アニメ第3期考⑨ ‐ 第3話感想②〈時系列・脚本編〉

作品考察
©2023 佐島勤/KADOKAWA/魔法科高校3製作委員会

※4/27、追記しました。

第3話感想の続きです。

第1話・第2話と、ちょっと細かく書き過ぎたかも?と思ったので、今回からはなるべく短く、簡潔にします。

原作のネタバレがあるのでご注意ください。

また、以後に添付する画像のクレジットは、特に注記が無いものは、「©2023 佐島勤/KADOKAWA/魔法科高校3製作委員会」です。

概要

まず、原作と比較した全体像はこちら。

見て分かるように、後半の時系列が丸一日も前倒しされている。

恒星炉実験の日程が、原作より1日早められることは第2話で分かっていた。
これについては、「達也の誕生日が関係しているのだろう」と思っていた。

だから、「『達也の私室で深雪が誕生日を祝うシーン』をヒキに持ってくるんやろな~」と、第3話放送前は予想していた。
付け加えるなら、「Cパートで歯噛みする琢磨君が入ったりして」とか妄想してた。

歯噛みする琢磨君はともかく、誕生祝いをヒキにするのは間違いないだろうと思っていたが、まさか紅茶の水面を介してアヴァンの続きが入って来るとは、想像もしていなかった。

完全に予想を外されました。\(^o^)/

また、いくつかの変更点の他、アニオリも2つ入った(リーナ真夜)。

そういった点について見ていく。細かくならないように書く!

〈追憶編〉相当部分

〈追憶編〉の織り交ぜ方は、斬新で面白かった。まさか〈ダブルセブン編〉のアニメで見られるとは、想像もしていなかった!

ひとつ前のブログでも書いたけど、紅茶の水面を介して場面転換するのはすごくスムーズに感じた。

あと、「ご褒美」「わがまま」というキーワードで、恒星炉実験と8巻の内容をリンクさせているのも巧妙で面白かった。

なお原作8巻からの大きな変更点は、風間のセリフが深雪に変更されていること、「震天将軍」について言及されなかったこと、真夜にだけお茶が出されたことの3点(省略された雑談部分は除く)。

震天将軍は削って良かったのだろうか?と思ったけど、まぁ必要になったら説明すればいいだけなのか。

わからない点がひとつあって、アニメで描かれた真夜の『流星群』 ミーティア・ライン は、はたして達也の身体を穿うがったのだろうか?

本当に穿ってたら脳みそ……。

※原作だと「血臭が漂う」と記述されていて、おそらく身体のどこかを穿たれたあと『再成』したんだと思う。

本編

Aパート

4月20日(金)

朝の生徒会室
五十里が「思想統制」「原理的平和主義」についての懸念を見せる描写がカットされたけど、まぁ尺もキツいし。

昼の職員室
ジェニファー先生に実験内容を説明し、申請書を提出するシーンもカットされた。まぁジェニファー先生自体が消えちゃってるし……。

夕方の魔法幾何学準備室

先のブログにも書いたが、廿楽先生に実験内容を説明する部屋が、生徒会室から魔法幾何学準備室に変更されている。理由は正直よく分からない。

こういう変更をするなら、ついでに香澄花音を登場させてもいい気がするんだけど、実際にはそうなっていなくて生徒会メンバーだけなのは、「生徒会室で打ち合わせ」の名残なのかな?とか思ったり。

また実験メンバーの選定場面は、原作ではこの場で達也が選んでいるが、アニメでは既に選ばれていた。
このため、ほのかが驚いたり、泉美が自己推薦するシーンなどがカットされている。

それから、第四態相転移の魔法名が『第四態相移行』に、微妙に変更されている。Why?

恒星炉実験準備の様子

21日(土)~23日(月)にかけて進められた準備については、原作でもほとんど描かれていないので止め絵で十分。

ただし、原作では24日(火)に最終リハが行われ、それなりに描写されているが、アニメではカットされた。

4月23日(月)

深夜の七宝家

Aパートのラスト、七宝家のシーンについては、時系列が1日前倒しされたこと以外には大きな変更は無し。
強いて言うなら、琢磨の深夜帰宅描写がない。まぁ真紀さん消えちゃったし当然か……。

親子の会話でちょっと気になったのは、「十師族体制が提唱されたときには七草家はすでに二十八家のなかでも抜きん出た能力を持っていた」という話は説明された一方で、「我らと同じ実験体であった七草家は、自らの道を選び取った。それは賞賛されるべきことだ」という話が説明されなかった点。

「七草家はかなり昔から凄かった」だけでは、「凄かったのだから仕方ない」みたいな、諦め感の漂う言い分に聞こえてしまうのでは?
「自ら選択して『凄くなる』という結果を手にしたのだ」という話をしないと、納得以前に理解も難しい気がする。

拓巳パパ、「何を言っても無駄か」って諦めるの、あと少し! あと少しだけ待って!
もうちょっとだけ説き伏せて! 琢磨くんはもう良いので、視聴者だけでも納得させて!

などと思いました。笑

Bパート

4月24日(火)

恒星炉実験の本番当日。

原作では4月25日(水)のところ、丸1日前倒しとなった。

議員、襲来
第一高校に突然やって来た神田百山と面会。

原作では百山は京都出張中であり、リモートで神田と話していたが、アニメでは出張しておらず、対面形式に変更された。

この変更によって、話の進行は原作よりもずっとスムーズになったが、その代償として「議員ですら対面でのやりとりを避けたい人物、百山東」「だから神田は百山の出張中をあえて選んでやってきた」という設定が消えたことになる。

なお、アニメでは百山が神田に押し切られたように見えるが、原作では「押し切られたように見える」ように百山が誘導し、実験見学へと至った。

恒星炉実験本番

実験直前、放射線実験室から中庭に機材を運び出すシーンがカットされたが、これはまぁ些細だし当然か。

放射線実験室の壁が開き始めてビックリするマスコミ陣、ちょっと見てみたかったけど。笑

実験本番については、香澄泉美が手を繋ぐことなく『第四態相移行』を放っているのに少し驚いた。
しかし、原作を読み直してみると「手を繋いで」等の描写はなかった。

ってことは、ここで乗積魔法は使ってない?
なら、266Pの「香澄ちゃんと二人でなら、きっと~」のセリフは、いったい何だったのだろう?

この点は疑問に思った。

それから、ほのか『ガンマ線フィルター』も原作とは異なっているように見えた。

原作では「重力制御①のテリトリーと第四態相転移のテリトリーの間」に『中性子バリア』が挿入されたうえで、「中性子バリアと第四態相転移力場の間」に『ガンマ線フィルター』が挿入されている。

前者は原作通りだったが、後者はアニメだと「重力制御①と中性子バリアの間」にガンマ線フィルターが挿入されているように見える。

これは理屈に合うのだろうか? ワガンネ

それから、アニメどうこうではなくて根本的な話になるんだけど、こんな指摘がなされていた。

言われてみれば確かに……と思いつつ、めっちゃ物理学の話で難しいのでよくわからん。

中性子バリア、こんな内側じゃなくて壁面内側スレスレに設置したらアカンのだろうか? ここなら容器の脆化も起こらないし、水による発熱もちゃんと起こるし。

……いや、あくまで「魔法実験」なのだから、「これで上手く行く」ということを実演して見せれば良いわけで、実際に熱を回収する必要はない、という考えか?

実用に足る熱の発生まで考慮すると、突貫工事の機材では不安があるから、発熱量を抑えたとか?

いろいろな見方がありそう。

昔々に一回やったんだけど、また原作読み込んで、磁気封じ込め型熱核融合炉の仕組みについて調べて、みたいなことをする必要があるな。笑

この辺も綺麗に書き直して、wikiとしてアップしよう(決意)

あと、「球形水槽の隣に掲げられたデジタルの温度計」が、九校戦を思い出させるような古風な赤ランプになった理由、気になって仕方ないです(笑)

ケントの報告についてはこんな指摘が。

原作を見ると「トリチウム放射性物質の混合は観測されません!」になっていて、「人体に影響の~」の説明描写は無さそう。

昨今のメンドクサイ話をふまえて、あえてトリチウムを抜いた説ある?(知らんけど)

まぁあんなんは結局濃度次第であって、観測不可能レベルなら無問題すぎるんやけども。

ところで「成分比が計算されない」ってことは、ガスクロですらなくて定性分析か?

何となくガスクロやと思い込んでたな。ワイは気体分析には疎いんじゃ~(言い訳)

IRとか、吸光度測定の類ですか? あるいは放射線の特徴を捉える系? 放射線分析の知識は皆無なので、勉強しないと分かりませんわ。

神田廿楽にやり込められたシーン、原作ではこのあと「実は録音してました~♪」って廿楽がバラして神田をビビらせる様子があるんだが、カットされちゃった。

……4話で追加ザマァ、あるよね?(たぶんない)

廿楽先生のラストのセリフ、すごく好きなので、ジェニファーの代わりに八百坂相手に話してくれたのは、本当に嬉しい脚本でした。

あと、このカットを見て、なぜか『ヒカルの碁』のワンシーンをふと思い出した。
「夢を語るのはここまでにしておこう」のやつ。笑

ここ、原作に無いアニオリ描写。

ありがとう……
ありがとう……………!

青春がまぶしい!

サプライズリーナ!!!!!

アニオリありがとうすぎた!!!!!

達也の誕生日

4月24日は達也の誕生日。

ということで、(恒星炉実験を明日に控えた時系列となっている)原作では、ほのかとのトークや、帰路での深雪と達也のショッピング、水波も交えた3人でのパーティーが描かれているが、このあたりはバッサリとカット。

一番重要な、深雪との乾杯だけが描かれた。

このあと、一気に〈追憶編〉の世界に入っていくが、それは先述の通りですね。

感想② おわり

以上、〈ダブルセブン編Ⅲ〉の脚本・時系列についての感想でした。

ページ数的には、254Pから320Pまで、66ページ分ほど進んだことになる。(残り126P)

時系列変更が超大胆、追憶編もたくさん入れちゃって、それどころかリーナまで登場しちゃって、超楽しい3話でした!

廿楽先生最高! 記念写真最高~!!!

それではまた次話で!!!

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