久方ぶりの更新です。気が向いたので。笑
いやー、アニメ化の情報がようやく出て来ましたね。祝! 待望2024年!
「2024年放送」以外の情報がろくに出てこないのはちょっと驚きましたがw
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さてこの新情報ですが、特番およびティザーPVでは「新シリーズ」としか銘打たれていません。
このため、Twitterなどでは
「ダブルセブン編からやるのかな?」
「それとも別のところ?」
「継承編楽しみ!」
……等々のツイートが散見されます。
また、何クールやるのかという話も明示されていません。そのため、
「ダブルセブン編だけかな?」
「スティープルチェース編までか~」
「古都内乱編までやるやろ」
「継承編楽しみ!!!」
…等々のツイートも散見され、「何巻までアニメ化するのか?」という部分も注目されているように思います(継承編まで期待してる人ちょいちょいいるみたい)。
なお、魔法科界隈でしばしば話題になる「このシリーズはいったい第何期なのか問題」については、公式HPのURLに「3rd」が付いていることから「第3期」と考えていいでしょう。
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ということで、いくつかの要素を踏まえて、3期の内容、すなわち「どこからどこまでやるのか?」について考えてみました。
以下、原作ネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。
結論:ダブルセブン編から古都内乱編までやるんじゃない?
「ダブルセブン編からスタート」と考えた理由
①1年生の3学期までアニメ化を終えたのだから、次は当然ダブルセブン編から
言わずもがなすぎるので省略。
②オフショアタワーの話のラストが、水波が入学してくるところで終わっているから
来訪者編のラストにおいて、オフショアタワーの問題を解決したのち、桜井水波が四葉真夜からの手紙を携えて第一高校に入学してきます。
ここで終わったのだから、「水波の入学=ダブルセブン編から」と考えるのは自然です。
来訪者編EDで七草の双子が入学してきたり、七宝琢磨が入学式にいたりといったことを考えても、そういった経緯をすっ飛ばして別の時期にジャンプするのはあり得ないと思います。
③劇場版のラストが、達也が魔工科になるところで終わっているから
劇場版『星を呼ぶ少女』のラストは、桜舞い散る中、達也が魔工科の制服を着て登校するシーンでした。
これは2年生の4月としか思えないので、「ダブルセブン編から」と考えるのは自然です。
④ティザーPVで桜の花びら舞ってるし、水波もいるから
第一高校の制服を着た水波が居る春は、2096年と2097年の春しかないわけで、アニメでいきなり2097年(達也3年生)に飛ぶわけが無いので、普通に考えれば2096年春の話でしょう。
⑤ティザーPVの達也のセリフ
ティザーPVにて、「しかし、魔法師が生まれて1世紀近くの時が流れた現在、魔法師の血族は、さまざまなしがらみに囚われていた」という達也のセリフがあります。
2年生編では、12巻冒頭で「魔法師という血筋の成立経緯」について語られ、13巻では「軍人魔法師の在り様」にフォーカスしつつ、「魔法師の血統に関して九島烈が抱いている想い」が見え隠れします。そして14・15巻では、九島家や「伝統派」を題材とした「魔法師の家系の闇」「魔法師の能力開発を巡る現代魔法師と古式魔法師の間でのいさかい」について深掘りされていたりと、まさに「魔法師の血族が囚われている様々なしがらみ」について描写されています。
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これは私見ですが、大雑把に言って、『魔法科』の構成は
- 1年生編
魔法とは何か、魔法師とは何か、十師族とは何か、魔法科高校とは何か、世界情勢はどのようなものになっているのか、その中での魔法師の役割とは何か、魔法師が直面している課題とは何かといった、世界観の概要語りターン。 - 2年生編
現代魔法師はどのようにして成立したのか、それに付随して生じた「闇」とは何か、また現代魔法師と古式魔法師の間で生じた対立の「闇」とは何か、こうした「闇」から抜け出そうとあがく過程で起こった事件はどのようなものなのか、その他魔法師と各種勢力の力関係はどのようになっているのか……といった、「魔法師界隈の闇」について深掘りしたターン。 - 3年生編
「闇」から抜け出すための具体的な行動ターン、それに伴う種々のトラブル、決定的な世界秩序の変化といった、まさしく「動乱期」を描いたターン。物語の範囲が一気に全世界に広がり、官民を含めて目まぐるしく動いていく、世界の在り様を荒々しく描いたターン。 - メイジアン・カンパニー編
世界秩序の変化以降の物語、「経済的便益による魔法師の地位向上」が成立していく過程、古代遺産の取り扱い問題という重大なバグの解決といった、動乱を乗り越えて新たな秩序を確立していくターン。
……という風に理解しています。
これを踏まえると、2年生編の「闇」は、まさに達也がティザーPVで述べた「魔法師が生まれて1世紀近くの時が流れた現在、魔法師の血族は、さまざまなしがらみに囚われていた」というセリフに合致しているように感じます。
起承転結の「承」にあたる内容でしょうか。「1年生編で概要をお伝えしたところで、じゃあそろそろ、魔法師界隈のエグい部分を掘って語っていきましょうか!」くらいの。
起=1年生編、承=2年生編、転=3年生編、結=メイジアン・カンパニー編と捉えると、けっこうしっくり来る気がします。
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噛み砕いて言えば、「闇」について深く語るのが2年生編であり、「闇」を打ち砕こうという動きが強まっていろいろ動くのが3年生編です。
「承」にあたる2年生編は、手抜きが許されない重要なターンであり、ヌケモレも許されない緻密な構成が求められるターンだと思います。そんな2年生編において、その始まりであるダブルセブン編がカットされる? あり得ないでしょう。
……などとツラツラ述べましたが、まぁ普通にいろいろモロモロ考えて、いや考えなくても。
3期はダブルセブン編からでしょう。それ以外あり得ないと思います。
「古都内乱編まで」と考えた理由
①話の密度が濃いから
入学編~来訪者編は、魔法とは何か、魔法師とは何か、どんな世界観なのか、諸外国はどんな感じなのかといった、基本のキの説明でした。
したがって2年生編では、こういう基本のお勉強は、あんまり要らなくなります。
その代わり、「闇」にまつわる諸問題、そうした諸問題にまつわる諸勢力との力関係が丹念に描かれます。
はっきり言って、12巻〈ダブルセブン編〉と、13巻〈スティープルチェース編〉の内容は、政治的なテーマがかなり濃く、視聴者にきちんと伝えるためには、かなり丁寧な脚本が必要になるだろうと感じています。
14・15巻〈古都内乱編〉の方が内容的にはシンプル。めっちゃ雑に言えば「当面の悪玉菌」を追い詰めて討伐するだけだから(本当に雑だが)。
12・13巻の政治的駆け引きの方が圧倒的に濃密で、ここをいかに分かりやすく伝えるかがキモだと思います。
その意味で、たとえば1期は入学編の2冊、九校戦編の2冊を、それぞれ7話と11話に収めていましたが、12・13巻については、この2冊だけで13話くらいやってもいいんじゃない?とまで思っています。そして古都内乱編2冊で13話とか、そんなイメージです。
②一連の流れの締めに使えるシチュエーションがあるから
はいネタバレです要注意。
15巻で、周公瑾が死にます!(仮)
アニメ1期では、周公瑾というキャラクターの野望が語られました。
2年生編では、その野望が(ほぼ)完全に打ち砕かれます。
周公瑾というキャラクターは、中ボス、or中ボスの部下?くらいの人で、それが退場するところで止めるというのは、わりといい流れだと思うんですよね。ここで切るのがちょうどいい。
③追憶編⇔四葉継承編、来訪者編⇔師族会議編という、1対1対応がハマるから
1年生編では、放送順序と作中時系列が前後しますが、2クールで1~2学期までやって(1期)、1クールで3学期をやって(2期)、特別編として冬休みの物語を年越し放送しました(追憶編)。
これに対応させるように、2年生編でも同様に、2クールで春~秋をやって(ダブルセブン編~古都内乱編)、特別年越し放送(四葉継承編)をやったのち、1クールで冬(師族会議編)をやれば、けっこう理解しやすいと思います。
1年生編と2年生編の対比が整っているからです。視聴者としても「ああ、魔法科アニメってこういう風に構成するんだな」ってなりそう。
まぁ師族会議編が濃密すぎるので、1クールに収まるか?という懸念はありますが。
④制作orマーケティング戦略的に、四葉継承編・師族会議編につなぎやすいから
物凄くシンプルな話として、魔法科は、秋~春の間に、物語が転換する話を1冊分くらい入れています。1年生編なら追憶編、2年生編なら四葉継承編ですね。
言い換えると、「物語の連続性に一息入れる巻」を用意しています。
……3年生編? ちょっと何言ってるかわかりませんね!笑
まぁ3年生編は春から夏の終わりまで、切れ目が一切無いので、まったく違う考え方で構成しないといけないと思います。シームレスすぎるんだよなぁ……
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ところでマーケ的には、魔法科アニメはかなり練られた展開をしていると思います。
次の図は、Googleトレンドで検索して得たグラフを「発売日」のExcelに重ねたものです(去年作成)。
これを見る限り、随時マーケを打って(=新作刊行タイミングをそろえて反応を見て)、「よしいける」と判断したら次期展開をしているように見受けられます。
また原作ベースで、物語の連続性に一息入れる巻を用意しています(1年生編なら8巻、2年生編なら16巻)。
この「息抜き巻」(内容的にはまったく息抜きにはなってない)は、重要なマーカーとして用意されたものなのかもしれません。
要するに、「物語は一区切りついたけど、売れ行きはどうか? この先も展開していけるだろうか?」ということを見極める為の巻になっているのではないか?ということです。
じゃあ、アニメ追憶編の前後はどうなっているか?という観点で、直近まで重ね合わせてみました。
追憶編アニメは、ピークはやや弱いけど、ちゃんと跳ねています。
そして3年生編のコミカライズが始まったのは、追憶編アニメ化の1年後です。この1年間でアニメ追憶編の反応を見極めて、コミカライズにゴーサインを出し、作画担当やレーベルなどを選定し、実際のコミカライズ作業を開始していったんじゃないかと考えると、「アニメ追憶編はマーケ用のマーカーとして使われたのでは?」という考え方は妥当な気がします(個人の感想)。
だからこそ、3期のアニメ化が決定したんじゃないの?って思っています(想像)。
「視続けている人は視続けている」ことが定量的に可視化されたからです。
この想像が正しいならば、やはり「息抜き巻」はマーカーとして有用で、アニメ追憶編と同様に、「新シリーズ」も四葉継承編で1ステップ置いてもおかしくないと思います。
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まぁこんなややこしいことを考えなくても、「古都内乱編までアニメ化したし、継承編を3話くらいでやって様子見して、いけそうなら師族会議編もアニメ化するか~」という発想は、ものすごく自然でしょう。
そして「師族会議編をやるなら1クールかなぁ」という発想も、ごく自然に出て来ると思います。
だって、同じ時期を描いた「来訪者編」が1クールだったから。
内容の密度としては、1年生の冬と2年生の冬とでは大きな差があると思うので、脚本は厳しそうですが……。
とは言え、重たい重たい師族会議編であっても、ギリ1クールで収められないこともないと思います(そう信じたい)。
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こんな風に、魔法科という作品は、1年生編と2年生編で似たようなクール構成が可能なコンテンツです。
クール構成が似ているほど、視聴者は理解しやすくなると思います。ただでさえ巻数の多い「魔法科」ですから、こういう些細な「受け付けやすさ」は重要になってくるかもしれません。
⑥さらなるアニメ化の分岐点は「四葉継承編」にある……かもしれない?
ちょっと話題からは外れますが、前述のとおり、3年生編がアニメ化されるかどうかのキーは、四葉継承編の評判に懸かっているんじゃないかと思います。
というのも、四葉継承編は、はっきり言って評価がメチャクチャ分かれる内容だと思うからです。
近親ムリーな人はここで去るでしょう。残念ながら。
一方で、この回はいろいろな秘密が大量に暴露される回でもあるので、「続きが気になるゥ!」という人も大量に出るでしょう。
ここで「継承編の反応も良かったしまだいけるやろ」となったら、「師族会議編アニメ化やろう」ってなって、そして師族会議編アニメの売れ行きをみて、「よし3年生編もやるか」という意思決定スキームに入るんじゃないでしょうか?
師族会議編~3年生編はめちゃくちゃシームレスというか、分かりやすい区切りがないというか。
いちおう「南海騒擾編」が間に挟まってくれますが、その内容自体が3年生編とシームレスな側面があるので、結局のところ「四葉継承編」の評判次第で、3年生編がアニメ化されるかどうかという話にけっこう関わってくると思います。
まぁ、あまりにも先の話なので見通せませんが、期待して待ちたいと思います。
「四葉継承編まで」ルートもあり得る?
ティザーPVにて、「それは呪いでもあった。私にとっても」という深雪のセリフがあります。
このセリフは、完全に、どう考えても、16巻〈四葉継承編〉に至るまで深雪が抱き続けている苦悩です。
ティザーPVでそれを言わせたということは、もしかしたらもしかすると、古都内乱編どころか四葉継承編までいくんじゃないか?
そこで「リアル兄妹愛」についての観測気球を上げ、反応次第で師族会議編アニメ化に進む(あるいは進まない)んじゃないか?
可能性はありまぁす!
まとめ
ということで、アニメ3期の内容予想・第1弾でした。
ただ、アニメ来訪者編のオフショアタワーの話を「アニメ正史」と捉えると、原作史と内容的・時系列的な矛盾が生じます。
この矛盾についても考察したいところですが、けっこう長くなってしまったので、次のブログで考えてみようと思っています。
雑な考察でしたが、とりあえずではでは!