霹靂塔【へきれきとう】は、大亜連合の国家公認戦略級魔法師(「使徒」)である劉雲徳、およびその“孫娘”であり新たに「使徒」となった劉麗蕾が操る大規模攻撃の戦略級魔法[Ⓝ劣-8-8,23-40∼44,26-238,㊮GB-劣3-2-24]。
劉雲徳(あるいは劉麗蕾が所属していた魔法師グループ)が開発した[Ⓝ劣-26-238,メ-7-221・229]。
概要
『霹靂塔』は限定空間に対して干渉し、広範囲に大規模な雷を落とす魔法[Ⓝメ-7-230,㊮GB-劣3-2-24]。直接的な殺傷の為の魔法というよりも、工場やインフラを破壊する為の魔法である[Ⓝ劣-23-45,Ⓒ孤-1-21・23,㊮GB-劣3-2-24]。殺傷能力は高くないが、十分な避雷装備を持たない軽装の兵士や平服の民間人であれば簡単に命を奪う[Ⓝ劣-23-47・48,Ⓒ孤-1-24・25]。
魔法の規模の調節幅が広く、通常の電撃魔法と見間違われるレベルまで規模を引き下げることができる。このため戦略級魔法の中でも使い易い魔法だと言える[Ⓝキ-3-262,管補]。なおドーム状の空間を魔法の対象としているイメージが多く持たれているが、実際には「塔」の名称が示す通り、円筒形に切り取られた空間を対象としている[Ⓝメ-7-230,管補]。
原理・現象
領域内の電気抵抗を引き下げた上で電子雪崩を引き起こし、落雷を発生させる[Ⓝメ-9-235]。
目標エリア上空で電子雪崩を引き起こす魔法と、目標エリアの電気抵抗を断続的かつ不均等に引き下げる魔法の二種類の魔法から構成されており、前者は雷に必要な電気を作り出す為のプロセスで、後者はちょうど絶縁破壊が起こるレベルに抵抗値を設定するプロセスである。これを短いインターバルを置いて断続的に引き起こすことによって、落雷を連続発生させる[Ⓝ劣-23-45・46,Ⓒ孤-1-22,㊮GB-劣3-2-24]。実際に行使する際には、まず対象の空間に電気抵抗低下の円筒形フィールドを形成する。このフィールド内部で電位差が発生して上部で電子雪崩の兆候が生じ、その直後には放電が立て続けに発生する[Ⓝメ-7-230]。
特徴・詳細
- 『霹靂塔』の特徴は単発の威力よりも手数を重視している点にあって、一度の魔法でそれなりの威力の雷を広範囲に降らせる。軽装の歩兵には悪夢のような魔法だが、ある程度しっかりした落雷対策をしておけば致命傷には至らない[Ⓝ劣-23-46,Ⓒ孤-1-23,㊮GB-劣3-2-24]。
- 短いインターバルを置いて断続的に落雷を発生させるということは、その一帯の電磁界が連続して急激に変動することを意味する。しかも落雷の瞬間には、そのエリア内の全ての物体の電気抵抗が絶縁破壊を引き起こすギリギリのレベルにまで引き下げられている。結果として、『霹靂塔』は広い範囲で電子機器に深刻なダメージを発生させる[Ⓝ劣-23-46・47,27-152,Ⓒ孤-1-23,㊮GB-劣3-2-24]。
- 『霹靂塔』は医療施設も麻痺させるため、即死でなくても助からない者は増える[Ⓝ劣-23-48,Ⓒ孤-1-26]。
- 『霹靂塔』は一般に大規模攻撃魔法と考えられているが、実は劉雲徳がそういう形でしか運用できなかっただけである。劉麗蕾の場合には魔法の規模をコントロールし、戦略級から対人レベルまで任意の規模に照準を設定することができる[Ⓝメ-7-229・231,管補]。
- 電気抵抗の低減率は魔法式に定数として組み込まれているが、電子雪崩の規模は変数になっている[Ⓝメ-9-235]。
- 『霹靂塔』の(落雷の)強さは魔法の対象に設定したエリアの広さに応じて決まるが、意識すればほとんど観測されないレベルに落雷を抑えることができる[Ⓝメ-9-236,管補]。
- 電子回路は、電気抵抗を急激に引き下げるだけでショートする。したがって魔法式の変数となっている電子雪崩の規模を極小にして『霹靂塔』を発動すれば、落雷をほとんど観測されないレベルに抑えつつ、ドローンなどを堕とすことができる[Ⓝメ-9-235・236・238・239]。
使用者
劉雲徳
劉雲徳は「灼熱のハロウィン」で戦死した。大亜連合はこのことをひた隠しにしてきたが、2097年5月2日に公に認めた[Ⓝ劣-8-8,23-40・44,26-238,メ-7-228,Ⓒ孤-1-18・20,㊮GB-劣3-2-24]。劉麗蕾
劉麗蕾は、『霹靂塔』と『電磁場遮断』の二種類の魔法に特化した魔法師。大亜連合の新たな「使徒」であり、大亜連合が普段から使える唯一の戦略級魔法師。2097年5月初頭、および同年6月末~7月上旬ごろに『霹靂塔』を実戦使用した[Ⓝ劣-23-40∼43,26-238,27-135・144,メ-7-218・225・228,キ-3-124・263,Ⓒ孤-1-15・17・18,キ-6-108,㊮GB-劣3-2-24]。発動履歴
1回目
日時
2097年5月2日(木)[Ⓝ劣-23-35・38]
使用者
劉麗蕾[Ⓝ劣-23-40∼44,Ⓒ孤-1-15]状況
アフリカ大陸のギニア湾岸、ニジェール・デルタ地域において、大亜連合はフランスが支援している武装勢力・ニジェール・デルタ解放軍(EAND)と敵対している。このEANDは最近フランスから無人自動兵器の提供を受け、これにより大亜連合軍は苦戦していた。今回の『霹靂塔』は、この無人自動兵器を破壊するために行使された[Ⓝ劣-23-38・39・48・52,Ⓒ孤-1-15∼17・24・32]。魔法の対象
不明
使用CAD
なし(劉麗蕾はCADを必要としない)[Ⓝ劣-27-144・153,メ-7-225,キ-3-125]
内容
不明
被害
- 第1報では多数の死傷者が出たとされ[Ⓝ劣-23-38]、夕方時点では死者800名と報道された[Ⓝ劣-23-45]。翌日時点では「死者は900名に満たない」とされている[Ⓝ劣-23-52,Ⓒ孤-1-15]。
- 欧米のマスコミは、実際には現地人だけで死者3,000人を超えていると推測している。この中には武装ゲリラやテロリストも紛れているだろうが、大勢の民間人が含まれていることも確実である[Ⓝ劣-23-52]。
補足
- 大亜連合は、今回の戦果を積極的に公表した。これについて司波達也は「フランスに対する牽制が主目的」とした上で、「劉麗蕾という新たな使徒のお披露目、すなわち『(わが国には)劉雲徳に代わる戦略級魔法師がいる』という抑止のためのデモンストレーションも兼ねている」旨を述べている[Ⓝ劣-23-38∼41,Ⓒ孤-1-15∼18,管補]。
2回目
日時
2097年6月末~7月初頭ごろ、大ソ戦争にて使用[Ⓝ劣-26-223・227,27-132・208,管推]
使用者
劉麗蕾[Ⓝ劣-26-240,27-133]
状況
不明
魔法の対象
不明
使用CAD
なし(劉麗蕾はCADを必要としない)[Ⓝ劣-27-144・153,メ-7-225,キ-3-125]
内容
不明
被害
- 新ソ連によれば、多数の民間人が殺傷されたとのことである[Ⓝ劣-27-208]。
3回目
日時
2099年[Ⓝキ-3-263]
使用者
劉麗蕾[Ⓝキ-3-263]
状況
第三高校の模擬戦で使用[Ⓝキ-3-261]魔法の対象
第三高校の同級生男子の周囲の領域[Ⓝキ-3-263,管推]
使用CAD
なし(劉麗蕾はCADを必要としない)[Ⓝ劣-27-144・153,メ-7-225,キ-3-125]
内容
魔法の規模は対人レベルまで落としている[Ⓝキ-3-263]。被害
男子生徒が一瞬で麻痺し戦闘不能となった[Ⓝキ-3-263]。
4回目
日時
2100年9月19日(日)[Ⓝメ-7-215・229]
使用者
劉麗蕾[Ⓝメ-7-229・230]
状況
一条将輝に『媚香』を使用した藍采和を捕らえるために対人レベルで使用[Ⓝメ-7-227]魔法の対象
藍采和の周囲[Ⓝメ-7-229]
使用CAD
なし(劉麗蕾はCADを必要としない)[Ⓝ劣-27-144・153,メ-7-225,キ-3-125]
内容
藍采和の周囲の円筒形空間を対象として、運が良ければ死ぬことはない程度の威力で発動。放電自体は2~3秒程度だった[Ⓝメ-7-229・230]。
被害
- 藍采和が治癒魔法による治療を要する程度の重傷を負った[Ⓝメ-7-231・232]。
- 周辺の電子機器に被害が出ている可能性がある[Ⓝメ-7-232]。
5回目
日時
2100年10月15日(金)[Ⓝメ-9-223]
使用者
劉麗蕾[Ⓝメ-9-238]
状況
上越市上空に侵入しようとしている大亜連合の式神ドローンを堕とす為、STOVLの機内から使用[Ⓝメ-9-235∼239]魔法の対象
敵ドローン群周辺の横長の楕円柱領域[Ⓝメ-9-237・238,管補]
使用CAD
なし(劉麗蕾はCADを必要としない)[Ⓝ劣-27-144・153,メ-7-225,キ-3-125]
内容
- 照準の補助としてARゴーグルを使用[Ⓝメ-9-236・237]。
- 楕円柱領域を照準した際、『霹靂塔』の事象干渉力が式神ドローンに掛けられている隠蔽魔法の効力を掻き消し、多数の機体が出現した[Ⓝメ-9-238]。
- 使用時には雷未満の空中放電が発生し、これによりSTOVLの無線に空電ノイズが混じった[Ⓝメ-9-238]。
被害
- ほとんどのドローンを海に墜落させたが、4機逃した[Ⓝメ-9-238・239]。
6回目
日時
2100年10月24日(日)[Ⓝメ-10-106]
使用者
劉麗蕾[Ⓝメ-10-123]
状況
劉麗蕾自身に仕掛けられた暗示を利用し、陳静娜が「一条将輝を殺せ」と命令。劉麗蕾の中で『霹靂塔』の魔法式の構築が行われた[Ⓝメ-10-119・120・123]。
魔法の対象
一条将輝の周囲の空間[Ⓝメ-10-120,管推]
使用CAD
なし(劉麗蕾はCADを必要としない)[Ⓝ劣-27-144・153,メ-7-225,キ-3-125]
内容
- 劉麗蕾は暗示に全力で抵抗しつつも魔法式は構築され、あとは放つだけの段階にまで至った[Ⓝメ-10-120∼123]。
- 一条茜が『神経攪乱』で劉麗蕾を気絶させ、『霹靂塔』は未発に終わった[Ⓝメ-10-124・125]。
被害
- なし
備考
- 大亜連合軍の一般兵士や多くの士官には、『霹靂塔』について曖昧な情報しか知らされていない[Ⓝメ-6-225,管補]。
- 大亜連合軍の一般兵士にとって、『霹靂塔』は自軍の切り札という以上に何時自分たちの頭上に落ちて来るか分からない懲罰の雷である[Ⓝメ-6-225]。

