シンクロライナー・フュージョンは、ブラジルの国家公認戦略級魔法師(「使徒」)であるミゲル・ディアス、およびその双子の弟であるアントニオ・ディアスが二人で行使する戦略級魔法[Ⓝ劣-8-8,21-46,31-2・40・41・231∼234・236,Ⓒダ-2-144]。『シンクロライナー核融合』とも表現される[Ⓝ劣-12-316,31-2・19,Ⓒダ-2-144]。
発動過程が派手すぎて隠しにくいため、またブラジル軍が積極的にデモンストレーションで使用してきたため、公開されている戦略級魔法の中でもその性質が最も良く知られている魔法である[Ⓝ劣-21-2・45・50,31-2,Ⓒ動-1-35]。
なお、魔法式はUSNAから供与されたものである[Ⓝ劣-8-8,31-2]。
原理・現象
数キロメートルから数十キロメートルの距離を置いて東西から高密度の水素 プラズマ雲を向かい合わせに加速させ、攻撃目標である中間地点の上空でプラズマ雲を正面衝突させる。さらに東西から圧力を掛け続けることにより核融合反応を引き起こし、その熱と衝撃波で対象地域を破壊する[Ⓝ劣-21-2・45,31-2・232・236,Ⓒ動-1-35]。
戦略核に匹敵するだけの威力を得る為には、プラズマ雲を構成する無数の陽子を一つ一つ、ほぼ同時に正面衝突させる必要がある。その効果は純粋水素核融合爆弾と同じで、破壊力は爆心地からの距離の三乗に反比例する(プラズマ雲の衝突地点での破壊力は戦略核に匹敵するが、衝突地点から遠ざかるにつれて急激に殺傷力が下がっていく)[Ⓝ劣-21-45,Ⓒ動-1-35]。ただし、「無数の陽子をほぼ同時に正面衝突させる」という細かい操作をどうやって行っているのかという肝腎な部分は不明である[Ⓝ劣-21-45]。
◇◇◇
この魔法を実際に観測した司波達也によれば、これは二人一組で発動する術式である。その構成要素はプラズマ化・拡散防止・移動で、東と西の魔法式は移動の方向だけが逆転しているだけで他は全く同じ。達也は「少しでもコースやタイミングがずれれば成り立たず、もしかしたら二つの魔法に込められた事象干渉力も一致する必要があるのかもしれない」と考察したうえで、「七草香澄と七草泉美なら使えるかもしれない」とも考えている[Ⓝ劣-31-233・236・237]。
なお、どちらか一方の魔法式を消去すれば魔法の発動は阻止できるとのことである[Ⓝ劣-31-233]。
巳焼島事変における現象
- 二人の術者がそれぞれの上空に巨大な水素 プラズマの塊(直径50m)を作り出す[Ⓝ劣-31-231]。
- 数秒かけてプラズマ雲を直径5mの完全な球形に圧縮する[Ⓝ劣-31-231・232]。
- 全く同時に、同じ速度(音速の10倍以上)で逆向きに移動させる。この速度で衝突しても核融合反応は起こらないが、衝突したタイミングで東西から圧力を掛け続ければ話は変わる[Ⓝ劣-31-232]。
使用者
ミゲル・ディアス
ミゲル・ディアスは、ブラジル陸軍所属の正規軍人。2097年7月時点での階級は少佐[Ⓝ劣-12-316,21-2・46,31-2・19・40・41,Ⓒダ-2-144]。アントニオ・ディアス
アントニオ・ディアスは、ミゲル・ディアスの一卵性の双子の弟。彼も『シンクロライナー・フュージョン』の術者であり、ミゲルと共に水素 プラズマ雲を作り出して衝突させることでこの戦略級魔法を実行する[Ⓝ劣-31-47・231・234,管補]。発動履歴
1回目
日時
日本時間2097年4月1日(月)6時(現地時間では3月31日17時)[Ⓝ劣-21-28,22-2,31-2・41,Ⓒ動-1-32]
使用者
ミゲル・ディアス(およびアントニオ・ディアス)[Ⓝ劣-21-46,31-41,管推]状況
南アメリカ大陸の旧ボリビア・サンタクルス地区にて、3ヶ月にわたり続いていたブラジル軍と独立派武装ゲリラの戦闘において、劣勢に陥ったブラジル軍が使用(ボリビア爆発事件)[Ⓝ劣-21-28,22-2,31-2,Ⓒ動-1-7・32,孤-1-3]魔法の対象
目標地域の東西上空の空気中の水素?[Ⓝ劣-21-45,管推]
使用CAD
不明
内容
- 爆発の規模は推定数キロトン[Ⓝ劣-21-28,Ⓒ動-1-8]
- 爆心地は武装ゲリラが拠点としていたゴーストタウンの中央[Ⓝ劣-21-29,31-41,Ⓒ動-1-8]
被害
第1報では犠牲者はおよそ1,000人(すべて武装ゲリラ構成員)とのことだったが[Ⓝ劣-21-29,31-2,Ⓒ動-1-8]、数時間後の続報では死者はおよそ9,000人、負傷者はおよそ3,000人と大幅に増えた[Ⓝ劣-21-44,Ⓒ動-1-32・33,孤-1-3]。
影響
同月7日、風間玄信は「『シンクロライナー・フュージョン』の使用により、戦略級魔法の投入に対する(軍や政府など使用する側の)心理的障壁は(世界的に)かつて無く低いものになっている」と述べており、事実その通りになった[Ⓝ劣-21-137,23-38,31-2・41,Ⓒ動-2-72,管補]。
また11日には『質量爆散』の術者を確保する作戦がUSNA軍で再開されることとなったが、これは南米で『シンクロライナー・フュージョン』が使用されたことを受けて「太平洋地域で『グレート・ボム』が使用されるかもしれない」という脅威が現実味を帯びたためである[Ⓝ劣-21-228・229]。
一方で、大規模魔法に対する人々の不安は高まった。世界の目は厳しさを増し、国際世論によるブラジルへの非難が殺到。その勢いは1ヶ月が過ぎても衰えず、反魔法主義運動の加速にもつながった[Ⓝ劣-22-2,23-38・128,30-222,31-2・41,Ⓒ孤-1-3]。
2回目
日時
2097年8月4日(日)9時30分[Ⓝ劣-31-176・231]
使用者
ミゲル・ディアスおよびアントニオ・ディアス[Ⓝ劣-31-231∼234]状況
巳焼島事変にて、巳焼島の東30kmに停泊していた駆逐艦 「ハル」からはミゲル・ディアスが、同じく西30kmに停泊していた駆逐艦「ロス」からはアントニオ・ディアスが、それぞれ上空に水素 プラズマ雲を作り出して加速。巳焼島上空で衝突するように魔法を実行した[Ⓝ劣-31-184・231∼233,管補]。魔法の対象
「ロス」および「ハル」上空の空気中の水素?[管推]
使用CAD
不明
内容
成功していれば爆発力はTNT換算で数キロトン~数十キロトンに達しただろう、と司波達也は推測している[Ⓝ劣-31-232,管補]。
被害
なし(達也の『術式解散』により無効化)[Ⓝ劣-31-232・233・237]

