ドライ・ブリザードは、ドライアイスの雹の弾丸を一面に降らせる魔法[Ⓝ劣-4-446,15-205,22-260,26-159,Ⓒ古都-4-130]。
空気中の二酸化炭素を集めてドライアイスの粒子を作り出し、凍結過程で余った熱エネルギーを運動エネルギーに変換してドライアイス粒子を高速で飛ばす収束・発散・移動系統の複合魔法[Ⓝ劣-4-8・446]。特徴
- 二酸化炭素を凝結 温度まで引き下げる為に放出する熱量(顕熱)と二酸化炭素の凝結時に放出される熱量(潜熱)をドライアイスの弾丸の運動エネルギーにすり替えるため、気温が高くなるほど弾速が増す[Ⓝ劣-4-446]。なお2096年10月に七草真由美が使用した際の弾速は500~600km/hであった。ただし真由美はこのとき、わざと威力を落としている[Ⓝ劣-15-206・208]。
- 弾速は音速に遥かに及ばず、また弾丸も鉛弾に比べれば随分軽いが、魔法で固められた弾が人の皮膚と肉を貫くには十分である[Ⓝ劣-15-206,管補]。
- 魔法としての効率は良いらしい[Ⓝ劣-3-315]。
現象
- 2095年度九校戦・モノリス・コード本戦の対九高戦において服部刑部少丞範蔵がこの魔法を使用した際、上昇気流と共に白い霧が敵チームの頭上に生じた。霧はたちどころに濃度を増し、ドライアイスの雹と化して降り注いだ[Ⓝ劣-4-446,管補]。
- 2097年6月に七草真由美が調布碧葉医院の屋上でこの魔法を使用した際、屋上の上空3mに二酸化炭素の気塊が形成され、そこからドライアイスの礫が降り注いだ[Ⓝ劣-26-159,Ⓒイン-2-98・99,管補]。
二酸化炭素の収束工程と「世界」について
空気中の二酸化炭素濃度は350~400ppm(3/10,000から4/10,000)で、実はごくわずかしか含まれていない。しかしこの数字は、地上から上空10,000mまでの二酸化炭素を集めれば、1atm下において2m前後の高さの層ができるという意味でもある[Ⓝ劣-15-205,管補]。空気の成分は大気中に均等に分布している。魔法によってこの分布を偏らせると、これを是正しようとする作用が「世界」からもたらされる。ある狭いエリアに特定の気体成分(この場合は二酸化炭素)を集めると、その周りの二酸化炭素濃度が低下する。「世界」はこれを是正する為、気体分子の連鎖的な入れ替えにより気流を発生させることなく濃度が低下したエリアに二酸化炭素分子を送り込む[Ⓝ劣-15-205・206]。
魔法でドライアイスを作る為の二酸化炭素収束プロセスでは、ミクロ的に見れば音速を超えた気体分子の運動による入れ替えが連鎖的に発生しているのだが、この現象の興味深い点は、起点となる事象改変を起こしている魔法師は大気レベルのマクロ的な気体分子の構成変化に関与していないということにある。ごく狭いエリアに二酸化炭素を一方的に収束するだけで、「世界」は魔法による事象改変の影響を打ち消す為に不足する原料を調達してくれるのである[Ⓝ劣-15-206,管補]。
バリエーション・応用
- 七草真由美のドライアイスの弾丸を撃ち出す魔法は、『ドライ・ブリザード』のバリエーションである。[Ⓝ劣-3-315,4-446,15-205,㊮GB-劣1-5-22,管補]。
- 服部刑部少丞範蔵が得意とするコンビネーション魔法・『這い寄る雷蛇』では『ドライ・ブリザード』が利用されている[Ⓝ劣-4-8・446・447,SS-74・75]。
- 七草香澄と七草泉美は『窒息乱流』の発動後、押し退けられていた空気成分(窒素は消費済み)から二酸化炭素をかき集めて『ドライ・ブリザード』を発動した[Ⓝ劣-22-260,管補]。
- 作中では『ドライ・ブリザード』で生じたドライアイスの物理化学的な性質を利用している様子が描写されている[管補]。たとえば導電性を利用したものがある。『ドライ・ブリザード』でドライアイスを発生させると周りの空気は冷却され、水蒸気は凝結して細かな霧雨となる。水は二酸化炭素を吸収するので霧には炭酸ガスが溶け込んでいることになるが、これにより導電性が高まっている。ここで電流を用いて攻撃するなどの応用がある(『這い寄る雷蛇』)[Ⓝ劣-4-446∼449,SS-74・75,㊮GB-劣1-7-23]。また二酸化炭素中毒を利用したものもある。真由美は2097年6月、『ドライ・ブリザード』でドライアイスを大量に降らせたのち、一斉に昇華させて二酸化炭素濃度が極めて高いマイナス数十℃の檻を形成し、その中に九島光宣(の幻影)を閉じ込めた[Ⓝ劣-26-159・160,Ⓒイン-2-100]。

