には、一同を驚愕させた[Ⓝ劣-18-55]。
2096年1月に弘一がパラサイトを手に入れようとしたことについて、九島烈は「真夜がパラサイトに興味を持ったことを知ったためではないか」「弘一はどんなことをしてでも四葉家より強くなりたいと思っているのだろう」「30年前の悪夢を未だに断ち切れないのは哀れだ」と述べている[Ⓝ劣-11-186・187]。
とは言え、弘一は弘一なりに、四葉家の力が強すぎるという日本魔法界のパワーバランスについて真剣に憂慮していることも事実である[㊮GB-劣3-1巻-32]。
司波深夜
司波深夜は12歳当時、真夜の誘拐を防げなかった弘一の不甲斐無さに対して、怒りと恨みを懐いていた[Ⓝ劣-8-264]。司波達也
弘一は、達也に対して並々ならぬ興味を持っている。
例えば2095年11月の時点で、達也の正体について具体的な見当をつけているらしき描写がある[Ⓝ劣-11-368∼372]。これについては葉山忠教も肯定的な意見を述べている[Ⓝ劣-11-63]。
また2096年4月の九島烈との対話の中では、達也について「第一〇一旅団と縁の深い生徒」ということまで把握しており、さらにそれ以上の内容(日本の非公認戦略級魔法師かもしれないという可能性)にまで把握している描写がある[Ⓝ劣-12-220・221]。
◇◇◇
達也は、弘一について「捻りのある発想をする人物」と感じているらしい[Ⓝ劣-21-187]。
司波深雪
深雪は弘一について、「あくまでも自分の利害を計算した上で選択する人物」というイメージを懐いている[Ⓝメ-3-58]。九島烈
弘一は、烈のことを「老師」でも「閣下」でもなく、「先生」と呼ぶ。これは、弘一は一時期、四葉真夜・四葉深夜とともに、烈の教えを受けていたためである[Ⓝ劣-4-408,9-232,12-219,Ⓝメ-1-158]。
九島光宣
光宣は弘一について、「ゆっくり話をしたいとは思わない」相手であると認識しているらしい[Ⓝ劣-22-75]。一条剛毅
弘一と剛毅は、青年時代からの旧知の仲。ただし、仲の良い友人同士でもなければ、いがみ合っているわけでもなく、つかず離れずの間柄[Ⓝ劣-17-37,管補]。
一条将輝によれば、(周公瑾と内通していたことを知った後の)剛毅は弘一について「平気で味方を裏切るタイプ」と評しているらしい[Ⓝ劣-19-299]。一条将輝
将輝は、弘一に対して「油断がならない」「自分のルールを持っていて、それを優先するタイプ」という印象を持っている[Ⓝ劣-19-299]。十文字克人
克人は、弘一に対して手強さを感じているらしい[Ⓝ劣-21-141]。軍人・政治家
防諜第三課
国防陸軍 情報部 防諜第三課は、弘一の意向を受けて行動することがある[Ⓝ劣-11-121]。上野
弘一は、与党の国会議員である上野とつながりを持っている[Ⓝ劣-12-167,18-170∼174]。
古沢
諸事情あって、弘一は防衛大臣の古沢に呼び出されたが、要求を突っぱねた[Ⓝメ-3-40∼42]。
その他箇条書き
- 「十師族は日本の魔法師の頂点に立つ存在である。ゆえに、(九校戦が)例え高校生のお遊びであっても、(十師族でない達也が十師族である将輝に勝利したという)十師族の力に疑いを残すような結果を放置しておくことは許されない」という、師族会議の「教義」は、真由美いわく弘一自身の教義でもある[Ⓝ劣-4-456・457,一部管補]。
- 真由美との会話で出てきた情報から、達也は「弘一は七草家の部下を掌握しきれていない、あるいは弘一には真の意味で腹心と呼べる部下がいない」と推測している[Ⓝ劣-15-34]。
- 吸血鬼事件の反省を踏まえて、弘一は事件後に知覚系の術者発掘に努めるようになった[Ⓝ劣-30-51]。
- 弘一は、(いつまでも)政府の言いなりになるつもりはなく、外国にビジネスチャンスを狙っているらしい[Ⓝメ-3-44∼47・57]。
- (達也が存在感を示すようになって以降)弘一は表に出るのを控えるようになった[Ⓝメ-6-257,管推]。
- 七草家の兄弟姉妹の力比べに、弘一が参加することは無い[Ⓝ劣-26-145]。