コキュートスは、絶対的な強制力で精神を凍結する系統外・精神干渉系魔法[Ⓝ劣-7-253・254,21-89]。
精神そのものに作用する、精神という事象を改変する魔法[Ⓝ劣-11-302,21-89]。
精神活動を永続的に停止させる魔法[Ⓝ劣-28-109]。
深雪の冷凍魔法は、『コキュートス』が物理世界に干渉するものへ形を変えた派生形態である[Ⓝ劣-7-253]。
『誓約』を解除した状態であれば、CAD無しに行使することが出来る[Ⓝ劣-7-252]。
パラサイトなどの霊子情報体も、この魔法の対象となる[Ⓝ劣-11-302]。原理
実体物を凍結するものではなく、精神を、認識の世界を凍結する[Ⓝ劣-7-253・254]。
この魔法を行使された人間の精神が蘇ることは無い。凍りついた精神は死を認識できず、肉体に死を命じることもできない。凍りついた精神に縛られた身体は死ぬこともできず、最後に命じられた姿勢のまま彫像と化す[Ⓝ劣-7-254]。
精神の「静止」に伴い、肉体も停止・硬直する。精神と肉体の相互作用により、肉体の部分的な結晶化が観測されることもある[Ⓝ劣-9-17]。
『コキュートス』を浴びた精神は、完全に停止し、二度と動き出すことは無い。肉体という確固とした存在とのつながりを持たない精神は、情報体を保つことが出来ずに霧散する(精神生命体の消滅)[Ⓝ劣-27-299・300]。
『コキュートス』が対象とするのは、「精神活動」という「情報」である。『コキュートス』は、「精神活動」を永続的に停止させる。魔法という精神活動も例外ではなく、たとえば『コキュートス』の直撃を『仮装行列』で防いだならば、その人物は二度と『仮装行列』を使えなくなる。掠めただけであっても、しばらくは魔法力の低下に悩まされることになる[Ⓝ劣-28-38]。
『コキュートス』を受けた者の精神は、二度と活動を再開しない。夢すらも見ない。これは他人から見れば死んでいるのと変わらず、本人は過ぎゆく時間に取り残されて止まったままであり、これは死と変わらないと言える[Ⓝ劣-28-109]。
なお、『コキュートス』は精神を不可逆的に不活性化するものであり、凍結状態を強制し続けるものではない[Ⓝ劣-32-43]。
欠点
『コキュートス』の最大の欠点は、「手加減が出来ない」という点にある。直撃を受ければ事実上の死に至る以外の結末は無い[Ⓝ劣-28-38,Ⓝメ-1-271]。
この欠点を改善したのが、冬眠魔法『アイシィソーン』である[Ⓝメ-1-271]。
使用履歴
1回目
日時
2092年8月11日[Ⓝ劣-8-,Ⓐ劣3-B]
状況
沖縄海戦時、恩納基地内で叛乱を起こした軍人に行使[Ⓝ劣-8-,Ⓐ劣3-B]魔法の対象
レフト・ブラッドの国防軍人、マークの精神[Ⓝ劣-8-,Ⓐ劣3-B]使用CAD
なし(『誓約』をかけられていなかった時期であると思われる)[Ⓝ劣-8-169,管推]
2回目
日時
2095年10月30日[Ⓝ劣-7-253,Ⓐ劣1–]
状況
横浜事変にて、横浜市・桜木町駅付近で行使[Ⓝ劣-7-253,Ⓐ劣1–]魔法の対象
大亜連合軍の戦闘員の精神[Ⓝ劣-7-253,Ⓐ劣1–]使用CAD
なし(『誓約』解除状態)
3回目
日時
2096年2月19日[Ⓝ劣-11-244,Ⓐ劣2–]
魔法の対象
パラサイトの統合体[Ⓝ劣-11-302,Ⓐ劣2–]状況
吸血鬼事件にて、パラサイトの統合体を始末するために行使[Ⓝ劣-11-302,Ⓐ劣2–]魔法の対象
パラサイトの本体
使用CAD
不明(文脈から、『誓約』解除状態であったと思われる)[Ⓝ劣-11-302]