身体強化〈フィジカルブースト〉は、榛有希が持つ異能[Ⓝ暗-1-29]。
体組織構造はそのままに、肉体の機能(運動能力と知覚能力)を引き上げる超能力[Ⓝ暗-1-29,2-305]。
筋力や五感、知覚速度、反応速度を同時かつ瞬時に強化する能力[Ⓝ暗-1-102・192]。
筋力の増幅・反応速度の上昇・肉体の耐久度と柔軟性の向上・五感の鋭敏化を一度に実現する魔法はまだ無く、「魔法としての技術化が困難な異能(BS魔法)」に含まれる[Ⓝ暗-1-231]。
概要
『身体強化』は、銃弾を跳ね返したり高層ビルの屋上から飛び降りても死なないといった類の、身体の強度を上げる能力ではない[Ⓝ暗-1-29,2-218・304]が、強化されたパワーに負けないよう、皮膚と骨格の強度が増す[Ⓝ暗-1-207,2-218・304]。
四葉真夜いわく「ありふれている」能力であり、高レベルの魔法師にとっては、まともに戦えば恐れるに足りない。とは言え、無警戒の状態で懐に入られれば四葉家の魔法師でも危うい[Ⓝ暗-1-102]。榛有希の『身体強化』
- 榛有希は2094年時点では、「銃弾よりも速く動く」「鉄骨をへし曲げる」などのレベルには達していない。
それでもレベルは十分に高く、熊やゴリラを力比べでねじ伏せ、虎やライオンを銃火器・弓矢・その他飛び道具無しで仕留めるくらいのパワーと、50mの距離を2秒で走り、『跳躍』と『自己加速』を併用して追跡してくる黒羽文弥から十分に逃走できるほどのスピードがある[Ⓝ暗-1-29・152・245]。 - 2096年時点では、パワーとスピードは数倍から十数倍に増幅される[Ⓝ暗-3-186]。
そのスピードは残像による「分身」を生み出すほどとなっている[Ⓝ暗-3-219・285,Ⓝメ-2-244]。 - 五感も飛躍的に強化される。たとえば聴覚では、雑音の途切れ方や空気の流れを聞き取って敵の存在を捉えることもできる。嗅覚も、無味無臭と言われている薬物さえ捉えられるくらいに強化される[Ⓝ暗-1-192・195,2-190,3-83]。
- 有希は耐毒訓練を積んでおり、(その結果として)能力が内臓機能にも拡張されており、毒に対する完全耐性を助けている[Ⓝ暗-1-115,管補]。
- 有希はこの異能を応用し、身体の一部の感覚をカットすることもできる[Ⓝ暗-1-207]。
- 有希の『身体強化』は、魔法ではなく異能である。終了条件も魔法とは違い、術者が終了を意識しない限り事象改変が更新され続ける[Ⓝ暗-3-101]。
発動の流れ
榛有希がこの異能を行使する際には、「自分の『内側』に意識を向け、『心象世界の水底に沈む異能の扉』のノブを『意思の力』で回して開くと、扉の向こう側から湧き出した水(情報)が心象世界を満たす」旨の描写がなされている[Ⓝ暗-1-27・162・274,3-96]。これについて詳細は不明だが、文脈から見て「扉の向こう側」は無意識領域、「湧き出した水」は『身体強化』の魔法式であると考えられる。また「心象世界」は意識領域、「扉」は意識領域と無意識領域の狭間に存在する「ゲート」ではないかと思われる[Ⓝ暗-1-27・29,管推]。
また、この扉を開くにはそれなりの抵抗がかかるらしい[Ⓝ暗-1-27]。
その他
- 身体の動かし方が自動的に補正されるようなことはない[Ⓝ暗-3-33]。