トゥマーン・ボンバは、新ソ連の国家公認戦略級魔法師(「使徒」)であり、新ソビエト科学アカデミーの科学者でもあるイーゴリ・アンドレイビッチ・ベゾブラゾフが操る戦略級魔法[Ⓝ劣-8-8・212,21-2,23-140,㊮GB-劣3-2-24]。
超遠隔照準補助システムを搭載した「アルガン」を用いて発動される魔法で、「偵察衛星のデータを元に地球上の全域をターゲットに収めている」とされているが、使用時にベゾブラゾフは一車両をまるごと占める大型CADをつないだ専用列車により新ソ連国内を移動し、ターゲットに接近してから魔法を発動しているとも言われている[Ⓝ劣-22-62,23-120,24-266∼268・271・273,25-56,Ⓒ孤-2-10,エ-3-75,管補]。
原理
遠距離魔法により水を水素と酸素に分解することで大量の酸水素ガス(酸素と水素の混合ガス)を生成し、一気に点火して爆発させる。熱エネルギーを与えて水素を燃焼させるのではなく、水素と酸素を直接結合させる[Ⓝ劣-21-95・238・248・250,22-64,24-275,Ⓒ動-1-141,3-93,エ-3-91・92,㊮GB-劣3-2-24]。
威力こそ『ヘビィ・メタル・バースト』に一歩譲るものの、非常に広い範囲に爆発の被害をもたらす魔法で、その破壊半径は十三使徒随一と言われている[Ⓝ劣-8-212・213,23-140]。一つ一つの魔法式は小規模なものであり、威力も大したことは無い。攻撃できる範囲は広いが、特別に高熱・高圧力となる爆心地は無い。しかし司波達也が『チェイン・キャスト』と名付けた技術により魔法式を一瞬で増殖させ、全ての魔法式を同時に作動させて一斉に酸水素ガスを生成・点火することで大規模な爆発を引き起こす[Ⓝ劣-21-248∼250・255,メ-9-192・196,Ⓒ動-3-119∼123・139・140,管補]。術者であるイーゴリ・アンドレイビッチ・ベゾブラゾフの異名「イグナイター(点火する者)」は、このような魔法の仕組みから来ているのではないかと思われる[Ⓝ劣-21-95,Ⓒ動-1-142,管想]。
四葉真夜は「酸水素ガスを燃料にした気体爆弾」と表現しており、達也ものちにこれを肯定している[Ⓝ劣-21-238・255,Ⓒ動-3-93・140]。実際には、ベゾブラゾフは目的に応じて『トゥマーン・ボンバ』の破壊力を使い分けている[Ⓝ劣-27-94]。『トゥマーン・ボンバ』本来の攻撃形態(相手の魔法防御を考慮しない形態)は燃料気化爆弾と異なり、攻撃対象を爆発の直中に巻き込んで発動するものである。酸素1:水素2の混合気体の燃焼炎の温度は3,000℃に満たないが、数ヘクタールから十数平方キロメートルの広大な空間で同時に高熱が生み出される。つまり爆発で生じる高圧の衝撃波で殺傷するのではなく、2,000℃を超える爆発に敵を直接曝露するもので、その最大破壊規模は多弾頭核ミサイルに匹敵する[Ⓝ劣-27-92]。
なお、酸水素ガスの燃焼とは水素と酸素が結合し水を合成することを意味するので、水を水素と酸素に分離させるよう『分解』を作用させれば互いの魔法は相克を起こし、互いに発動に失敗する(相克による魔法の無効化)[Ⓝ劣-21-250,Ⓒ動-3-126・127,管補]。また熱量の増加を禁じる『凍火』であれば、熱を発生させる『トゥマーン・ボンバ』を防ぐことができる[Ⓝ劣-22-64・65,Ⓒ動-4-134]。『密度・圧力操作』では、生成直後の水素と酸素を分離すれば魔法を不発に終わらせられる[Ⓝ劣-22-65,Ⓒ動-4-135]。『極致拡散』でも魔法の発動を妨害できる[Ⓝ劣-22-65,Ⓒ動-4-136]。
『チェイン・キャスト』
『トゥマーン・ボンバ』の発動時、水を水素と酸素に分解し点火するための小規模な魔法式がまず生まれる。ここで言う「小規模」とは、事象改変の対象となる範囲が狭いと同時に、予想される完成後の魔法式に含まれる情報量も少ないという意味であり、それは対人地雷程度の威力しか出せないものである[Ⓝ劣-21-248,Ⓒ動-3-118,管補]。
しかし『トゥマーン・ボンバ』には、魔法の遅延発動、および魔法式の複写の過程が含まれている。この「魔法式の複写」は全く同じ魔法式を複製するものではなく、投射座標と発動時点を変化させながら新しい魔法式を自動的に構築するもので、魔法式が一瞬で増殖するのはこのためである[Ⓝ劣-21-248・249,Ⓒ動-3-119∼123,管補]。司波達也はこの魔法式の自動複製・連鎖的展開過程を『チェイン・キャスト』と仮に名付けた[Ⓝ劣-21-255,メ-9-196,Ⓒ動-3-139]。
『チェイン・キャスト』は『トゥマーン・ボンバ』の基幹技術で、水を水素と酸素に分離し点火する小規模な魔法式を連鎖的に多数構築したのち、遅延発動術式を組み込むことで一斉に発動、大爆発を引き起こす。ただし元になる魔法式を複写展開する副次的魔法式の情報量が余りにも膨大であるため、扱う魔法師にも膨大な魔法力が求められる[Ⓝ劣-27-2]。
「発動の範囲が広がってしまうと自分でもカバーしきれない厄介な魔法」と達也は判断している[Ⓝ劣-21-250]。また展開される複数の魔法式の内容が少しずつ異なるため「情報的に同じもの」として認識・処理することはできず、したがって『術式解散』でまとめて破壊することはできない。最も効果的なのは展開が完了する前に起点となる魔法式を潰すことだが、ベゾブラゾフも対策は考えているはずだから難しい。結局達也は、実際には魔法の発動元(術者)に『トライデント』を行使することで対応した[Ⓝ劣-21-254・255,25-258,Ⓒ動-3-138∼140,Ⓒエ-3-104・105,管補]。
なお魔法式を複写展開したのち一斉に発動させるこの技術は、ベゾブラゾフ自身にとっては『トゥマーン・ボンバ』の一部でしかなく、独立の技術とは捉えていない[Ⓝ劣-31-243]。
詳しくはチェイン・キャストを参照。
「アルガン」
無数の魔法式を複写し、それが同時に発動するような変数の設定は、一人の魔法師の演算能力で賄い切れるものではない。この魔法を実現するCAD・「アルガン」は、超遠隔照準補助システムの他に演算補助の機能を持つ大型コンピュータを組み込んだ複合システムの大型CADである。司波達也は「通常ならば魔法師が入力する変数までもカバーした起動式を作成することで魔法師の負担を軽減しているのではないか」と推測している[Ⓝ劣-22-62・63,24-273,Ⓒ動-4-129∼131,管補]。
詳しくは「アルガン」を参照。
特徴・詳細
- 「酸水素ガスを燃焼させる魔法であるならば、威力の調節は難しくないだろう」と司波達也は推測している[Ⓝ劣-21-238,Ⓒ動-3-94]。
- 発動には攻撃範囲と同じ規模の広がりを持つ水が必要となる。海や湖であれば全く問題なく発動できるし、地上であっても雨天時なら発動できる[Ⓝ劣-22-65・66,Ⓒ動-4-137・138]。
- この魔法に対処する方法として、司波深雪の『凍火』や新発田勝成の『密度・圧力操作』、黒羽亜夜子の『極致拡散』などによる発動阻止が四葉家内で議論されているが、達也は「『チェイン・キャスト』は極めて高速であり、後出しの魔法でタイミングを合わせて発動を阻止するのは相当困難」と述べている[Ⓝ劣-22-64∼66,Ⓒ動-4-133∼137・138]。なお『トゥマーン・ボンバ』に対抗する為の正解は、『凍火』ではなく『減速領域』である[Ⓝ劣-24-288,Ⓒエ-3-102]。
- イーゴリ・アンドレイビッチ・ベゾブラゾフは、「アンドレエヴナ」らに精神の強制リンクを使用して魔法を発動する場合もある[Ⓝ劣-24-265・266・273・274]。
- 一日中弱い雨が降り続く風の無い天気は、『トゥマーン・ボンバ』の発動に最適に近い状態である[Ⓝ劣-24-272,25-252・259,Ⓒエ-3-80]。
- 移動中の相手を狙うのには向いていない[Ⓝ劣-25-255]。
使用者
イーゴリ・アンドレイビッチ・ベゾブラゾフ
イーゴリ・アンドレイビッチ・ベゾブラゾフは試験管ベビーで、遺伝子操作を行うことなく無数の受精卵を作り出し、その中から選ばれた最高の成功例(戦略級魔法師)である[Ⓝ劣-24-265,Ⓒエ-3-81]。「アンドレエヴナ」
「アンドレエヴナ」は、ベゾブラゾフの元となった受精卵を生化学的にコピーして生み出されたクローン体シリーズ。ただし健康体ではなく無菌室でなければ生きることができない。『トゥマーン・ボンバ』をマスターはしたものの、その魔法力はベゾブラゾフに大きく劣るもので、「指揮者」ベゾブラゾフの『トゥマーン・ボンバ』発動を補助する外部端末(破壊と殺戮の曲を奏でる奏者)として使われている。『トゥマーン・ボンバ』を発動するだけならベゾブラゾフ一人で事足りるのだが、ベゾブラゾフは「奏者」らをあくまでも補助として、そして(魔法的な)安全装置(ファイアーウォール)として使用している[Ⓝ劣-24-265・266・271・273・289∼291,25-256,Ⓒエ-3-81∼83,管補]。
詳しくは「アンドレエヴナ」を参照。
発動履歴
1回目
日時
2089年[Ⓝ劣-23-140,Ⓝ㊕プラズマ-6・7,推測ブログ記事,管推]
状況
アークティック・ヒドゥン・ウォーにて行使された[Ⓝ劣-23-140,25-250・254]。魔法の対象
不明
使用CAD
不明
内容
- モンロー効果を利用して集束衝撃波を生成した[Ⓝ劣-24-280]
被害
- スターズの総隊長であったウィリアム=シリウスが殉職[Ⓝ劣-23-140,24-280,25-250,Ⓒ孤-2-58,㊮GB-劣3-2-24]
2回目
日時
2097年4月6日(土)[Ⓝ劣-21-69]
状況
佐渡島の北方沖合50カイリの公海上にて、不審船を拿捕するために一条家が行動を起こしたところを狙い撃った(第1次佐渡沖戦闘)[Ⓝ劣-21-71・76・95]。魔法の対象
一条剛毅が乗船している装甲船周辺の海水中の水分子[Ⓝ劣-21-71・95,Ⓒ動-1-106∼109,管推]使用CAD
不明
内容
- 一条家の装甲船周辺の海面上に魔法発動の兆候が発生。一瞬で増殖した無数の魔法式が海面に投射され、一斉に発動した[Ⓝ劣-21-81,Ⓒ動-1-106・107]。
- 海が爆発し、まるで隙間無く敷き詰めた地雷が同時に起爆したような爆風が発生。不審船近くの海面上に立っていた一条将輝らは突風に煽られ、波の上を転がって海中に沈んだ。また直後の海面上は水飛沫と水煙と塩の雨で白濁していた[Ⓝ劣-21-81・82,Ⓒ動-1-108∼110]。
- この時使われた魔法について、四葉真夜は「規模を抑えた『トゥマーン・ボンバ』」と考えている[Ⓝ劣-21-237,Ⓒ動-3-92]。
被害
- 一条剛毅が咄嗟に全方位同時多重障壁魔法を展開したこともあり、装甲船は無傷ではないが無事だった[Ⓝ劣-21-82,Ⓒ動-1-111]。
- 幾重にも展開された剛毅の障壁魔法は最後の一層を残して全て破られ、剛毅は魔法演算領域のオーバーヒートにより倒れた[Ⓝ劣-21-82・85・94,Ⓒ動-1-112・116・117・140]。
補足
- このとき成層圏プラットフォームのセンサーは、大量の酸水素ガスの爆発を検知している[Ⓝ劣-21-95,Ⓒ動-1-141]。
- この事件は、宗谷海峡事変のための陽動であった[Ⓝ劣-21-67・133]。
3回目
日時
2097年4月13日(土)[Ⓝ劣-21-243]
状況
宗谷海峡にて、新ソ連の侵攻艦艇(小型舟艇)と国防軍の艦艇が睨み合っている中で、国防軍艦艇の進路上の目と鼻の先と言って良い位置に発動。術者であるイーゴリ・アンドレイビッチ・ベゾブラゾフは、この魔法をウラジオストクにある新ソビエト科学アカデミーの極東本部から放った(宗谷海峡事変)[Ⓝ劣-21-238・245・246・248・251,Ⓒ動-3-118・132・133]魔法の対象
不明
使用CAD
「アルガン」[Ⓝ劣-21-3∼5・251,25-56]被害
補足
- この戦いで達也は『トゥマーン・ボンバ』に関する具体的な情報を入手することに成功した[Ⓝ劣-21-239・249∼251,Ⓒ動-3-95・96]。
- イーゴリ・アンドレイビッチ・ベゾブラゾフも、達也の魔法が『分解』であることを察した[Ⓝ劣-21-251]。
4回目
日時
2097年6月9日(金)5時[Ⓝ劣-24-267・272・273,Ⓒエ-3-80]
状況
魔法が放たれたのは、ウラジオストク近郊の線路上であった[Ⓝ劣-25-55,Ⓒエ-3-74・77・146]。
狙われたのは伊豆半島中央やや東寄りの高原地帯にある四葉家の別荘に泊まっている司波達也[Ⓝ劣-24-272・273,25-28]。
現地の天候は小雨で風もなく、『トゥマーン・ボンバ』の発動には最適に近い状態であった[Ⓝ劣-24-272,Ⓒエ-3-80]。
魔法の対象
別荘の上空で降っている小雨[Ⓝ劣-24-275,Ⓒエ-3-93]
使用CAD
ベゾブラゾフの新シベリア鉄道専用列車に搭載された「アルガン」[Ⓝ劣-24-267・271・273,25-55・56,Ⓒエ-3-146]
内容
- 小雨の雨粒を細かな霧に分割し、霧を水蒸気に気化し、水蒸気を水素と酸素に分解し、水素と酸素を結合(点火)する、という工程で発動されそうになった[Ⓝ劣-24-275,Ⓒエ-3-91・93]。
被害
- なし(達也が『雲散霧消』で相克を起こし無効化した)[Ⓝ劣-24-275・276,Ⓒエ-3-94・95]
5回目
日時
2097年6月9日(金)5時[Ⓝ劣-24-267・272・273]
状況
司波達也が1発目の『トゥマーン・ボンバ』を無効化したものの『チェイン・キャスト』は終了しておらず、新たに空から落ちてきた雨粒から酸水素ガスが生成された[Ⓝ劣-24-276,Ⓒエ-3-95]。
魔法の対象
別荘の上空で降っている小雨[Ⓝ劣-24-275・276]
使用CAD
ベゾブラゾフの新シベリア鉄道専用列車に搭載された「アルガン」[Ⓝ劣-24-267・271・273]
内容
- 小雨の雨粒を細かな霧に分割し、霧を水蒸気に気化し、水蒸気を水素と酸素に分解し、水素と酸素を結合(点火)する、という工程で発動されそうになった[Ⓝ劣-24-275・276,Ⓒエ-3-93]。
被害
- なし(司波深雪の『凍火』により相克が起こり無効化)[Ⓝ劣-24-276・277,Ⓒエ-3-96・97]
6回目
日時
2097年6月9日(金)5時[Ⓝ劣-24-267・272・273]
状況
司波達也が『雲散霧消』で、また司波深雪が『凍火』で立て続けに無効化した直後に実行された[Ⓝ劣-24-277]。
魔法の対象
伊豆半島にある四葉家の別荘の上空200mの雨雲[Ⓝ劣-24-278,Ⓒエ-3-97]
使用CAD
ベゾブラゾフの新シベリア鉄道専用列車に搭載された「アルガン」[Ⓝ劣-24-267・271・273]
内容
- 雨粒を砕いて作り出された濃密な霧が、別荘の上空200mで逆漏斗状の塊を形成。酸水素ガスの燃焼は同時ではなく、外側から内側に連続的に発生した。この逆漏斗形状がモンロー効果に基づき生み出す集束衝撃波の焦点は達也と深雪が滞在している別荘であり、衝撃波は別荘に集中した[Ⓝ劣-24-278・280,25-42,Ⓒエ-3-97∼99,管補]。
被害
- 民間の別荘27戸が全半壊。死者は出なかったが、11人の重軽傷者(全員が別荘の管理業務従事者)が出た[Ⓝ劣-25-28]。
- 伊豆半島にある四葉家の別荘は無事だったが、その監視小屋の地上部分は全壊した[Ⓝ劣-24-279,25-41・44,Ⓒエ-3-100・135]。
- 障壁魔法を行使した桜井水波が魔法演算領域のオーバーヒートで倒れた[Ⓝ劣-24-282∼284・286・292・293,25-37・44,Ⓒエ-3-114∼123]。
補足
- 国土を不当な攻撃にさらされた日本政府は同日14時、攻撃相手を特定しないまま、国際社会に向けて厳重な抗議の意思を表明。同時に、魔法による攻撃に対抗する為には魔法戦力を充実する以外にはないとも強調した(間接的な反魔法主義運動批判)[Ⓝ劣-25-28・65・72,Ⓒエ-3-168]。
- USNAは本件に関して、基本的に不干渉のスタンスを取った[Ⓝ劣-25-68,Ⓒエ-3-166]。
- この攻撃のターゲットについて日本政府は伏せ、被害者となった桜井水波については厳重な箝口令を敷いた[Ⓝ劣-25-72]。
- この攻撃の直後、達也の反撃によりベゾブラゾフは「奏者」2体を失い、また「アルガン」も修理を要する程度のダメージを負った[Ⓝ劣-24-290∼292,25-250,Ⓒエ-3-104・105]。
7回目
日時
2097年6月20日(木)正午前[Ⓝ劣-25-251・253]
魔法の対象
第一高校直上で降っている雨粒[Ⓝ劣-25-251・255・256,管推]使用CAD
ベゾブラゾフの新シベリア鉄道専用列車に搭載された「アルガン」[Ⓝ劣-25-254]
内容
- 残り5体の「奏者」を全て用意して発動。その内訳は外付け演算装置として2体、ファイアウォールとして1体、予備として2体であった[Ⓝ劣-25-254]
- 魔法式を投射し、それを広範囲に複写固定する一瞬の間に司波達也が『トライデント』で迎撃。外付け演算装置の「奏者」2体を喪失した[Ⓝ劣-25-257・258]。
- さらに達也は『トゥマーン・ボンバ』の経路を辿り、ベゾブラゾフが魔法を再発動しようとしているタイミングで「アルガン」を破壊。CADから強制切断された「奏者」は全てショック死し、ベゾブラゾフもダメージを受けた[Ⓝ劣-25-260∼263,26-225・226・231,31-48・49]。
被害
なし[Ⓝ劣-25-257]
補足
- 酸水素ガスを生成し爆発させる魔法が発動しかけていたということ、その魔法が新ソビエト連邦の沿海州から放たれたものであるということを、第一高校の観測機器群のデータは示していた。このデータは日本政府に渡り、結果として外務大臣による新ソ連への非難、および産業大臣による「『ディオーネ―計画』に深刻な疑念が生じた」というコメントを引き出した[Ⓝ劣-25-264]。
8回目
日時
2097年7月4日(木)7時55分(日本時間)[Ⓝ劣-27-88・90・92]
状況
大ソ戦争にて、ウスリースク郊外からムラヴィヨフ=アムールスキー半島へ後退中の新ソ連・沿海地方軍を追いかけている大亜連合軍に対して、地上部隊を殲滅するために使用[Ⓝ劣-27-88・90∼92・95]魔法の対象
不明
使用CAD
不明
内容
- 大亜連合軍の前に突如として濃密な霧が立ちこめ、わずかな時間で6,000人の兵員を乗せた戦闘車両の列を覆い尽くした[Ⓝ劣-27-91]。
- 深い霧の中を一瞬で増殖した魔法式が満たし、超広域の酸水素ガス爆発が生じた[Ⓝ劣-27-92]。
- 魔法式の規模は水平方向に3km2前後、高さは20m前後だった[Ⓝ劣-27-95]。
被害
- 大亜連合軍侵攻部隊の7割以上が無力化された。これは大亜連合の陸上兵力全体から見ても決して低い割合ではなく、特に主力戦車の損耗は大亜連合が保有する車輛の5割に達していたと推定されている[Ⓝ劣-27-92,メ-7-60]。
- 司波達也は「大亜連合軍の百数十~二百両の戦車、それに追随する戦闘・輸送車両は破壊され、5,000~10,000人の兵員が死亡しただろう」と推測している[Ⓝ劣-27-95]。
9回目
日時
2097年7月8日(月)[Ⓝ劣-27-209]
状況
第2次佐渡沖戦闘にて、国防海軍・新潟基地の艦艇に対して使用[Ⓝ劣-27-229・230]魔法の対象
海水中の水分子[Ⓝ劣-27-230,管推]使用CAD
不明
内容
- 佐渡島にいた一条将輝らは第1次佐渡沖戦闘の時と同じ魔法の波動を感じとり、実際に爆音が轟き水平線から水煙が立ち上るのを目撃した[Ⓝ劣-27-230]。
被害
- 国防海軍・新潟基地から出動した小型艦8隻[Ⓝ劣-27-230]
10回目
日時
2097年8月4日(日)9時40分ごろ[Ⓝ劣-31-176・274,管推]
状況
巳焼島事変にて、新ソ連・ビロビジャン基地から極超音速ミサイルが巳焼島に向けて発射され、また巳焼島南方40kmの海中に潜む「クトゥーゾフ」から艦対地ミサイル6発が巳焼島に向けて発射される中で発動[Ⓝ劣-31-245]魔法の対象
不明
使用CAD
ハバロフスクの『トゥマーン・ボンバ』用大型CAD[Ⓝ劣-31-247]内容
- 司波達也がミサイルを全て『分解』した直後を狙って、ベゾブラゾフは『トゥマーン・ボンバ』を発動しようとした[Ⓝ劣-31-247・248]。
- 『トゥマーン・ボンバ』の発動前に達也は魔法の気配を感じ取り、『チェイン・キャスト』が始まる前にその原本となる最初の魔法式を『術式解散』で破壊した[Ⓝ劣-31-248∼250]。
被害
- なし
備考
- 2097年まで、十三使徒が操る十種類の戦略級魔法の中で唯一効果も見た目も明かされていなかった[Ⓝ劣-21-2・44・45,23-140,Ⓒ動-1-34]。
- 高出力の障壁魔法であれば確実に対抗できるだろう、と司波達也は考えている[Ⓝ劣-21-255]。
- イーゴリ・アンドレイビッチ・ベゾブラゾフは、「十文字克人の障壁魔法ならば『トゥマーン・ボンバ』を防ぎ切る可能性がある」と認識している[Ⓝ劣-24-280]。
- 抑止力という観点で見たとき、実際に戦場で使われたことが無い『ヘビィ・メタル・バースト』は、大ソ戦争において大亜連合軍に大打撃を与えた『トゥマーン・ボンバ』に劣っている、と風間玄信は述べている[Ⓝメ-7-59]。
- 作者はこの魔法について「本当は〈動乱の序章編〉で明かすつもりは無かったが、プロットに〈南海騒擾編〉を追加したことでお披露目が早まった」と述べている[Ⓝ劣-21-300]。

