射程伸長術式【しゃていしんちょうじゅつしき】は、銃弾等の物体の飛距離を伸ばす仮想領域魔法[Ⓝ劣-8-]。
司波達也が沖縄海戦で『質量爆散』を行使する際に利用した術式[Ⓝ劣-8-238・245]。 真田繫留が開発した射程伸長術式組込武装一体型CADでは、加速系統と移動系統の複合術式が採用されており、7.62mm弾で最大射程16kmを実現している[Ⓝ劣-8-133]。原理と発動手順
この魔法を使うと、銃口の先にパイプ状の仮想領域が展開される。これは内部を通り抜ける物体の速度を増大させるもので、パイプが長いほど射程距離は伸びる[Ⓝ劣-8-245]。
魔法の工程は次の通り[Ⓝ劣-8-246]。- 物体の見かけ上の慣性質量を引き下げる。
- 物体の速度を引き上げる。
- 物体の慣性質量を元に戻す。
これらの慣性質量操作、および速度操作の倍率が、魔法の変数となっている[Ⓝ劣-8-246]。
司波達也の工夫
沖縄海戦において司波達也は、本来の仮想領域の先に、もうひとつ仮想領域を追加構築した[Ⓝ劣-8-246]。この2段目の仮想領域では、慣性質量操作の倍率がプラス、速度の倍率が等倍、慣性質量の復元が無効化されていた[Ⓝ劣-8-246]。
この2段目の仮想領域は、1段目の領域で加速した弾丸の慣性質量を引き上げるためだけのものである[Ⓝ劣-8-246]。慣性質量が大きくなると、空気抵抗の影響が相対的に低下し、飛距離が伸びる[管補]。
この工夫により、射程距離は20kmまで伸びた[Ⓝ劣-8-247]。
備考
- 1段目の仮想領域については、慣性質量を下げることによって、短い加速距離で大きな速度が得られるものと考えられる。また慣性質量を復元することで「世界」に対する改竄の程度が小さくなり、要求干渉力がより小さく済むのではないかと推測する[管推]。
- 2段目の仮想領域については、明記はされていないが、1段目の仮想領域と同じ起動式に、異なる変数を入力した可能性がある。
しかし、銃弾を発射せず、構築した魔法式を待機させたまま、同じ起動式を再び読み込む、というテクニカルな手段を、未調整のCADでできるのか、という疑問もある。
これをふまえると、フラッシュ・キャストの応用で、変数だけ異なる魔法式を直接構築したのかもしれない。もしそうなら、真田の驚きも納得が行く。
もちろん、単なるマルチ・キャストであって、真田は「即興で」「追加構築」という部分に驚いたという可能性もある[管推]。
- 「移動系統」の術式がどのように関わっているかは明記されておらず、不明である。
ただ、過去にSeesaaWikiで「放物線軌道で飛ぶのではなく直進させるためのものではないか」というコメントをもらっている。