窒息乱流〈ナイトロゲン・ストーム〉は、窒素の密度を引き上げた空気塊を生み出して移動させる、収束・移動系複合の高等魔法[Ⓝ劣-12-348・349]。
酸素濃度を極端に低下させた上で、これを人を吹き飛ばすほどに激しく動かす。もし少しでも吸い込んでしまうと、低酸素症で意識を失う[Ⓝ劣-12-348・349,26-153]。十分な殺傷力を持つ魔法だが、相手に重大な後遺症を残さないように威力をコントロールすることも可能[Ⓝ劣-12-355・358]。 気体の成分構成を維持しつつ、その流れを操るという術の制御が非常に難しい[Ⓝ劣-12-349・350]。
「低酸素症で相手を無力化する魔法」という意味で、この魔法は七草真由美が対人戦闘の切り札にしている『ドライ・ミーティア』と同じカテゴリーに属しているが、魔法の難易度は『窒息乱流』の方が上[Ⓝ劣-12-349]。
七草香澄、七草泉美、九島光宣が使用している[Ⓝ劣-12-348,22-259,26-153・170]。使用履歴
2096年4月の模擬戦
七宝琢磨との模擬戦の際に、七草香澄・七草泉美が『乗積魔法』で発動した。二人で発動したのは、難度が高すぎて一人では発動できないためである[Ⓝ劣-12-348∼350]。双子のこの魔法について司波達也は「気流操作の粗さが目立ち、使いこなせてはいない」としつつも、「それでも高校生レベルではまずお目に掛かれない高等魔法であり、大したものだ」と評している[Ⓝ劣-12-349・350]。
三矢詩奈失踪事件
香澄と泉美はこの魔法を、三矢詩奈失踪事件の折にも使用している[Ⓝ劣-22-259・260]。このときは、『窒息乱流』を発動した直後に『ドライ・ブリザード』を、さらに『酸素空洞』を、立て続けに発動。『窒息乱流』によって押し退けられた窒素以外の空気成分から、二酸化炭素をかき集めてドライアイスの雹を降らせ、さらに高濃度酸素の領域を作り出して低酸素症の治療を行った[Ⓝ劣-22-260]。
この一連の手順は非常に合理的だと思われ、コンビネーション魔法に分類されるものかもしれない[管推]。
七草・十文字連合 vs 九島光宣
2097年には、双子と九島光宣との戦闘の際に使用された[Ⓝ劣-26-153]。
このときは窒素の割合が90%を超える強風を生み出したが、双子の得意魔法であることは光宣に知られており、障壁魔法と『下降旋風』で無効化され、さらにカウンターを決められた[Ⓝ劣-26-153・178]。
カウンターを成功させた具体的な方法についてだが、光宣は『相手が発動中の魔法と同種類の魔法を使うことで自他の魔法を誤認させる技術』を使って、二人に気づかれないように酸素濃度低下の魔法を発動し気絶させた[Ⓝ劣-26-154・155]。
九島光宣 vs 十文字克人
2097年、十文字克人と戦った際に九島光宣が使用したが、これは『ファランクス』で防がれた[Ⓝ劣-26-170]。