精神構造干渉魔法【せいしん-こうぞう-かんしょう-まほう】は、相手の精神に作用し、その在り方を作り替える魔法[Ⓝ劣-8-169,16-192・193,Ⓒ四継-2-118]。他人の精神という事象、その構造に干渉し、精神の構造そのものを改変する、精神を直接作りかえる系統外・精神干渉系魔法[Ⓝ劣-7-253,8-198・269・275,9-127,16-74,21-89,メ-8-242,Ⓒ追憶-3-72]。司波深夜が得意とする、司波深夜だけが使える唯一無二の特殊な魔法[Ⓝ劣-3-157,7-253,8-4・198・251・275・280,16-74・192,21-89,メ-8-242,Ⓝ㊕メランコリック(電マガ-62)-60,App-2-435,Ⓒ追憶-3-72,四継-2-118,㊮ドラマ追憶パンフ-5,GB-追憶-6]。精神そのものに干渉する魔法のひとつ[Ⓝ劣-21-89]。
作中では「禁忌の系統外魔法」とも表現されている[Ⓝ劣-3-155,Ⓝ㊕メランコリック(電マガ-62)-60,App-2-435,Ⓒ九校-1-121,追憶-3-72,管補]。
特徴
- 特定の衝動をターゲットにして干渉することもできるらしい[Ⓝメ-9-187]。
使用例
四葉真夜
司波深夜によれば、人の精神には記憶を格納する器がいくつもあって、一人の人間の記憶は一つではない。そして自分の経験を記憶する器と、文字や映像で知識として取り入れた記憶を格納する器は形が異なっている。ただし深夜にはその中身を覗くことはできず、その器の中に何の記憶が入っているのかは分からない。分かるのは器の中に入っている記憶が「経験」なのか「知識」なのかだけである[Ⓝ劣-8-275]。故に深夜は崑崙方院に拉致された四葉真夜に対して、記憶を変質させる形でこの魔法を行使した。具体的には経験記憶を意味記憶に作り変える(経験を格納した記憶の器を知識を格納する記憶の器に作り変える=記憶の形を作り変える)ことで記憶を感情から隔離し、人体実験の記憶が生の感情に結び付かないようにした。ただし12歳当時の深夜は、拉致された3日間の経験記憶だけを抜き出して意味記憶に作り変えるような細かい操作はできず、真夜の12年間全ての経験記憶を意味記憶(知識)に変質させることしかできなかった[Ⓝ劣-8-270・276,Ⓒ四継-3-55・57,師族-2-64]。
これにより真夜は、拉致された間の記憶ははっきりと有しつつも、それに対する実感を少しも持てなくなった。本人によれば「全部自分のことなのに、まるで映画でも見ているみたいに『ひどい』とか『かわいそう』としか思えない」とのことである。幸せだった記憶までをも知識に作り変えられた真夜は「喜びも怒りも、楽しかったことも悲しかったことも、私の今までは全て単なるデータになっちゃった」と述べ、「人は経験によって形作られて行くものであり、過去の自分があって今の自分があるのだから、その経験が単なる知識に変わるということは、昨日までの自分が自分以外のものに変えられて自分の中から消えてしまうということ」「私は昨日までの自分を姉さんに殺された」と語った[Ⓝ劣-8-274・276・277,メ-9-156,Ⓒ四継-3-57・58,師族-2-65,管補]。後には「姉妹の情はあの時に枯れ果てている」とも表現している[Ⓝ㊕結実(継承電撃FAN)-18]。
司波達也
ここで「強い感情」だけを奪い取ったことについて四葉真夜は「司波深夜の意思によるもの」と述べたうえで、「本当は全ての感情を消し去った方が簡単だし負担も少ないのだが、自分の寿命を削ると知りながらも深夜は注意深く達也の精神に手を加えた」旨を語っている[Ⓝ劣-16-234・235,Ⓒ四継-3-64,管補]。
また真相は不明だが、深雪に対する自身の愛情について達也は「深夜の精神改造によって植え付けられたものかもしれない」「感情を一種類に制限することができるなら、その結果として残された想いが強められるというのはありそうなことだ」などと考えている[Ⓝ劣-24-269,管補]。
◇◇◇
この実験の副産物として達也は忘却と無縁になり、どんなに複雑な情報であろうと、どれだけ大量のデータであろうと自由自在に、正確に記憶から引き出せるようになった(記憶能力のコントロール)[Ⓝ劣-31-252,メ-9-128]。実際に達也は、6歳以降の出来事を全て覚えているらしい[Ⓝ㊕メランコリック(電マガ-62)-55,App-2-418]。
その一方で、達也はこの実験以前の記憶についてそれを自分のことと実感することができず、何となく映画でも観ているような印象を持っている[Ⓝ劣-16-202,Ⓒ四継-2-146]。「5歳以前の記憶は不確かで、全く何も覚えていないというわけではないが、実験以降の明瞭な記憶に比べれば夢と区別がつかない曖昧な情景、断片的な会話の欠片でしかない」とも独白している[Ⓝ㊕メランコリック(電マガ-62)-55,App-2-418]。
また理屈は不明だが、この実験以降、達也は睡眠中に夢を見なくなったらしい[Ⓝメ-9-128,Ⓝ㊕パラディン-2-23]。
なお達也は光井ほのかに対して、自分が恋愛感情を抱けないことについて「過去の魔法事故で精神の機能の一部を消されたため」と説明している[Ⓝ劣-5-58,Ⓝ㊕夏休-下-31,App-2-89]。
備考
- 記憶を奪う魔法ではない[Ⓝ劣-8-269]。
- この魔法を使うとき、司波深夜はラップトップタイプ以上の大型CADを使用する[㊮GB-追憶-6]。
- 精神の構造を変えることができる深夜は、精神の構造を認識することができる(精神構造認識力)[Ⓝ劣-8-275]。
- 四葉一族はかつて「超越者」への妄執に囚われていたが、その原因の一端はこの『精神構造干渉魔法』にある。すなわち、(上述したように)自我が未発達どころかまるで形成されていない胎児ならば(『精神構造干渉』によって)精神の在り方を幾らでも変えることができるし、また精神の力を生まれつき強大なものとできるのではないか。そうすることで「絶対的な力を持つ守護者」を生み出せるのではないか。当時の彼らはそんな妄想、超人願望に取り付かれていた[Ⓝ劣-16-193,Ⓒ四継-2-118・119,管補]。
- 四葉真夜によれば、深夜は『精神構造干渉魔法』で相手の無意識領域に干渉し、ゲートを一時的に閉ざすことができるだけの力を有していた[Ⓝ劣-16-231,Ⓒ四継-3-43]。
- 四葉家の伊豆の別荘、その傍に建てられている小さな一軒家は、別荘で静養する深夜を見守る為のものである。このような見守りが必要となったのは、『精神構造干渉魔法』という特殊な魔法資質を有する深夜を狙って誘拐を企む不届き者が現れることが予想されたためである(実際に誘拐目的の襲撃が3回起こった)[Ⓝ劣-24-79・80]。
- 「自身の0歳児時点のものかもしれない深夜と真夜のイメージが、記憶と同じ場所に残っている」旨を司波達也は語っている[Ⓝ㊕メランコリック(電マガ-62)-55,App-2-420]が、これが何を意味するのかについて現時点では判断できない[管想]。
- 沖縄海戦ののち、深夜は『誓約』を編み出したが、同時に達也の魔法演算領域に司波深雪の魔法制御力を受け容れる一種のバックドアを作った[㊮GB-劣1-10-26]。このバックドアを作るために『精神構造干渉魔法』を用いた可能性は否定できないように思われる[管想,管推]。






