分解【ぶんかい】は、情報体(エイドス)をバラバラに分解する能力[Ⓝ劣-8-194・196]。
構造情報(想子情報体)を直接分解する魔法[Ⓝ㊕-続追-24・25]。構造情報に対する直接干渉魔法[Ⓝ劣-2-259,8-92・227]。
全ての物質と情報体を壊す力[Ⓝ劣-16-198]。
技術化された魔法であるため、BS魔法の定義は満たさない[Ⓝ㊕-続追-22]。
魔法としては最高難度に数えられている[Ⓝ劣-2-259,8-92]。
物体の分解
物体を対象とする場合は、その情報を記録している想子情報体の構造を分解する[Ⓝ劣-28-69]。
物体(のエイドス)の構造情報を、物体が構成要素へ分解された状態に書き換える[Ⓝ劣-2-259]。
構造情報を分解することにより、物理的な構造を分解することができる[Ⓝ㊕-続追-24]。
分解のレベルについては、任意の構成段階に分解することができる[Ⓝ劣-16-228]。
情報体の分解
情報体を対象とする場合は、その構造それ自体を分解する[Ⓝ劣-2-259]。 起動式や魔法式などの想子情報体を対象にすれば、魔法そのものを無効化することができる[Ⓝ㊕-続追-24・25]。なお、魔法式を対象とする対抗魔法である『術式解散』は世間的には超高等魔法とされており、実験室レベルならともかく、実用レベルで使いこなせる魔法師は確認されていない[Ⓝ劣-3-99,22-169]。
情報の認識
『分解』を使いこなすためには、想子情報体に記述された内容を理解する必要がある[Ⓝ㊕-続追-27]。
エイドスや魔法式を一塊の情報体として捉えるだけではなく、そこに含まれている情報を認識できなければ、充分に使うことはできない[Ⓝ㊕-続追-27]。
発動過程
構造情報が変数の一つとなる[Ⓝ劣-14-95?,32-214]。
司波達也の『分解』
『分解』は、『再成』とともに達也が先天的に有している、達也が自由に使える2つだけの魔法のひとつであり、達也の魔法演算領域の半分を占有している魔法である[Ⓝ劣-2-259]。
『精霊の眼』で情報体を認識できるが故に、実践(実戦)で実行できる魔法である[Ⓝ劣–]。
達也の魔法演算領域は、完全に『分解』と『再成』の魔法式を構築するためだけのシステムとなっており[Ⓝ㊕-続追-22]、そこに追加データを入力するだけで、極めて複雑な魔法を発動することができる[Ⓝ劣-25-260・261]。
本来であれば、『分解』には複雑な起動式が必要で、読み込みにも時間がかかる(1秒もしくはそれ以上)。しかし達也の場合、専用のサブシステムがあらかじめ準備されているからこそ、そこに追加データを入力するだけで、極めて複雑な魔法を発動することができる。ごく短時間で、物質を元素レベルに分解し、情報体を想子レベルに分解するという複雑な処理を実行できる[Ⓝ劣-25-260・261]。
また、達也は物体に対して『分解』を使用する際、細胞のひとつひとつや、素材を構成する分子のひとつひとつや、分子結合などを直接認識しているわけではない[Ⓝ劣-28-69]。
機械を部品に『分解』する際も、パーツの組み合わせを透視しながら解体しているわけではない[Ⓝ劣-28-69]。
バリエーション
実体の分解
- 雲散霧消〈ミスト・ディスパージョン〉
- 部分分解
- オブジェクトの分解
- 領域設置型分解魔法
- バリオン・ランス
- 大深度雲散霧消〈ディープ・ミスト・ディスパージョン〉
- ベータ・ディケイ・ディスパージョン・トライデント
- 質量爆散〈マテリアル・バースト〉
情報体の分解
- 術式解散〈グラム・ディスパージョン〉
- 電磁気的な情報体の分解
- ゲートキーパー
- アストラル・ディスパージョン
実体・情報体両方の分解
- トライデント
その他
- 『極散』との類似性
物質をその構成要素に分解するということは、見方を変えると、物質の構造を壊してその構成要素の配置を無構造状態に散乱させるということである[Ⓝ劣-13-190]。
この点で、『分解』は『極散』の「深度」を増して、「規模」を縮小したものとも言える[Ⓝ劣-13-190]。 - 物質分解魔法の分類
物体の分解は、四系統八種の分類に照らすと分離魔法の亜種に分類される[Ⓝ劣-3-193]。
収束・発散・吸収・放出の複合魔法であり、魔法としては最高難度に数えられている[Ⓝ劣-3-193]。 - 魔法の射程距離
通常の魔法と同じく、物理的な距離に直接縛られることはない[Ⓝ㊕-続追-25]。 - 魔法か否か
司波深夜の言によれば、情報体を壊すだけのこの力は、「情報体を改変し事象を改変する技術」としての魔法にはあたらない[Ⓝ劣-8-194・196]。