大深度雲散霧消〈ディープ・ミスト・ディスパージョン〉

©2016 佐島 勤/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/劇場版魔法科高校製作委員会

大深度雲散霧消〈ディープ・ミスト・ディスパージョン〉は、司波達也が操る分解魔法のひとつ[星呼パンフ-24・31]

『雲散霧消』ミスト・ディスパージョンのバリエーション(パワーアップ版)で、物質を電子陽子中性子に分解する[星呼パンフ-24・31]
※『雲散霧消』は分子レベルに分解する魔法[星呼パンフ-31]

達也が『バリオン・ランス』開発する過程で試作品として生み出された(=『バリオン・ランス』の元となった)未完成の分解魔法だが、極めて特殊なケースでしか使い道が無い。実験的な価値はあるものの、実戦的な価値も実践的な価値も無いので、達也は失敗作と判定した[Ⓝ㊕星呼-87・192・193,星呼パンフ-13・37]

原理

原子核の分解(核子同士の結合の切断)を引き起こすもので、『ベータ・トライデント』の第2段階を独立の魔法にしたものである[Ⓝ㊕星呼-192]

核子同士の結合が切断されると、原子核は陽子中性子に分解する。しかし、この魔法に「核子同士を強制的に引き離すプロセス」は含まれていないので、核子はすぐに再結合する。ただしそのわずかな時間で強い相互作用の到達距離から外れた核子は再結合の対象にならないので、結果として質量数が小さな原子核に再構成される(=元素変換)[Ⓝ㊕星呼-193,管補]

なおこの魔法は、(『質量爆散』マテリアル・バーストのように)質量の変化を引き起こすものでもなければ、核子の再結合によって核融合のエネルギーが放出されるものでもない。ただ一時的に核子が分離して再結合するだけのものである[Ⓝ㊕星呼-193,管補]

『ヘビィ・メタル・バースト』特効

この魔法は、アンジー・シリウス『ヘビィ・メタル・バースト』無効化するという目的にだけは、決定的な効果を持つ[Ⓝ㊕星呼-192]

『ヘビィ・メタル・バースト』の魔法の対象は、電子、および重金属原子核だが、『大深度雲散霧消』で(プラズマ化した)重金属原子核を陽子中性子に分割しプラズマではない状態に変化させ、またより軽い原子核に作り変えてしまえば、『ヘビィ・メタル・バースト』は対象不存在によって定義破綻し失敗する(定義破綻による魔法の無効化[Ⓝ㊕星呼-192・193,星呼パンフ-31・36,㊮SB-星呼-14]

“Definition Collapse Occurred(定義破綻が発生しました)”.
『星を呼ぶ少女』Cパートより.©2016 佐島 勤/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/劇場版魔法科高校製作委員会

その他

  • 通常の『雲散霧消』ミスト・ディスパージョンよりも処理は重いが、使うだけならば達也は普通に発動できる[Ⓝ㊕星呼-192]
  • 南盾島事変の際に、「コバート・ムーバル・スーツ」などの装備の貸出料として、「機会があれば実践でデータをとってほしい」と真田繫留に頼まれて、達也は起動式が格納されたストレージを受け取った[Ⓝ㊕星呼-87・88]
  • 結果的に元素変換は起こるものの、特定の元素を狙って生み出すことはできないので、元素変換魔法としての価値はない[Ⓝ㊕星呼-193]
  • 達也がこの魔法を使用したとき、南盾島基地を訪れていた十文字克人はこれを感知(空間の変動に対する鋭敏な認識力)。「横浜事変の際に大型トラックを消し去った達也の魔法と同じく、驚くほどに影が薄い・・・・精緻な魔法」であると感じ、「達也もここに来ている」ことを悟っている[Ⓝ㊕星呼-198・199,管補]

 

 

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