2021年度冬アニメ
『魔法科高校の劣等生〈追憶編〉』
のネタバレが大量に含まれます。
ご注意ください。
取り残された血統〈レフト・ブラッド〉は、旧沖縄駐留アメリカ軍の遺児を指す言葉[Ⓝ劣-8-35,Ⓒ追憶-1-32]。
桧垣ジョセフ、金城ディック、アル、マーク、ベンなどは、レフト・ブラッドの二世にあたる[Ⓝ劣-8-164・167・168]。
概要
2045年に勃発した第三次世界大戦の激化に伴い、沖縄に駐留していたアメリカ軍はハワイへ引き上げた。その際、沖縄に取り残された子供らがいた(レフト・ブラッド一世)。その大半は親に捨てられたのではなく、父親が戦死したためである[Ⓝ劣-8-35,Ⓒ追憶-2-98]。
レフト・ブラッド一世の多くは、米軍基地を引き継いだ国防軍の施設に引き取られて育ち、そのまま軍人になった。勇猛な兵士として国境防衛の任務を立派に果たし、その子供たち(レフト・ブラッド二世)も軍人になった者が多い[Ⓝ劣-8-35]。
レフト・ブラッドによる問題行動と現地における差別感情
二世については素行が良くない者も多く、沖縄観光時には注意すべし、とされている[Ⓝ劣-8-35,Ⓒ追憶-2-97]。
この背景には、日本にもUSNAにも帰る場所の無い彼らが、生まれ育った沖縄ですら余所者扱いされている、という事情がある[Ⓒ追憶-2-99]。
コミック『魔法科高校の劣等生〈追憶編〉』では、ジョセフとディックに近づこうとする娘に対して、母親が「近づいたら危ない」と注意するシーンが描かれている[Ⓒ追憶-2-96]。
「余所者扱い」をされ続けた彼らは、徐々に荒んでいき、暴行を起こす者も増え、さらに嫌われ者になっていった[Ⓒ追憶-2-99]。
金城ディックはこのような現状に、特に強い不満を抱いていた。「こうして軍に志願して、日本の為に働いても、結局俺たちはいつまで経っても余所者扱いだ」と述べている。日本に義理立てする意味を見出せず、沖縄海戦では反乱を起こした[Ⓝ劣-8-167・168,Ⓒ追憶-2-96・101]。その一方で桧垣ジョセフのように、「俺たちにも悪いところはあり、全てを戦争の責任にはできない」「俺たちの片親は紛れもなく余所者だったから、少しくらい余所者扱いされても当たり前」「軍の上官や同僚は戦友として、仲間として扱ってくれている」という考えを持つ者もいる[Ⓝ劣-8-168,Ⓒ追憶-2-99]。
沖縄海戦以降の状況
沖縄海戦では、レフト・ブラッドの一部が反乱を起こし、敵を手引きしていた。この件について、国防軍は秘匿した。達也たちも、その口止めに応じた[Ⓝ劣-20-63]。しかし同時に、(国防軍の一員として大亜連合に対し)勇猛な戦いぶりを見せたレフト・ブラッドたちもいた。これにより、偏見は緩和されたという[Ⓝ劣-20-63]。