固有時間加速【こゆうじかんかそく】は、自分自身の時間を加速する能力。超能力寄りの特殊な魔法。呉内杏の異能[Ⓝメ-2-245･265]。
走っている最中にこの異能を行使すると、周りからは「目の前から消えた」「瞬時に目にも止まらないスピードまで加速した」ように見える[Ⓝメ-2-242･243]。
術者視点では、周囲の動きはゆっくりしたものになり、走るペースは変えていないのに後方に流れていく景色は勢いを増す。また、空気はねっとりと重く感じられるようになる[Ⓝメ-2-246]。
呉内杏の場合、一度に加速し続けられる時間は、主観時間で最大1分間、客観的な時間で1秒間（加速率60倍）である。最大限度まで加速すると消耗が激しく、再発動までに10分間のクールタイムが必要となる[Ⓝメ-2-245]。
呉内杏が加速中に動かせるものは、自分の肉体、および意識せずに動かせる身に着けたものだけである[Ⓝメ-2-245]。
したがって、たとえば加速中に手に銃を持って撃とうとすると、グリップを握った途端意識に上り、銃は加速率に従って慣性が増幅され、途轍もなく重くなってしまう。ゆえに武器を使いたいなら、いったん加速を止める必要がある[Ⓝメ-2-246]。
また、加速中に、武器ではなく自身の身体で攻撃を行おうとすると、反動で骨が折れ、筋肉や腱が断裂してしまう。これは、外部からの衝撃や反作用に対する肉体の強度は上がらないためである[Ⓝメ-2-246]。
このような特徴から、呉内杏の異能は逃走あるいは奇襲に適している[Ⓝメ-2-246]。
