第2話感想の続きです。
原作のネタバレがあるのでご注意ください。
また、以後に添付する画像のクレジットは、特に注記が無いものは、「©2023 佐島勤/KADOKAWA/魔法科高校3製作委員会」です。
アニメの流れを確認
アヴァン
過去シーン(謁見室)
原作8巻〈追憶編〉の63~65ページの部分。
なかじー様が語っていらっしゃる以上に語ることはありません。
Aパート
新入部員勧誘期間
2096年4月13日(金)、第一高校では新入部員勧誘活動が始まっていた。
部活連本部
4人が雑談していると、「ロボ研とバイク部が揉めている」という通報が。
達也と深雪が出動を命じられる。
ロボ研のガレージ傍
ガレージ付近では、新入生のケントを巡り、ロボ研とバイク部の面々が揉めていた。
十三束がオロオロしているところに、通報を受けた達也と深雪が到着。
深雪が琢磨・香澄の魔法発動を防ぎ、両名を叱咤。
続いて達也と共に事態の収拾を図る。
琢磨と香澄は深雪に対して謝罪。
しかし香澄に向けられた琢磨の瞳は、複雑に揺らめいていた。
泉美に愚痴る香澄
名倉からの報告を受ける弘一
七宝家当主について双子が真由美に質問
七宝家の当主・七宝拓巳について真由美に尋ねる香澄だったが、琢磨と揉め事を起こしたことをあっさり見抜かれてしまった。
真由美によれば、拓巳は「堅実で周到」「幾重にも策を巡らせ、リスクを最小に抑え、成果を欲張り過ぎず、確実に元を取るタイプ」とのこと。
弘一の企てを烈は黙認
「第一高校と国防軍の癒着」についてのマスコミ工作を企てた弘一。
九島烈に連絡をとり、この件についての黙認を取り付けることに成功した。Bパート
黒羽の双子が司波家を訪問
翌14日(土)の夜、亜夜子と文弥の姉弟が司波家を訪れ、USNAの人間主義者がマスコミ工作を仕掛けていること、近々新たな反魔法師キャンペーンが展開されようとしていることを達也に報告。
その内容は達也にとって、自身の通う学校が利用されようとしているという点からも、そして国防軍の特務士官という立場からも無視できないものだった。
魔法大学のカフェテリア
18日(水)、国立魔法大学のカフェテリアを、克人に呼び出された真由美が訪れる。
「七草家がマスコミ工作の一部に関与している可能性が高い」という話を聞かされた真由美は、父・弘一と面会するよう克人に頼む。
克人が弘一と面会
翌19日(木)の夜、克人が七草邸を訪れ、弘一と面会。
弘一による反魔法師報道への関与について尋ね、事情説明を受ける。
克人は弘一の説明に納得せず、七草家に対し十文字家として遺憾の意を表明。反魔法師キャンペーンへの関与を止めるよう求めた。
これに対し弘一は書面による抗議を要求。回答は正式な抗議状を見て行う旨を伝えた。
真由美と弘一の問答
克人が帰ったあと、真由美は弘一を非難する。
らしくない娘の態度に疑問を抱いた弘一は、「お前は誰のために怒っているんだ」と問い返す。
亜夜子からの報告
反魔法師キャンペーンのその後について、亜夜子から追加の報告が達也へ届けられる。
その内容は4月24日(火)に、野党・民権党の神田議員が取り巻き記者とともに第一高校を訪れ、「高校と軍の癒着」について騒ぎ立てる、というものだった。
通信を終えた達也は、対抗策として「あの計画」を実行に移すことを決意したところで、第2話は終了。
原作の流れを確認
原作12巻の内容を確認しつつ、アニメとの違いをチェック。
原作のネタバレになるので、未読の方はご注意ください。
4月13日(金)
新勧期間の説明①
新入部員勧誘活動についての説明が簡単になされるパート。今年度の新歓週間は12日に始まっており、この日は新歓2日目である。
部活連本部①
新歓期間における、部活連執行部と生徒会の役割についての説明がなされるパート。
生徒会副会長である達也と深雪が、なぜ二人揃って生徒会室を空けているのかという点についての説明がなされている。
また、部活連の仕組みについての説明もなされている。
部活連本部②
部活連本部に待機している服部・桐原・達也・深雪が雑談を交わすパート。
途中でトラブル発生の一報が入る。仲裁のため、達也と深雪が出動した。
新勧期間の説明②
新入部員勧誘活動についての説明がなされるパート②。
勧誘期間が1週間に限定されている理由について語られている。
ロボ研のガレージ①
ロボ研とバイク部の不仲の理由についての説明がなされるパート。 ケントが両者の取り合いとなった理由も語られている。ロボ研のガレージ②
ケントを巡ってロボ研とバイク部が言い争っているところに、十三束と琢磨が駆けつけるパート。
アニメ〈ダブルセブン編Ⅱ〉では、ここは概ねそのまま描かれた。
ロボ研のガレージ③
トラブルの現場に達也と深雪が到着し、達也がケントに事情を尋ねるパート。
ロボ研のガレージ④
風紀委員会に入った香澄が、トラブルの現場に到着するパート。このタイミングで、達也はケントに現場を離れさせている。
ロボ研のガレージ⑤
琢磨と香澄が口論し、魔法戦闘に移行しかけるパート。
ロボ研のガレージ⑥
一触即発状態の二人の間に、十三束が割って入って物理的に制止するパート。
ロボ研のガレージ⑦
深雪と達也が事態の収拾を図るパート。
ロボ研とバイク部はそれぞれ持ち場に戻り、達也と深雪も部活連本部に帰還。
現場には琢磨、香澄、十三束、および野次馬だけが残った。
泉美の私室
昼間のできごとについて、香澄が泉美に愚痴るパート。
あまりに非友好的な琢磨の態度について、二人は困惑する。
弘一と真紀の会食①
小和村真紀が七草家を訪れ、真由美が来客用の食堂へ案内するパート。弘一と真紀の会食②
会食が始まり、真紀のふるまいや、弘一のサングラスについて触れられるパート。
真由美の私室
香澄と泉美が真由美の私室を訪ね、七宝拓巳の人柄について教えてもらうパート。
ここは、〈ダブルセブン編Ⅱ〉で概ねそのまま描かれた。
弘一と真紀の会食③
真紀が「反魔法主義者との密約を反故にする」旨を宣言したうえで、「娯楽分野における魔法の有用性」について弘一に訴えかけ、魔法師のスカウト事業についての黙認を要求するパート。
弘一と真紀の会食④
弘一が真紀の拙い部分を指摘し、「新秩序」構想の裏側を見抜いていることを示唆した上で、条件付きで黙認すると宣言するパート。
弘一と烈の通信①
弘一が烈に連絡を取り、真紀から聞いたマスコミ工作について情報共有するパート。
弘一と烈の通信②
烈が弘一の真意について尋ね、最終的に弘一が烈の黙認を得るパート。
4月14日(土)
黒羽姉弟の司波家訪問①
亜夜子と文弥が司波家を訪ね、水波が家内に迎え入れるパート。黒羽姉弟の司波家訪問②
深雪の着替えを待ちつつ、達也が双子と雑談するパート。
黒羽姉弟の司波家訪問③
達也と深雪が双子の四高進学を祝い、またこれに関連する四葉家の事情について触れられるパート。
黒羽姉弟の司波家訪問④
桜井水波について、達也が双子に説明するパート。
黒羽姉弟の司波家訪問⑤
国外の反魔法師勢力によるマスコミ工作について、文弥が達也に報告するパート。
黒羽姉弟の司波家訪問⑥
照れる文弥を亜夜子がからかうパート。
黒羽姉弟の司波家訪問⑦
さらに込み入った細かい話を、文弥が説明するパート。
双子が辞去したのち、達也は自室で、今後の対応について思案を巡らせた。
4月18日(水)
魔法大学カフェテリア①
国立魔法大学設置の経緯や、魔法大学と国防軍との関係、現在の魔法大学の雰囲気などについて語られるパート。カフェテリアを訪れた真由美が、精神的なダメージを受ける場面も描かれている。
魔法大学カフェテリア②
魔法大学のカフェテリアにて、真由美と克人が挨拶を交わし、本題に入る前に多少の雑談をするパート。
魔法大学カフェテリア③
克人が電子ペーパーを真由美に見せつつ「マスコミによる反魔法師報道の急増」に言及し、それから『遮音障壁』を展開。マスコミの論調が二つに分かれていることとその理由を説明した上で、「国防軍を非難している論調を背後で煽っているのは七草家である可能性が高い」旨を伝える。
魔法大学カフェテリア④
思いがけない話を克人から聞かされた真由美が、思わず声を上げ、席から立ちあがってしまうパート。
魔法大学カフェテリア⑤
冷静さを取り戻した真由美が克人に反論。最終的に、弘一と面会するよう克人に求めるパート。
克人と弘一の対話①
七草家を訪れた克人を真由美が出迎え、応接室へと案内するパート。
克人と弘一の対話②
反魔法師報道の使嗾について克人に尋ねられた弘一があっさりと認め、逆上した真由美を克人が制止するパート。
克人と弘一の対話③
克人が弘一に事情説明を求め、弘一がこれに応えるパート。
弘一による「『世論』に対抗する有効な手段」についての講義が、詳細に描写されている。
克人と弘一の対話④
弘一の説明に納得できなかった克人が、七草家の工作について十文字家として遺憾の意を表明し、反魔法師キャンペーンへの関与を止めるよう要求。これに対し、弘一が正式な抗議状を求めるパート。
弘一と真由美の問答
真由美が弘一を非難し、その強硬な態度に疑問を覚えた弘一が逆に真由美を問い詰めるパート。
4月19日(木)
亜夜子からの報告①
亜夜子が画面内で達也に挨拶をして、雑談を交わそうとするパート。
亜夜子からの報告②
神田議員の動きについて、亜夜子が達也に報告するパート。亜夜子からの報告③
亜夜子との通信が終了するパート。
第2話部分 おわり
以上、原作12巻194~254Pまでの範囲が、アニメ〈ダブルセブン編Ⅱ〉で描かれたことになる。
(残り192P)
時系列・脚本
時系列における変更点の可視化
前回同様、脚本の考察に入る前に、原作からカットされた部分やアレンジ等の変更がなされた部分について、視覚化して把握しておきたい。
ということで、次図を作成した。(アヴァンは含めていない)
画像上段の灰字はアニメ化されずにカットされた内容を、下段の赤字は変更または新規に追加された内容を、それぞれを示している。
また、赤の実線矢印は「おおむね原作どおりに描かれた部分」を、同破線矢印は「アレンジ等を伴いつつも、それなりに原作通りに描かれた部分」を、橙矢印は「時系列の移動を伴う変更があった部分」をそれぞれ示している.
注目した変更点と、脚本について感じたこと
カットされた内容
①達也がケントを逃がすシーン
既に述べたが、原作ではロボ研とバイク部に挟まれていたケントを達也がしれっと逃がしてやるのだが、これがカットされた。
まぁこれは当然と言えば当然で、アニメでは達也とケントは入学式の日に出会っていないのだから、達也がケントを気遣ってやる動機はほぼ無いと思う。
②真紀が弘一と交渉するシーン
1話に引き続き、2話でも真紀は完全にカットされてしまった。
アニメ〈ダブルセブン編〉は4話構成であること(先日発表されたDVDの内容から判明)と合わせて考えると、真紀はもう、登場しないのだろう。
となると、琢磨と真紀が目論んでいる「新秩序」構想はどうなってしまうのだろうか?
……などと憂いつつも、「まぁよく考えたら、原作でも半ば放置気味やしな!」と、自分を納得させている今日この頃です。笑
③消えた水波
2話では、水波が一切登場しなかった。
原作では、黒羽姉弟の司波家訪問の場面にチラッと出て来るのだが、一切姿を見せなかった。
ちょっと寂しい。お茶を配るだけでもいいから出て欲しかった。
アレンジまたは新規追加された内容
①香澄と琢磨を「深雪が」止める
原作通りに十三束に止めさせても良い気がするのだけれど、実際には深雪が止める形に改変された。
達也とケントの関係が抹消された影響もあるのかもしれないが、これでは十三束がオロオロしてるだけに見えてしまう。
普通に十三束に止めに入らせておいて、そこへ達也と深雪が到着・叱責し謝罪させる、という流れではダメだったのだろうか?
オロオロ感を逆利用して、十三束のカッコよさを際立たせる作戦?
②オフショアタワーテロについて、名倉が弘一に報告
ここは原作には無い完全アニメオリジナル。会話の内容を以下に引用する。
弘一「調べはついたか、名倉」名倉「はい。オフショアタワーを占拠した進人類フロントは、FAIRと協力関係を築いていました」
弘一「FAIR? アメリカの魔法至上主義の過激派だったな。だが、オフショアタワーは、魔法師が兵器ではなく、人間としてセキュリティに関わるモデルケースだったはずだ。なぜ破壊しようとした?」
名倉「彼らの望みは、魔法師と人間が共に手を取り合うことではないからです」
弘一「しかし、だからと言って多くの魔法師の望みを叩き壊しては内部に不満も出るだろう。組織に対する批判も出る。なぜ彼らはこのような暴挙に出た?」
名倉「幹部の中に、USNAの人間主義者に取り込まれている者がいるようです」
弘一「ん?」
名倉「オフショアタワーという巨大なモニュメントを進人類フロントに破壊させることで、魔法師の危険性を世間にアピールしようとしたのでしょう」
弘一「……分かった。下がれ」
アニメ〈ダブルセブン編Ⅱ〉Aパートより.
要点をまとめると、
- USNAの魔法至上主義過激派組織「FAIR」が、日本の魔法至上主義過激派組織「進人類フロント」に、オフショアタワーテロを起こさせた
- 人間主義者に取り込まれたFAIR幹部がいて、彼(ら)が進人類フロントを使って日本国内の反魔法主義的な世論を煽ろうとした
という感じだろうか。
このアニオリ部分は、原作の「弘一と真紀の交渉」の部分に相当する。
原作で弘一は、海外の反魔法主義勢力の国内浸透状況に関する情報を真紀から入手。これを九島烈と共有し、今後行うマスコミ工作についての黙認を得る場面へとつながっていく。
そしてアニメでは上述の通り、USNAの人間主義者が日本国内の世論を反魔法主義側に傾けようとしていることが判明し、弘一がこの情報を烈と共有する流れとして描かれた。
どちらの場合でも「USNAの人間主義者が日本国内の世論を反魔法主義側に傾けようとしている」と言う構図に変わりはなく、対抗策として弘一が「世論の分断を図る」ルートに入っていく。
このように、最終的にはアニメも原作と同じ流れとなる。
なお、ひとつ前のブログでも書いたように、このシーンは原作11巻ラスト付近の、2095年11月2日の弘一と名倉の会話パートを、オフショアタワーテロについての報告として焼き直したのだろうと想像している。
③弘一によるマスコミ工作
「四葉家の力を削ぐこと」を目的として、第一高校と国防軍の癒着についてのマスコミ工作を企てた弘一は、この件について烈の黙認を取り付けることに成功した。
なおこの工作のもう一つの目的は、海外の反魔法師勢力が日本国内で巻き起こした反魔法的な世論について、「魔法師が依怙贔屓されていること」を非難する勢力と「魔法師を利用する国防軍」を非難する勢力に分断し、反魔法主義運動を鎮火させることにあった。
ここで、克人の電子ペーパーに表示されていたニュースのタイトルについて振り返ってみる。
まず、原作の内容はこちら。
電撃文庫『魔法科高校の劣等生』12巻236Pより.
- 軍用魔法師の実態
- 青少年を兵器として徴用する国防軍
- 魔法師に支配される国防
- 優遇される魔法士官
そして、アニメ版の内容がこちら。
原作からかなり追加&アレンジされ、見事に胡散臭さが漂う見出しになっている。
その内容も、「優遇される魔法師」と「国防軍に利用される魔法師」という2つの論調に分かれており、上述した分断工作がきちんと描かれている。
- 魔法師は特権階級 優遇される魔法士官
- どちらが偉い? 国防軍を支配する魔法師たち
- これが真実! 軍用される魔法師の実態
- 「私たちに選べる未来はない」 国防軍に徴用される青年魔法師たち
克人の電子ペーパーに表示されていたニュース記事の見出し.アニメ〈ダブルセブン編Ⅱ〉Bパートより.
- 専門家が語る 国防軍と魔法師の意外な関係
- 最先端の兵器を凌駕する魔法師の危険性
- 軍事力増強 国防軍が考える悪魔のシナリオ
- 軍人養成機関? 魔法大学の驚くべき実態
- 軍靴の足音が未来ある若者にも忍び寄る!?
- まるで洗脳 魔法科高校の隠された目的
④真由美が激昂して周囲の注目を集めるシーン
ここはけっこうおもしろいアレンジだと思う。
アニメでも、真由美はきっと激昂したのだろう。しかし、克人が展開した遮音障壁の効果を上手く利用して、その部分をあえて描かないよう工夫されている。
真由美が席から立ちあがる動作も心なしゆっくりに見えるし、これなら周囲の注目もあまり集まらない、かもしれない。
視聴者に「真由美は怒ったんだろうなぁ」と思わせることに成功しつつも、克人と真由美が言い合う部分をカットし、尺の短縮に成功している。
⑤「世論」についての弘一の講義
アニメではかなりアレンジされ、短くまとめられたが、原作ではおよそ4ページにわたって、事細かに描かれている。
ここはかなり興味深い内容で、この視点でTwitterやYoutubeを観察すると、ちょっと面白い。
最初の論調は一つだったのに、いつの間にか複数の勢力に分断され、わけが分からなくなってきた頃にみんな飽きてきて、話題から消えていく。
よく見かけている気がする(笑)
⑥各キャラクターが見せる態度や行動を変更またはアレンジ
- 部活連本部にて、原作では服部の指示に対して深雪はお辞儀で応えるが、アニメでは「達也とともに声に出して応える」という形に変更されている。
- 弘一と真由美の問答のシーンで、真由美は原作ではもっと戸惑いや動揺が態度に出ているのに対し、アニメでは少なくとも表面上はポーカーフェイスを保つ形に変更されている。
- 亜夜子が達也と通信している場面で、原作では、亜夜子は丁寧に一礼してから通話を終了している。
しかしアニメでは、一礼することなく画面が突然切れたため、やや礼儀に欠ける感があった。
- 2話のラストには、達也が独りごちる様子が描かれた。このような独白は原作には無い。
いっぽう原作では、「通信終了直前に」亜夜子の前で5秒ほど考え込む素振りを見せる様子が描かれている。
アニメではこの順序を少しだけ前後させ、また原作での達也の5秒間の思考内容を言葉として出させることで、2話のヒキとしたのかもしれない。
時系列が変更された内容
①克人の七草邸訪問
原作ではカフェテリアで克人と真由美が話し合ったその日の晩、すなわち18日(水)のできごととなっているが、アニメではその翌日、19日(木)に変更されている。
「昼にアポをとって夜に訪ねる」のはちょっと急だし失礼なので、一日置いたのではないだろうか?
あるいは他の理由もあるのか???
②神田の第一高校訪問予定日
神田は、原作では4月25日(水)に第一高校を訪れるが、アニメでは24日(火)の予定だと亜夜子が報告している。変更の理由についてはひとつ予想できるものがあるが、ここには書かないでおく。
③オフショアタワーテロの発生日時
アニメ第2期〈来訪者編〉で描かれたオフショアタワーテロ事件だが、その日時は2096年4月7日(土)で、第一高校始業日の翌日だった。
達也と深雪が水波と出会ったのは、アニメ〈来訪者編〉では、テロ当日の7日。
しかし、前話〈ダブルセブン編Ⅰ〉では、第一高校始業日である6日の時点で、水波はすでに司波家で仕事をしている。
以上2点から、アニメ〈来訪者編〉で描かれたオフショアタワーテロ事件は、アニメ〈ダブルセブン編〉の世界線では別の日時で起こった可能性が十分にある。
なお、原作では2095年11月6日の時点で既に出会っている旨を添えておく(8巻258・259P)。
まとめ
しれっと時系列をいろいろ変更している点が印象深かった。特に例の日程については制作陣の意図を感じるが、あえて見ないようにしつつ、第3話・第4話を待ちたい。
ただ、オフショアタワーテロについてはどうするんだろうか? ここは正直、まったく分からない。
アレンジ系で最も印象深かったのは、乱れ乱れる真由美の内心。原作とは全く異なる、シリアス感の強い演出になっているのだけれど、どういう意図なのだろうか? 一気に〈師族会議編〉まで行っちゃう?(行っちゃえ!)
あと、2話のヒキとして達也に独りごちさせたのは、特に秀逸だと思った。さすがプロ!
感想② おわり
〈ダブルセブン編Ⅱ〉の脚本は、時系列の変更と、真由美の態度の変更が非常に印象深かった。
主として〈ダブルセブン編〉〈スティープルチェース編〉〈古都内乱編〉を13話に収めることが目的なんだろうなとは思いつつも、その先の〈四葉継承編〉〈師族会議編〉の展開まで見据えた、かなり先まで見越しての変更とアレンジなのかな?という感想を抱いた。
〈ダブルセブン編Ⅰ〉で見て取れた「深雪にとっての呪い」というテーマや、今後もきっとアヴァンで描かれていくだろう11月6日の情景などと、ここからどのように融合させていくのか。
最終話〈古都内乱編Ⅴ〉のアヴァンが、どのように着地するのか。
そういう部分に思いを馳せた第2話でした。
次回は〈EP1編〉を書きます! 急げ俺!!!
それでは!^^