ジークフリート(Sieg fried)は、西城レオンハルトが切り札としている、攻防一体の魔法[Ⓝ劣-SS-334,Ⓝ㊕美獣-下-31]。
自分自身の肉体を「硬化」する肉体不壊化魔法[Ⓝ劣-SS-340,Ⓝ㊕美獣-下-32]。
原理
肉体を構成する分子の相対位置について、外部からの変更を受けつけないようにする魔法。魔法発動時点の分子の相対位置を固定するのではなく、常に肉体が決定した今この瞬間の相対位置を固定するように作用する。伸縮する皮膚と筋肉、曲げられた骨格がそれ以上変形も変質もしないようにする[Ⓝ劣-SS-340,Ⓝ㊕星呼-171,Ⓝ㊕美獣-下-32]。特徴
『ジークフリート』は、肉体の「情報」を維持することで、外的な力による変化をキャンセルする[Ⓝ㊕星呼-172]。
外部から肉体に加えられた刺激を相殺する力場を作り出し、外的な力による変化をキャンセルする。刃や銃弾も通さず、刺突・切断・打撃・圧迫による損傷も通さない。酸やアルカリによる変質も受け付けない。電撃を受けても、電流は皮膚の表層を流れるにとどまる。皮膚と筋肉組織を透過するものでない限り、熱や電磁波の影響も受けない[Ⓝ劣-SS-340・341,Ⓝ㊕星呼-172,Ⓝ㊕美獣-下-33・34]。
デメリットもあって、この魔法を使用すると著しい空腹状態に陥る。『ジークフリート』は外部からの熱すら遮断する一方で、肉体から放出する熱は遮らない。これを熱交換の観点から見ると、『ジークフリート』を発動中の魔法師は厳寒期の極地の寒気に曝されているに等しく、発動中の術者の細胞は体温を維持するために全力でエネルギーを生産している。このため、身体に蓄えた栄養分、カロリーを消費し尽くしてしまう[Ⓝ劣-SS-346・347,Ⓝ㊕美獣-下-50]。
使用履歴
1回目
- 日時:2095年12月24日
- 場所:竹芝埠頭公園[Ⓝ㊕美獣-下-5]
- 状況:尾上旭との交戦中に使用[Ⓝ㊕美獣-下-31]
2回目
- 日時:2096年8月15日
- 場所:東富士演習場[Ⓝ劣-SS-]
- 状況:リンダ=ヴァールハイトおよびエマ=ヴァールハイトと交戦中に使用[Ⓝ劣-SS-]
3回目
- 日時:2096年3月30日
- 場所:南盾島[Ⓝ㊕星呼-171]
- 状況:南盾島事変にて、ラルフ・アルゴルと交戦中に使用[Ⓝ㊕星呼-171]
4回目
- 日時:2097年7月1日
- 場所:座間基地付近の公園(座間谷戸山公園?)[Ⓝ劣-26-291,管推]
- 状況:アレクサンダー・アークトゥルスが放ったトマホークを受け止めるために使用[Ⓝ劣-26-305・306]
その他
- 佐島勤いわく「『魔法を使うと腹が減る』という設定は、結構気に入っている」[Ⓝ劣-SS-358]。
- ドイツの古い伝説に登場する不死身の英雄、ジークフリートの名を冠せられた魔法で、「龍の血で不死身を得たジークフリート」の如き肉体を術者に与える[Ⓝ㊕星呼-171]。
- 一点に集中した物理的な衝撃を受けると、これを無効化するために『ジークフリート』が活性化し、余剰想子光がまるで火花のように飛び散る[Ⓝ㊕星呼-172]。
- 『ジークフリート』は肉体を硬化する魔法であり、身に着けている物を硬化するものではない。ゆえに『甲冑』とは異なり、『ジークフリート』の発動に使用しているCADが硬化されることはない[Ⓝ㊕星呼-177]。
- 『ジークフリート』発動状態で敵を攻撃すると、術者の「動作」(生体分子の相対座標の内部要因による変更)が終了するまで、外部からそれを止めることはできない[Ⓝ㊕美獣-下-33]。