一条家【いちじょうけ】は、二十八家のひとつで、十師族の一角[Ⓝ劣-3-8・31・205]。
北陸・山陰地方を監視・守護している(京都も一部担当)[Ⓝ劣-17-6・242・243・274]。
その得意魔法の名を以て「爆裂」の異名をとる[Ⓝ劣-3-379]。
現当主は一条剛毅[Ⓝ劣-4-162]。
次期当主は一条将輝[Ⓝ劣-3-12・265]。
ただし次期当主の地位はやや流動的で、長女・一条茜(の婿)が就く可能性もある[Ⓝ劣-17-36・250,19-299,30-227]。
2097年2月5日の十師族選定会議で再び選出され[Ⓝ劣-17-273]、引き続き十師族の役目を担っている。
所在地 | 旧石川県 金沢市 |
担当地域 | 北陸・山陰地方および京都の一部 |
事業・収入源 | 海底資源採掘会社の経営 |
家族構成 | 一条剛毅(夫/当主) 一条美登里(妻) 一条将輝(長男/次期当主) 一条茜(長女) 一条瑠璃(次女) 一条レイラ(剛毅の弟の養女) |
概要
一条家は、「対人戦闘を想定した生体に直接干渉する魔法の開発・研究」を行っていた魔法技能師開発第一研究所から生まれた家系[Ⓝ劣-17-6,27-145]。
得意とする戦闘スタイルは、中長距離からの先制飽和砲撃である[Ⓝ劣-4-271]。
収入源
日本海の海底資源採掘会社を営んでいる[Ⓝ劣-5-176,17-6・29・237]。
その他、事業についてはそこまで手を広げていない[Ⓝ劣-5-176]。
魔法技能
一条家の魔法師は、生体中の体液に干渉する魔法を得意としている[Ⓝ劣-17-283,19-257,Ⓝキ-2-167]。
『爆裂』が有名だが、血流の操作なども体液干渉に含まれる[Ⓝ劣-4-163,7-245,19-257]。『爆裂』を操る一条家の魔法師にとって、水は爆薬と同義であり[Ⓝ劣-4-298]、水の多い場所での戦闘は一般に有利となる。
戦力
一条家は、そのリーダーシップにより、北陸および東北地方西半分の魔法師を掌握している[Ⓝ劣-21-87]。
動員できる男性魔法師は100名を越える程度いる[Ⓝ劣-21-71]が、海上戦闘が可能なだけの技量を持つ魔法師はそれ程多くない[Ⓝ劣-21-74]。
一条剛毅と一条将輝は、一条家に従うこれらの魔法師について「家族に準じる存在であり、一条家が守らなければならない仲間である」と考えている[Ⓝ劣-21-74]。拠点・資産
本拠地
旧石川県 金沢市を本拠地とする[Ⓝ劣-5-168,17-6・237]。家は第三高校から徒歩30分の位置にある[Ⓝ劣-5-174]。
平均的な一戸建て住宅のおよそ10倍の規模を持つ大邸宅[Ⓝ劣-5-177]だが、七草邸と比較すると、建坪では勝っていそうだが、延床面積だと負けている[Ⓝ劣-19-300]。
住み込みの召使いやメイドの類の使用人はいない。これは機械にできることは機械にやらせるという方針のためで、全面的にホーム・オートメーションを取り入れている[Ⓝ劣-5-177]。
親戚が集まる時や魔法師関係の客を招く時は、懇意にしている地元の旅館や割烹から人を出してもらうことで対応している[Ⓝ劣-5-177]。
庭の手入れも、定期的に造園業者を呼ぶことで済ませている[Ⓝ劣-5-177]。
家族用の区画が洋風、客を迎えるための区画が武家屋敷風の和風建築になっており、玄関から座敷には長い回り廊下を伝って行く構造になっている[Ⓝ劣-17-29,30-217]。
将輝の部屋は6畳間の洋室。ベッドやクローゼットは壁面収納。室内に備え付けの小型冷蔵庫がある[Ⓝ劣-5-177]。 レイラの部屋は、和風建築部分の一室をフローリングに改造したもの[Ⓝ劣-30-217]。部屋は無駄に余っている[Ⓝ劣-5-195]。
東京の別宅
「十師族なら東京に家くらい持っていなくては」という理由で剛毅が建てたもの。持っているだけでほとんど使われていない[Ⓝ劣-19-250]。
将輝は「無駄」と思っていたが、箱根テロ事件の際には自ら使うこととなった[Ⓝ劣-19-250]。普段は管理人が管理している[Ⓝ劣-19-303]。
その他資産
海底資源探査船の名目で、少なくとも3隻の重装甲船を保有している[Ⓝ劣-21-71]。
国防
一条家は、北陸から東北に掛けての日本海沿岸防衛におけるプレゼンスが非常に高く、日本の国防体制の一翼を担っている。九州・沖縄と北海道に戦力を集中せざるを得ない国防軍を補完し、国防に貢献している[Ⓝ劣-21-87]。
(それゆえ)金沢基地(を始めとする国防軍)と一条家の双方にとって、お互いの協力関係は重要である[Ⓝ劣-30-219,管推]。
一条家は、外国勢力の侵攻などがあった際には、義勇兵団を編成して対処にあたっている[Ⓝ劣-5-197]。
2092年の佐渡侵攻事件の際には、剛毅が中心となって義勇兵を組織し、新ソ連侵攻軍撃退の立役者となった[Ⓝ劣-5-197,13-236,21-87]。
この事件以降、剛毅が地元を離れることは非常に少なくなった[Ⓝ劣-19-250]。
2097年2月5日の箱根テロ事件では、北陸・山陰地方における警戒の強化・テロ再発防止に当たった。
その一方で、テロリストの捜索・追跡に将輝を派遣。その他にも少なくない人数の配下を追跡に割り当てた[Ⓝ劣-17-60・63・93・183,19-269]。
2097年4月6日にも剛毅が義勇軍を組織し、佐渡近海に現れた不審船の対応に当たった[Ⓝ劣-21-69・70]。
その際、『トゥマーン・ボンバ』による攻撃を受けた。剛毅が『全方位同時多重障壁魔法』を展開し、全員を守りきったものの、魔法の過剰行使で倒れた(第1次佐渡沖戦闘)[Ⓝ劣-21-81・82・85・86]。
佐渡侵攻事件以来、陸・海・空の戦力は重点的に手厚く配備されているが、目立った魔法戦力は一条家くらいで、国防軍の魔法師部隊も舞鶴基地と新潟基地に各一個大隊が配属されているが、魔法師部隊は全員が魔法師というわけではなく、戦闘魔法師のレベルも十師族に比べれば劣っている[Ⓝキ-1-114]。
家系・家族関係
家系図
旧第一研から生まれた「一」の数字付きの家系図を以下に示す。根拠は以下の通り。
「ご子息が防衛大在学中の一色家」(十山つかさ,2097年4月)
電撃文庫『魔法科高校の劣等生』21巻219P
- 将輝の母方の祖父(美登里の父)が一色家の先代当主の弟。
- 一色家の先代当主の妻の弟が黄里恵の父方の祖父。
- 将輝の母方の祖母(美登里の母)と黄里恵の父方の祖父は従姉弟同士。
- 将輝の母方の祖母の旧姓は「鶴画」で、美登里の旧姓は「若狭」。
- 若狭家は鶴画家の分家。
- 将輝の母方の祖母が若狭家の養子に入り、将輝の母方の祖父がそこに婿入りした。
電撃文庫『続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー』3巻177P
「一色家先代の奥さんが鶴画家の人だった」(一条茜,2100年7月)
電撃文庫『続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー』3巻196P
「一条家当主の兄弟には息子さんしかいない」(十文字竜樹,2100年4月)
電撃文庫『新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち』1巻364P
「父が今の(一色家の)御当主様の弟です」(緋色浩美,2099年5月)
電撃文庫『新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち』2巻131P
「(『緋色』は母方の苗字ではなく)父が緋色家の養子になったのは成人後」(緋色浩美,2099年5月)
電撃文庫『新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち』2巻132P
一色愛梨は本シリーズにも続編の方のシリーズにも出てきません。『魔法科高校の優等生』のオリジナルキャラクターは、『優等生』だけのキャラクターです。(原作者)
電撃文庫『新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち』2巻258P
家系
一条剛毅
一条家の現当主[Ⓝ劣-5-176]。2054年度生まれ[Ⓝ劣-17-6・237]。海底資源採掘会社の社長[Ⓝ劣-5-176,17-29・237]。男臭い見て呉れをしている[Ⓝ劣-17-30]。
普段は会社の現場を飛び回っているか、一条家配下の魔法師の訓練を監督している[Ⓝ劣-17-29]。
一条美登里
剛毅の妻[Ⓝ劣-5-192]。専業主婦[Ⓝ劣-5-176]。温和な性格で料理上手[Ⓝ劣-6-12]。一色家の傍系の出身[Ⓝ劣-27-145・151]。
吉祥寺には「小母さん」ではなく「美登里さん」と呼ぶように刷り込んでいる[Ⓝ劣-5-195]。
一条将輝
一条家の長男で次期当主[Ⓝ劣-3-12・31]。2079年度生まれ[Ⓝ劣-3-12・31]。第三高校の2095年度入学生[Ⓝ劣-3-12]で、国立魔法大学の2099年度入学生[Ⓝメ-32-279]。
若武者風の美男子で、顔立ちは凛々しく、貴公子的な風貌をしている[Ⓝ劣-3-266,17-29]。十師族としての責任感が強い[Ⓝ-7-191・192]。秘密の日記をつけている[Ⓝ劣-19-2・249]。
日本の国家公認戦略級魔法師(十三使徒)で、戦略級魔法は『海爆〈オーシャン・ブラスト〉』[Ⓝ劣–]。
達也と深雪の婚約への割り込み騒動[Ⓝ劣-17-36]や、国防軍に仕官するかどうか[Ⓝ劣-30-227]などの関係もあり、次期当主という立場はやや流動的。
2099年時点では将輝が次期当主に戻っている[Ⓝキ-1-112]。
一条茜
一条家の長女[Ⓝ劣-5-175]。2083年度生まれ[Ⓝ劣-5-175]。第三高校の2099年度入学生[Ⓝキ-1-364]。
小学4年生のときに、当時中学2年生の吉祥寺に向かって「嫁入り」を宣言し、それ以来ずっとアプローチを続けている[Ⓝ劣-5-175]。
一条瑠璃
一条家の次女[Ⓝ劣-5-192]。2086年度生まれ[Ⓝ劣-5-175]。マイペースなしっかりもの[Ⓝ劣-6-12]。
一条レイラ
大亜連合から亡命してきた戦略級魔法師。本名は劉麗蕾[Ⓝ劣-27-141・151,Ⓝキ-1-364]。
2097年7月20日から一条家で暮らし始め[Ⓝ劣-30-216・217]、茜と同じ中学校に通い始めた[Ⓝ劣-32-279]。
後に一条の分家の養女となり(一条レイラ)、茜と共に第三高校に進学した[Ⓝメ-3-222,Ⓝキ-1-364]。
将輝に思いを寄せている[Ⓝ劣-30-226∼231,32-280]。
剛毅の兄弟[Ⓝキ-1-364]
剛毅の兄弟の子供
男子のみ[Ⓝキ-1-364]。
家庭
将輝・茜・瑠璃の兄妹関係はいたって普通で、少々生意気な妹たちに少々苦労している兄の図である[Ⓝ劣-5-187・192・193・296,管推]。将輝は「兄妹仲は良くない」と思っているが、吉祥寺は「とても仲が良い」と思っている[Ⓝ劣-19-296]。
炊事・洗濯・掃除などはHAR任せにせず、茜と瑠璃が日替わりで行っている。
これは美登里の方針である[Ⓝ劣-5-199]。
一条家は、息子も娘も母親似、という評判がある[Ⓝ劣-17-30]。
「一」の家系
鶴画家 一条家と鶴画家は、家族ぐるみの付き合いをしている[Ⓝメ-3-195]。
鶴画黄里恵
将輝の再従兄妹。十師族の役目を理解している少女[Ⓝメ-2-201]。
一色家の親戚ではあるが、一色家の血は引いておらず、将輝とも血は繋がっていない[Ⓝメ-2-201,3-178]。
一色家の遺伝子と鶴画家の遺伝子は、優秀な魔法師を生み出すうえでとても相性がよい。このため一色家と鶴画家は、鶴画家の遺伝子を持つ黄里恵と、一色家の遺伝子を持つ将輝を結婚させたいと考えている[Ⓝメ-3-197]。
できごと
その他
- 第一研の跡地に建てられた金沢魔法理学研究所に対して、何かしらの影響力を有していると思しき描写がある[Ⓝ劣-5-198]。
- 対大亜連合強硬派の酒井大佐は剛毅の昔の知り合いで、佐渡侵攻事件当時に現地の最高指揮官を務めていた[Ⓝ劣-13-236]。
しかし状況が落ち着くと、新ソ連への逆侵攻をしようとした酒井と激しい口論となり、それ以来交流は無い[Ⓝ劣-13-237]。 - 十文字竜樹が入居した木造二階建ての学生向けアパートは、一条家が懇意にしている不動産屋が紹介した[Ⓝキ-1-117]。
- 達也と深雪の婚約発表を受け、一条家は2097年1月3日、これを白紙に戻すよう異議を申し立てた[Ⓝ劣-16-285,17-37・43]。
その大義名分は「血が近すぎる婚姻は国家の貴重な資源たる魔法師の遺伝子を損なう恐れがある」というものだった[Ⓝ劣-17-38・53・101・152]。
ただし剛毅としては、どちらかと言えば深雪に対する将輝の想いを叶える為で[Ⓝ劣-17-36・45]、実際に将輝と深雪の婚約を申し込んだ[Ⓝ劣-17-38・44]。この行動は、日本魔法界の一部からスキャンダル扱いされている[Ⓝ劣-17-171]。また吉祥寺はこの件について「下手をすれば戦争になっていてもおかしくなかった」と考えている[Ⓝメ-3-199]。
これに対して四葉家はしばらく静観していた[Ⓝ劣-17-102]が、2097年2月4日の師族会議において議題に上がり[Ⓝ劣-17-250]、最終的に「達也と深雪の婚約は解消しないが、将輝が深雪にアプローチするのは構わない」という結論に落ち着いた[Ⓝ劣-17-254・256]。
しかしその後、箱根テロ事件や第1次佐渡沖戦闘での剛毅の負傷、達也とUSNAの対立など、色々あって有耶無耶になったが、深雪は「(一条家は)まだ話は終わっていないと考えているだろう」と述べている[Ⓝ劣-31-92]。