アイドネウス

アイドネウスは、自身を他人に「印象に残らない人物」と認識させる認識阻害魔法。視認されても自分が誰なのかを認識させない魔法[Ⓝメ-4-240・269,5-166・167,6-149]『鬼門遁甲』の研究から派生的に生まれた[Ⓝメ-4-240]。「相貌認識阻害魔法」とも表現される[Ⓝメ-7-29]

見えなくなるわけでも完全に存在感を無くしているわけでもないので、不審者を警戒している警備員などには存在を認識されるが、誰なのかは認識されない[Ⓝメ-4-240]

また『仮装行列』パレードのような変身ではなく、姿を変える効果は無いため、もともと顔は変わっていない。術者が自分を認識させようと意識して行動すれば、相手は術者の変わっていない姿を識別する[Ⓝメ-4-269,5-167]

誰であろうと群衆モブに紛れることが可能になるため、潜入任務に有用である[Ⓝメ-4-240]

名称の由来は、ギリシャ神話の冥府の王「ハデス」の別名「アイドーネウス」(目に見えない者)。司波達也津久葉夕歌が相談して決めた[Ⓝメ-4-195・239・240]

原理と効果

自分に向けられた視線を利用して相手の意識に干渉し、相貌失認(別名失顔症。相手の顔を見てもそれが誰だか認識できなくなる脳機能障害)を強制することで自分に興味を持たせなくする[Ⓝメ-4-240]

具体的な効果は、各場面で以下のように記述されている。

  • (絶世の美貌を持つ)司波深雪ですら注目されなくなる[Ⓝメ-4-239,管補]
  • 相貌失認の効果は術者本人に対してのみ有効となるため、魔法の影響下にある者に気付かれる可能性はほとんど無い[Ⓝメ-4-240]
  • 監視カメラ越しにも効果はあるが、録画や写真には効果が無い[Ⓝメ-4-240]
  • 顔も体型も分からなくなるが、服装は認識できる[Ⓝメ-5-167]
  • サプタ・リシの一人、メグレズ(シーラ・ラナ)は、この魔法を発動している司波達也を見て「幾ら目を凝らしてもはっきりとした印象が意識に投影されない」「見えているのに、ふとした弾みで見失いそうになってしまう」「影のような魔法師」という感想を抱いている[Ⓝメ-6-235・236]
  • この魔法を発動しながら達也が小野遥に再会した際、遥はそれが達也だと分からなかった。達也が歩み寄ってくると「良く知らない男性が近づいてくる」という警戒感は覚えたが、その顔に見覚えは無かった[Ⓝメ-4-269]
    同様に深雪のことも認識できなかった。達也の隣に正体不明の「その他大勢モブ」が、顔は良く分からないが平凡だとしか思えない女性が立っていることから「もしかして」と口にしたが、深雪の輝きですら消してしまえるというのは思ってもみないことで、信じられない、考えられない、あり得ないと叫びたい気分になっていた[Ⓝメ-4-270・271]
  • この魔法を発動している達也の左手を両手で握った黒羽文弥は「触れた感じは普通で、知覚をねじ曲げられているという感じはしない、それなのに認識が薄れている・・・・・」「一度はぐれたら分からなくなりそう」と評している[Ⓝメ-5-243]

開発の経緯

周公瑾の追跡に苦労させられた経験から、四葉家では『鬼門遁甲』についての研究が進められてきた。主に『鬼門遁甲の破り方についての研究』だが、『現代魔法による鬼門遁甲の再現』も同時に進められていた。これらの研究の中心になっているのは、精神干渉系魔法に高い適性を有する津久葉家、その中でも特に優れた適性の持ち主である津久葉夕歌であった[Ⓝメ-4-190・191]

2100年7月の時点では、夕歌いわく「現代魔法による再現の見込みは無し」。九島光宣からノウハウはもらっているのだが、現代魔法とはメソッドが違い過ぎて難しいらしい[Ⓝメ-4-193]

その代わり、『鬼門遁甲』とは全くの別物だが似たような効果を持つ魔法の開発には成功した。これが『アイドネウス』である。正確には「まだ完成ではなく、あと一歩で開発できそうなところ」まで持ってきた[Ⓝメ-4-193・194]

それを知った司波達也は、夕歌を手放しで称賛。データを見たところ数日で完成できると判断して開発を引き継ぎ、2日後の7月9日に完成させた[Ⓝメ-4-194∼196・203・239]

備考

  • このような効果の魔法は、これまでの現代魔法にはなかった[Ⓝメ-4-194]
  • 司波達也は『アイドネウス』の魔法式「マジストア」登録し、特に意識しなくてもこの魔法を継続的に発動できる魔法ツールに仕立てて使用している[Ⓝメ-4-240,5-242]
  • 言語能力喪失事件への対応の折、達也と深雪はこの魔法を使用してアメリカ西海岸を行動した[Ⓝメ-4-240,管補]。またウズベキスタンの探索ではアンジェリーナ=クドウ=シールズも使用している[Ⓝメ-5-166・167]
  • 深雪がこの魔法を解除する瞬間を目撃した小野遥は、意識を消し飛ばされるような激しい衝撃を受けた。平凡だとしか思えなかった女性が、突然天上の美を体現した美女に替わったと感じた。そのギャップによって精神に耐え難いダメージを負い、思わずふらついて膝をついた(岩や石の河原だったら怪我をしていたかもしれない)[Ⓝメ-4-270・271]
  • 『アイドネウス』の開発を引き継いだ達也は、滅多に無いことだが、文字通り寝食を忘れてこれに取り組んだ[Ⓝメ-4-196]
  • 魔法の完成後、達也はこの魔法を黒羽家には優先的に供給するよう津久葉夕歌に頼んでいたが、黒羽貢が「慎重なテスト」を行っており、1カ月近く経っても黒羽家にはまだ広められていない[Ⓝメ-5-243]
タイトルとURLをコピーしました