『メイジアン・カンパニー』3巻感想文② 偽装恋愛〈カモフラージュ・ラブ〉 – CASE:一条将輝 –

『続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー』3巻 感想
偽装恋愛〈カモフラージュ・ラブ〉

3巻後半の感想ソノ①です。

将輝さん、いいキャラしてますわホント。

将輝

172・206・207P
「それは困る!」の将輝のセリフに込められた考えの深さがエグい。
ラストまで読むと、「(もしこのままリーナが帰ってこなかったら・必然的に深雪と達也の行動が増えるために・俺が深雪に近づこうとするポーズを維持できなくなる・そうなれば一色家と鶴画家は攻勢を強める・結果として黄里恵を守ることができなくなる・だからリーナが帰ってこないのは)困る」ってことなんですよね。
女の子のためにピエロになる将輝。そういうとこだぞ、女子のハートを掴んじゃう理由。

良い人過ぎるんだよ君は。騎士道精神というか。
そしてそれが彼の良い所だから扱いに困る。

176P
「殴り合いはゴメンだぞ」という達也に対し、「当然だ」と即答した将輝。
ここは初見時に違和感がありました。深雪を好きなら、即答するわけがない。
これは、前巻で「ガールフレンドを引き連れている状況」に感じた違和感と同種のものですね。
深雪を好きなら、そんなことするわけがない。
ラストまで進んで払拭されましたが。取り巻きも、さっさと解散させたらいいのにと思います。

185P
深雪さんを「絵画か彫刻を鑑賞する目」で見るのは、失礼な行為にも感じられますが、それ以前に普通にヤバい状態ではないでしょうか。

187P
将輝、とうとう「熱」を失ってしまいましたか。
哀しいかな、ここはちょっと共感してしまったところです。引きずりすぎると、熱はなくなるのに「好き」だけは続いてしまう。
まぁ将輝の場合は、もっと事情が深刻ですが……。

193P
「恋」ではなく「憧れ」「崇拝」ですか。なるほど。
「相手に好意を向けることそれ自体で幸福感を得られる」……そんなことあるんですか? ちょっと何を言っているのか理解できません。
「見ているだけで幸せ」は分からなくはないですが、「好意を向けることが幸福」って、どういうことなんです?

199P
将輝は本当におばかさんですね。いい意味で。
「馬鹿」よりは「莫迦」の方が、何となく似合うシーンだと感じました。
やわらかいニュアンスに見えるんですよね、「莫迦」。
本来の意味では「馬鹿」の方が妥当なようですが。

202P
「止めろと言った!」
将輝が吼えるこのシーン、完全にCV:松岡禎丞さんで脳内再生されましたありがとうございます^^

205P
将輝の極論は、本当に極論なんだけれど、まぁ間違ってはいないと思いました。実際にこんなことを考えてる人は、きっとそんなにはいないと思いたいところですが。
佐島先生、よくこれ書いたなぁ……。

206P
「黄里恵が俺のことをどう思っていようと、鶴画家も一色家も諦めない」
日本魔法界の闇を感じる部分ですね。言うても全然マシな部類なんだろうとは思いますが……。

208P
将輝さん、無意識に黄里恵を「ヒロイン」扱い……この3年の間に、いったい何があったんでしょうか。
あと、自分で言ったのに傷つくの、なんか将輝らしいなぁと。前にもどっかで無かったですっけ?

213P
うんうん、軽く死にたくなること、ありますよね。達也とは違って青年らしくて素晴らしい。

215P
「一般人」という表現から、非魔法師に対する将輝の無意識の認識が読み取れますね。
まあ、気づかないうちに誰かを差別してることなんて、人間なら誰にでもあることでしょうから、そのうち「気づいた」あと、どういう考えを持つかが重要だと思います。

224P
年下の女の子に争われる将輝さん……ラノベの主人公かな?
将輝スピンオフとか出ないのですか? シリーズで書けそうじゃないです?

真紅郎くん

190∼194P
真剣に将輝を案じる吉祥寺。これぞ吉祥寺。
思えば、前巻で頭を抱えていたのも、結構ガチだったのかもしれませんね。

193P
「アプローチは不純物」のくだり、いいですねー。ああ、研究者だなぁって感じがします。

196・197P
電話の説明だけで「一」の家系図を理解しちゃう真紅郎くんのアタマは、どうなっているんでしょうか。すごすぎる。

199P
「馬鹿なんだから、本当ほんと……」のセリフですが、ルビが「ほんとう」じゃなくて「ほんと」になってて、何となく「真紅郎くんの優しいため息を表してるなぁ」と感じます。

204P
「僕は君の親友だ!」あーもう最高かよ。

209P
まさに渦中の人物に盗み聞きさせちゃった。
平然と(将輝にとっては)酷いことをやっちゃう真紅郎くん最高かよ。さすが参謀。

222P
謝りながら目を合わせない真紅郎くん。いいと思います。笑

鶴画黄里恵

170P
ついに「将輝の再従兄妹」様の名前が登場しました。鶴画黄里恵様、とおっしゃるようです。
「将輝の再従兄妹」様は、これまで個人的カテゴライズにおいて「モブ☆★★」でしたが、この度「メイン★★★」にご昇任なされました。
名前がつくのは良いことです。
Wiki的に特定しやすくなる(爆)

178P
黄里恵の異能が気になります。

199P
「諦めきれなくなった」という話は、深雪にそっくりですね。応援したくなります。

209∼211P
黄里恵の啖呵、いいですね。ストレートな告白も。この状況で。かっこいい。
ただですね、気持ちをぶつけた直後に「でも私も悪い」とか自分下げされたらですね、男としてはますます申し訳なくなってしまうわけでして、「相手に譲らなければ」的な思考が漂ってしまうわけでして、これを天然でやってるなら、なかなかに魔性の女……などと感じてしまいました(笑)。

214P
「いつもどおり」に傍点が振られてますが、ちょっとメッセージが読み取れません。
また読み返してみて、理解出来たら追記します。

218・219P
「恋の仕方が分からなくなる」ですか、なるほど。
黄里恵さん、鋭いというか、思慮深そうというか、とにかく凄いですね。こういうことに気づけない人は、自分も含めて大勢いると思います。

茜・レイラ

194P
歓声上げちゃうまであるのか。茜ちゃんは本当に真紅郎くん好きですね。

214P
怪しい3人組が尾行しはじめました。さすが佐島先生、きっちりお約束を踏襲。素晴らしい!笑
(なんで俺はこんなに人が多い場所を……)のところ、まったく同じことを尾行組も感じていると思いますよ、将輝さん。笑

221∼224P
はいレイラちゃん来た! 女のバトル開始です!ワクワク
なお「請稍等」については、「!」が付いているので強そうなニュアンスに見えますが、調べてみるとどうやらかなり丁寧な言い方のようです(「お待ちください」くらい)。

223・224P
黄里恵が提案した「偽物の恋人関係」に対し、「本物の恋心」で真正面から挑むレイラ。
黄里恵にせよレイラにせよ、茜もそうですが、裏工作なく王道を駆け抜け、ど真ん中ストレートを投げ込んでいくのは、一条家の方々の魅力ですね。
きっと、そういう一家としてデザインしたんだろうなぁ、佐島先生。

追記

222P
レイラさん、一条の「分家」に入ったんですね。
やっぱり、「本家はアカンでしょ」みたいなアレコレがあったのでしょうか?

達也・深雪・リーナ

166P
深雪とリーナは「特別な関係」を噂されてるんですね……素晴らしいことだと思います(爆)

167P
深雪との友情を優先するリーナ。こういう子だから人気があるんでしょうね。
そして、リーナの経済基盤についてもきちっと考えているんですね、佐島先生。
ところで、リーナがいなくなって衝撃を受ける大学生諸君。君たちちょっと、白百合と金の百合を見つめ過ぎなのではなかろうか?

184P
「前を向かずに歩く」って、これ結構難しいと思うんですよね……達也への信頼が強すぎます。

186P
達也が気づいた「突拍子もない仮説」が気になります。
無意識に「真似」と表現していたことに自ら気づいていることから、「何か理由があって深雪に恋をしているフリをしている」ということだとは思いますが、それだけだと「突拍子が無い」というほどではないので、もう少し具体的な仮説を考えていそうです。

219P
深雪さんには、見る者の心を麻痺させてしまう魅力があるようです。
神話とか探したら、そういう神様出てきそうですね。

その他のキャラ

171P
鶴画黄里恵以外の取り巻き、いったい何なんでしょうね。「ご馳走」でハートマークとか……いやまぁ、普通の大学生ですね。
描写だけ見ると下衆な取り巻きのように感じますが、よく考えれば「タダで美味しいもの食べられるヤッター」って普通です。

189∼190P
将輝の取り巻き、本当にただの「取り巻き」なんですね。「バラバラに去る」というのも、なかなか凄い。
「埋め合わせ」が当然のものと捉えているのもポイント激低で、ドン引きですね。仮に将輝が「おごる」と約束していたとしても、「やっぱ無理だわ」となった時に「当然埋め合わせてもらえるもの」と考えているとしか思えず、うん。
まあ、将輝がそういう風に増長?させたというのもありそうですが。
あるいは、そういう取引の元で「取り巻き」を演じてもらっていたのかもしれませんね。それならば、まあ契約の不履行なので「埋め合わせ」は当然でしょう。

215P
この私服刑事は、何者なんでしょう。
佐島先生は不必要にこういうことしないケースの方が多いと思うので、ひょっとするとのちのち登場するキャラクターなのかもしれません。
もしくは、レイラの監視役でしょうか?
だとすれば、けっこうワクワクしながら女の戦いを眺めてそうですねw

「一」の家系

170P
「鶴画家」なる家系が登場。一条美登里の親戚とのこと。

178P
鶴画家は大和朝廷時代にまで遡る古い血筋の末裔とのことで、最も古い霊能者一族である東道家と、何か縁があったりしないのでしょうか。

196P
一色家の前当主の奥さんは鶴画家の人。

家系図まとめ
「劣等生」21巻219Pのつかさのセリフや、「キグナス」2巻130・131Pの情報も合わせると、「一」の家系がかなり見えてきましたね。図にしてみてもややこしいです。
(一色愛梨は『優等生』の世界線のキャラクターなので記載していません)

「一」の家系
「一」の家系

(カラーは、緋色は当然赤。若狭は若草色のイメージで緑。一色は、愛梨ちゃんのイメージが強いので黄色。一条家は海のイメージがあるので青。鶴画は、鶴は白黒なので混ぜて灰色にしました)

養子乱発するのやめてほしいですね。
ここに一之倉家も絡んでくると思うと、絶望感が半端ないです。

さらに、もしも将輝が黄里恵ちゃんとくっついちゃった場合、図を書き換えるのがめんどくさそうです。トポロジー的にどうなのでしょう。線をまたぐことなく書けるのでしょうか?

追記:無理そうです。

ということで、僕はレイラさんを応援することにしますね。笑

◇◇◇

以上、感想②でした。

将輝の今後が楽しみすぎでヤバいです。

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