2021年度冬アニメ
『魔法科高校の劣等生〈追憶編〉』
のネタバレが大量に含まれます。
ご注意ください。
大亜細亜連合【だいあじあれんごう】は、ユーラシア大陸最東端にある国家[Ⓝ劣–]。
通称「大亜連合」[Ⓝ劣-2-260]。
概要
人口は世界一[Ⓝ劣-2-72]。「人が多すぎる」と広言している[Ⓝ劣-8-179]。労働力も不足していない[Ⓝ劣-13-100・101]。
国力
2092年の時点では、大亜連合は大国ではあるが、日米同盟と正面からやり合う力は無い[Ⓝ劣-10-165]。
その一方で、日米同盟とやり合うような博打を打たなければならないほど、国内状況も追い詰められてはいない[Ⓝ劣-10-165]。
2096年春時点においては、大亜連合政府は軍部を末端に至るまで完全に掌握している[Ⓝ劣-13-101]。
また、大亜連合は同時点において、外交的非難も問題にしない。経済的に自給度が高く、もし経済封鎖を受けたとしても、痛くも痒くもないためである。エネルギー供給に不安はあるが、それは他国も同様である[Ⓝ劣-13-101・102]。
軍事力については、通常兵力の質・量は一時期米ソに追いつく勢いがあった[Ⓝ劣-23-116]。
しかし、灼熱のハロウィンによって海軍戦力を大量に(総艦艇の3割)損耗した。この打撃からは、2097年時点ではまだ立ち直っていない[Ⓝ劣-23-116,26-225,31-141]。
新ソ連と比較すると、質を加味すれば新ソ連が勝っているが、単純な数ならば大亜連合が上である[26-226]。
2097年7月時点ではこの他に6人の非公認戦略級魔法師を抱えている。これは最重要機密であり、一般には知られていない[Ⓝ劣-27-135]。
ただしこの6人の魔法には大きな欠陥が存在しており、国家存亡の危機に直面しない限り用いることはできないため、普段から使える戦略級魔法師は劉麗蕾のみである[Ⓝ劣-27-135]。
しかし同月、大ソ戦争終結直後に劉麗蕾が日本に亡命[Ⓝ劣-27-]。その後も日本で暮らしている[Ⓝ劣–,Ⓝキ–]。
こうして、大亜連合は「使徒」を全て失った。新たな「使徒」についても、『メイジアン・カンパニー』や『キグナスの乙女たち』では特に言及されていない。
歴史
中国は、第三次世界大戦が始まってから比較的早い時期に分裂し、大亜連合(北部)と大漢(南部)に分かれた[Ⓝ劣-8-]。しかし、四葉家による大漢復讐戦(2062~2063年)のダメージによって、2064年に大漢が崩壊。大亜連合が大漢を吸収し、大陸を統一した[Ⓝ劣-8-286・287]。
この南北対立の終結は、大戦の終結につながった[Ⓝ劣-8-20・287]。
なお、大亜連合は大漢の「分離独立」を認めていない。勝手な「独立僭称」であり、国内における「内戦」であり、「自分たちは内戦を抑え込んだ立場である」旨を主張している[Ⓝ劣-13-101,管推]。
大陸の魔法
大亜連合は、現代魔法の開発よりも、前近代の魔法(古式魔法)の復元に力を注いできた[Ⓝ劣-6-153]。
これは次のような理由による。
しかし、四葉家による大漢復讐戦によって、崑崙方院の研究資料は破壊し尽くされてしまった[Ⓝ劣-8-286]。
これにより、大陸制覇後も、大亜連合は現代魔法の研究成果を手にすることができていない[Ⓝ劣–]。
ただし顧傑によれば、これは不正確な認識である[Ⓝ劣-17-190]。
正確には、崑崙方院は中国分裂前から存在する魔法師の開発機関であり、現代魔法も古式魔法も研究されていた[Ⓝ劣-17-190]。
しかし2054年、現代魔法師と古式魔法師の対立において顧傑ら古式魔法師側が敗北し、大漢から逃げ去った[Ⓝ劣-17-190]。
2095年10月時点では、ジロー・マーシャルいわく「ここにきてエレクトロニクスを利用した魔法工学技術の軍事利用へと急速に傾斜しつつある」[Ⓝ劣-6-153]。
組織
大亜連合中央政府[Ⓝ劣-,27-132]
詳細は不明。
大亜連合軍
- 大亜連合陸軍[Ⓝ劣–]
- 東北地方軍[Ⓝ劣-27-91]
- 高麗自治区軍[Ⓝ劣-7-321,27-91]
- 香港軍[Ⓝ劣-20-]
- 大亜連合海軍[Ⓝ劣-7-]
- 大亜連合空軍[Ⓝ劣–]
- 特殊工作部隊[Ⓝ劣-6-]
無頭竜
無頭竜は2095年8月、司波達也によって東日本総支部の幹部らを「消去」されたのち、日米によって本部まで壊滅させられたが、これについて大亜連合は黙認している[Ⓝ劣-4-,19-131・132]。
キャラクター
大亜連合軍人
陳祥山
大亜連合軍特殊工作部隊の隊長[Ⓝ劣-6-7]。
呂剛虎
大亜連合軍特殊工作部隊のエース魔法師。通称「人喰い虎」[Ⓝ劣-6-6・162]。
横浜に侵攻した偽装揚陸艦の艦長
艦長と横浜侵攻軍の総指揮官を兼任していた人物[Ⓝ劣-7-263]。
『質量爆散』によって死亡[Ⓝ劣-7-164・]。
横浜に侵攻した偽装揚陸艦の参謀[Ⓝ劣-7-263]
『質量爆散』によって死亡[Ⓝ劣-7-164・]。
横浜に侵攻した偽装揚陸艦の副官[Ⓝ劣-7-264]
『質量爆散』によって死亡[Ⓝ劣-7-164・]。
横浜に侵攻した偽装揚陸艦の通信士官
『質量爆散』によって死亡[Ⓝ劣-7-164・]。
劉雲徳
十三使徒の一人。戦略級魔法は『霹靂塔』[Ⓝ劣–]。
灼熱のハロウィンに巻き込まれ死亡した。大亜連合はこれを隠していたが、2097年5月に公表した[Ⓝ劣-8-209,20-29,23-40]。
劉麗蕾
2083年ごろ生まれ[Ⓝ劣-23-42]。大亜連合の発表によれば劉雲徳の孫で、その後を継ぐ十三使徒。戦略級魔法は同じく『霹靂塔』[Ⓝ劣-23-40・42・44,26-238]。2097年5月に公表された[Ⓝ劣-23-40∼44]。
2097年7月の大ソ戦争終結直後、日本に亡命した[Ⓝ劣-27-136・138]。
林衣衣
劉麗蕾護衛部隊の隊長[Ⓝ劣-27-97・132]。劉麗蕾とともに日本に亡命した[Ⓝ劣-27-138]。
ダニエル・劉
西果新島テロを目論んだ、香港軍の脱走兵[Ⓝ劣-20-]。
ブラッドリー・張
西果新島テロを目論んだ、香港軍の脱走兵[Ⓝ劣-20-]。
その他
周公瑾
(横浜中華街の代表的存在である)周公瑾は、大亜連合の圧政を逃れて日本に漂着する亡命希望者を第三国へ送り出す亡命ブローカー。亡命先での反大亜連合活動のサポートも行っている[Ⓝ劣-12-93,13-100,Ⓝ暗-2-89]。
それと同時に、大亜連合のスパイのような役目(スパイの現地協力者の役目)も担っている[Ⓝ劣-12-94,13-100]。
大亜連合側は、こうした周公瑾の動きを(ある程度)把握しているが、放置している。放置しておいた方が、大亜連合のメリットとなるためである[Ⓝ劣-13-100]。
顧傑
周公瑾のボス[Ⓝ劣-12-94∼96]。在米華僑[Ⓝ暗-2-89]。
兵器等
-
- ハイパワーライフル[Ⓝ劣-7-87∼90]
- 偽装揚陸艦[Ⓝ劣-7-]
- 低空無人偵察機[Ⓝ劣-7-]
- 大亜連合製の直立戦車(戦闘用ロボット)[Ⓝ劣-7-164]
横浜事変において、大亜連合製の直立戦車は、幹比古いわく「手足の動きが奇妙に人間的」で、大陸の古式魔法、『剪紙成兵術』によって動かされていた[Ⓝ劣-7-208∼210]。 - 大亜連合製の装輪式装甲車[Ⓝ劣-7-164・218]
- ソーサリー・ブースター[Ⓝ劣-7-206]
- 「ハイナン」[Ⓝ㊕星呼-5・7・8]
大亜連合の原子力潜水艦[全テ-116]。
登場する土地
- 本土
- 北京市
- 泉州市
- 広東省
- 四川省
- 雲南省
- 香港
- 厦門港
- 高麗自治区
- 鎮海軍港
- 巨済島要塞
大亜連合をとりまく世界情勢
大亜連合にとって軍事的に脅威となり得る存在は、2096年春時点においてはUSNA、新ソ連、インド・ペルシア連邦だが、各国ともに孤立政策をとっている[Ⓝ劣-13-101]。
USNAとインド・ペルシア連邦は同盟国を有しているが、それは表面的なものであり、大戦前のように緊密な同盟関係は存在していない。これらの国が軍事的連携を取った場合は脅威だが、孤立政策をとる限りは脅威にはならず、これらの国々が内政に干渉してくる脅威はこの時点において現実のものではない[Ⓝ劣-13-101]。
国内事情
2096年3月[Ⓝ劣-20-2・48](2095年11月?[Ⓝ劣-13-124,26-225])に締結された日亜講和条約は、日本にとってかなり有利な内容だった。屈辱的講和に対する不満から政情不安が生じており、大亜連合中央政府は威信回復のために対外的な戦果を必要としていた[Ⓝ劣-26-225,27-142]。
2097年6月の新ソ連への侵攻(大ソ戦争)の背景には、こうした理由もあったと見られている[Ⓝ劣-26-225]。
しかし大ソ戦争では事実上の敗戦を喫した。これにより、反政府運動・分離独立運動の鎮圧で国力を消耗することが予想される。国家の分裂さえあり得ると見られている[Ⓝ劣-27-142]。
日本
大亜連合は、2100年時点においても日本とは敵対関係にある[Ⓝメ-1-190]。
第三次世界大戦以降、日本と大亜連合の間に正式な国交は結ばれていない[Ⓝ劣-28-267]。ただし、民間レベルでは経済交流があり、企業が相互進出を果たしている[Ⓝ劣-28-267]。 久米島西60kmの海域(東シナ海)では、2092年までは違法操業を行う大亜連合の漁船を日本の巡視船が追い回し、そのうち両国の戦闘艦がやって来て火器管制レーダーを浴びせ合うというチキンレースが頻繁に演じられていた[Ⓝ劣-20-213・214]。
沖縄海戦以降は、大亜連合によるこうした挑発行為はピタリと影を潜めている[Ⓝ劣-20-214]。
日本の横浜中華街は、大亜連合本国の圧政から逃れた華僑の、本国に対する主要抵抗拠点の一つ、というのが「建前」になっているが、「現実には大勢の大亜連合工作員が潜んでいる」と藤林響子は考えている[Ⓝ劣-4-412]。
日本の国防軍内では、横浜事変以降対大亜連合強硬派が支持者を増やし、無視し得ない勢力にまで成長していたが[Ⓝ劣-13-125]、2096年夏のパラサイドール事件で酒井が失脚[Ⓝ劣-13-,16-]。同年末には四葉家の分家が残党を使嗾して達也を襲わせ、残党らは返り討ちにされた[Ⓝ劣-16-]。
新ソ連
大亜連合が2092年8月に沖縄海戦を引き起こした大きな動機としては、2089年のアークティック・ヒドゥン・ウォーによって新ソ連では極東方面の魔法師戦力が壊滅状態となり、軍事的プレゼンスが大きく低下し、北方の脅威が薄れたことが挙げられる[Ⓝ㊕プラズマ-7]。
大亜連合は2097年6月27日、新ソ連に侵攻し、戦争状態に突入した(大ソ戦争)[Ⓝ劣-26-223・224]。
これは、高麗自治区を支配下におさめた大亜連合にとって「喉元に突き付けられたナイフ」に等しいウラジオストクを奪い、脅威を取り除くためと見られている[Ⓝ劣-26-224]。
台湾
台湾は、独立している[Ⓝ劣-10-8]。経緯等の詳細は不明。インド・ペルシア連邦
インド・ペルシア連邦政府は2100年時点において、国家公認戦略級魔法師を1人増やして2名とし、その戦力を背景に大亜連合に対する外交優位を確立したいと考えている[Ⓝメ-2-106]。USNA
2095年10月の横浜事変においては、日本と同盟を結んでいたUSNAの反応は不自然なくらいに鈍く、USNA側が故意に太平洋艦隊の出動を遅らせた、などの疑惑も浮上している[Ⓝ劣-10-166]。日本とUSNAは同盟国であると同時に(日米同盟)、西太平洋地域における潜在的競合国であり、日本の適度な弱体化がUNSAの国益に適うという点を踏まえると、当時、大亜連合とUSNAが一種の共謀関係にあった可能性を否定できない[Ⓝ劣-10-165・166]。
USNA上層部は2097年時点において、日本を西太平洋における競合相手と考える勢力と、日本を同盟国として大亜連合・新ソ連の太平洋進出に対する防波堤と考える勢力に分かれている[Ⓝ劣-26-55,31-159]。
アジア
東南アジア同盟の諸国は、大亜連合の圧力に苦しんでいる[Ⓝ暗-2-284]。ベトナムは直接国境を接しているし、フィリピンは海洋権益の露骨な侵害に悩んでいる[Ⓝ暗-2-284]。
フィリピンは、(沖縄海戦が勃発した)2092年ごろから治安がますます悪化し始めた[Ⓝ暗-2-251]。
フィリピンには、大亜連合の支援を受ける共産ゲリラが存在する[Ⓝ暗-2-272]。
解放軍の魔法師、エフィア・メンサーが『能動空中機雷』を戦術級のレベルで行使し、多くの犠牲者が出た[Ⓝ劣-23-51・53]。
アフリカ
ニジェール・デルタ地域では、大亜連合が2080~2090年代に纏まった領域を勢力下に収めていた[Ⓝ劣-23-39]。だが2097年ごろ、フランスの支援を受けたニジェール・デルタ解放軍がこの支配を脅かし始め、部族レベルの小規模武装グループによって細切れに分割された勢力地域を大亜連合とフランスの間でリバーシゲームのように奪い合っていた[Ⓝ劣-23-39・47]。
フランスは無人自動兵器を提供し、これによって大亜連合は実質的に支配していた地域の半分を奪われた[Ⓝ劣-23-48]。
劣勢に陥った大亜連合は2097年5月2日、戦略級魔法 『霹靂塔』を投入。これによってフランスが提供した無人自動兵器は無力化され、多くの死傷者が出た[Ⓝ劣-23-38・39・48]。
投入翌日の大亜連合の発表では「死者は900人に満たない」とされているが、欧米のマスコミは「3000人を超えている」と推測している[Ⓝ劣-23-52]。
できごと
補足
作者は、大亜連合について以下のように述べている。
それから「大亜連合」の国名ですが、これは「中華連合」だとあまりにも捻りが無い、と思いましたので変更しました。「中華」という言葉の意味を考えれば、衛星国に「中華」が冠せられるのは不自然だ、という思いもあります。
— 電撃文庫『魔法科高校の劣等生』 (@dengeki_mahouka) August 18, 2011
大亜細亜連合の構成国の名称は第三話以降で出て来ますが、「大亜連合中華」とか「大亜連合高麗」とか「大亜連合吐蕃」とかいう形になります。WEB版をお読み頂いている方々は戸惑われたかもしれませんが、このような関係です。
— 電撃文庫『魔法科高校の劣等生』 (@dengeki_mahouka) August 18, 2011