「魔法」って何?

『魔法科』の魔法は、設定が非常に細かいことで有名です。

斜め読みで理解するには、かなりハードルが高いと思います。また、「理解できた」と思っても、あとから理解の修正を迫られることもしょっちゅうです。

今回は、そんな「魔法科の魔法」について、なるべく嚙み砕いて書いてみようと思います。

今北産業

『魔法科』世界においては、万物にはすべからく「情報」が付随していて、現実が変化すると、それに付随する「情報」も変化します。

魔法はこれを逆手に取ったもので、万物に付随している「情報」に干渉し、「情報」を改変することで、現実を改変する技術です。

『魔法科』の魔法は、「ものごとに付随する情報を改変し、改変した情報を現実に逆流させることで、現実を一時的に・・・・書き換える技術」です。

エイドスとイデア

魔法の仕組みの説明に入る前に、「エイドス」と「イデア」の説明をさせてください。

これは避けては通れない関門でして、お付き合いいただければと思います。

エイドスって何?

今北産業で、「ものごとに付随する情報」と書きました。これは、正式には個別情報体〈エイドス〉と呼びます。「個別の事象に付随する情報体」という意味だと思っています。

個別情報体〈エイドス〉とは、ざっくり言えば、人間一人一人や物体ひとつひとつ、それぞれの自然現象など、ありとあらゆる「事象」に付随して存在している情報体です。

人間のエイドスには、身体を構成している元素の種類や、分子間結合といった科学的・物質的な情報から、病巣などの生物的情報、その人間の成り立ちの情報(発生の元となった精子卵子の情報)、さらには氏名・年齢・所属機関等の個人情報など、非常に多くの情報が含まれています。

木材とかコンクリートとか金属とか、そういう物質・物体のエイドスにも、構成元素や分子結合などの情報が含まれています。「〇〇産の木材」などといった情報もあるかもしれません(描写は無いけどきっとある)。

「強い風が吹いた」「日差しで地面が暖かくなっている」「火が燃えている」等の自然現象にも、情報が伴っています。「人間が発した言葉」にも、その内容が情報として刻まれます(言霊)。

精霊魔性などの霊的存在の活動も、エイドスを伴い、情報を伴います。

◇◇◇

「誰にも観測されなかった現象は、存在しなかったのと同じだ」という言説がありますが、魔法科世界では、これは間違いとなるでしょう。

「誰も観測しなくとも、その現象があったという情報は刻まれる」ことになるはずですから、「存在しなかった」ことにはなりません。

ありとあらゆる「情報」が刻まれます。こういった、刻まれる情報を指して「エイドス」と呼んでいます。

イデアって何?

続いて情報体次元〈イデア〉の説明です。

イデアとは、情報のプラットフォームです。エイドスを含めた、ありとあらゆる情報が刻まれる舞台、と言い換えても良いかもしれません。
ざっくりと、森羅万象が記録されている図書館、いわゆるアカシック・レコードに類するものと捉えれば、イメージ的にはだいたい良いのではないかと思います(おそらく厳密にはいろいろ違うが、当面はこれで問題ないと思う)。

イデアは、人間が普段生きている現実世界(物質体次元〈ファクト〉)と背中合わせに存在している世界であり、現実世界と密接に関わっています。現実世界で現に生じる、ありとあらゆる物事の情報はイデアに刻まれ、イデアに刻まれている情報を改変すると、現実世界が一時的に・・・・改変されます。

司波達也を含むあらゆる魔法師は、イデアにアクセスし、エイドスにアクセスする能力を持っています。達也はその能力が極端に高いイレギュラーです(エレメンタル・サイト)。

イデアについては分かっていないことも多くて、いろいろ研究が行われています。四葉家でも、魔法的な情報ネットワークについて調べたりしています。

魔法って何?

本題に入りましょう。魔法とは何か?

魔法科世界における魔法とは、「情報に干渉し、情報を一時的に・・・・書き換えることで、事象を改変する技術」です。

特殊能力ではありません。体系化された「技術」です。適性さえあれば、誰にでも使える力です。

その「適性」のハードルが、非常に高いのですけれども。

◇◇◇

今ここに、「紙が燃えて灰になった」という現象が起こったとします。

このとき、イデアには「紙が燃えて灰になった」という情報が刻まれます(エイドス)。

より具体的に言うと、「紙という物体を構成しているセルロースが空気酸化され、分子間結合を破壊されて、二酸化炭素を発生して空気に混じり、後には固形物が残り……」という感じになるでしょう。

こういった全情報が、イデアに刻まれます。

◇◇◇

ではここで、「今まさに、紙がライターで燃やされそうになっている」という状況を考えてみましょう。

何もしなければ、紙は燃えて灰になります。

しかしここに、「燃えにくい」という情報をかぶせると、どうなるでしょう。

たとえば、「湿っている」とか、「分子結合が非常に強固」とか、「分子構造の情報改変を禁じる」とか、「熱量の増大を禁じる」とか、そういう「意味」を付与すると、どうなるでしょう。

結論としては、紙の燃焼が阻害されます。

湿っているからなかなか燃えない。
分子結合が強化されているから酸化されない。
「現状維持」という情報が強いから燃えない。
熱量の増大が禁じられているから温度が上昇せず、発火温度に到達せず、燃えない。

「意味」を付与した術者の力量によって、魔法の成否は変わるでしょうが、これらの手段が無事成功したならば、ライターで炙っても紙は燃えません。

これが「魔法」です。「情報」を改竄かいざんすることで「現実」を書き換える技術が「魔法」なのです。

まとめ

まとめます。

  • 魔法とは、情報を改変することで現実を一時的に・・・・書き換える技術である。
  • 魔法は体系化された技術であり、特殊能力ではない。
  • 事象に付随する情報(エイドス)は、現実世界と背中合わせに存在している世界(イデア)に刻まれる。
  • 魔法師はエイドスとイデアにアクセスし、情報を改変する力を持っている。

勢いだけで始めたのでノープランです。次回は何を書きましょう。

エイドスとイデアについて、もう少し掘り下げる必要があるかもしれません。

サイオンとプシオンについては、その後でもいいでしょう。

先に、超能力と異能について紹介した方が理解しやすいかもしれません。

試行錯誤しながら、またいずれ書いてみます。

タイトルとURLをコピーしました