『精神と肉体の情報通信に関する仮説』は、「大脳は独立の思考器官ではなく、真の思考主体である霊子情報体(=精神)から送られてくる情報を受信し、肉体の情報を精神に送信する通信器官である」とする仮説[Ⓝ劣-9-126,Ⓒ来訪-1-117・118,管補]。大脳を「精神と肉体をつなぐ通信器官」と見る現代魔法学の定説[Ⓝメ-9-195]。
USNAの魔法研究者の間で支持されている[Ⓝ劣-9-126,Ⓒ来訪-1-117]。パラサイトの事例
2095年末~2096年初頭にかけて起こった吸血鬼事件において、(パラサイトと化した)アルフレッド・フォーマルハウトの大脳には新たなニューロン構造(パラサイトの意識共有器官;小規模な脳梁に似た組織)が前頭前皮質に形成されていた。これは人間には無いはずの組織だが、USNAの科学者はこれについて「従来ダウロードされることの無かった未知の精神機能とリンクするものであると考えられる」と述べている[Ⓝ劣-9-125・126,10-157,Ⓒ来訪-1-116∼118,管補,管推]。
このときの質疑応答において、アンジー・シリウスは科学者に「その未知の精神機能が、外部から意識に干渉する未知の魔法という可能性はあるか」と問いかけた。これは要するに、「フォーマルハウトが誰かに操られてあのような凶行に及んだ可能性は無いのか」という趣旨の質問であると思われる。これに対して科学者は「仮説だが精神と肉体は一対一で対応するものと考えて間違いは無く、だとすれば他者の精神に干渉することはできてもそれが大脳の組織構造にまで影響することは無い。ゆえに(他者の精神の構造そのものを作り変える魔法でもない限りは)フォーマルハウトが操られていた可能性はない」旨を回答している[Ⓝ劣-9-126・127,管補,管推]。
またピクシーの説明によれば、この組織の生成はパラサイトの同化に伴う肉体の変容であり、人間をパラサイトに変える際に失われる血液の質量はこの組織の形成に用いられるものと思われる。なお同化に失敗した場合には生気として体外に排出される[Ⓝ劣-11-79,Ⓒ来訪-5-43・44,管補,管推]。
なお明記はされていないが、文脈からこの謎の器官には「電気信号を想子信号に変換する機能」がある可能性がある[Ⓝ劣-10-253,管推]。
睡眠時の通信状況
ノンレム睡眠は4段階のステージに分類されるが、この仮説(定説)に従えば「熟睡」と呼ばれている状態はステージ3とステージ4である。魔法学の発達以前はこの2つのステージを区別せずにステージ3も纏める傾向もあったが、現代魔法学の定説ではステージ3は「熟睡中にあっても大脳と精神の通信状態が保たれている状態」、ステージ4は「精神との通信が一時的に中断している状態」とされている[Ⓝメ-9-194・195,管補]。関連する魔法
作中では、精神と肉体の通信に干渉する魔法がいくつか登場する。
- ロッキー・ディーンが得意とする『ディオニュソス』は、精神と大脳の交信に干渉し酩酊状態を作り出す精神干渉系魔法である[Ⓝメ-8-149]。
- 東山知時は黒羽文弥の『ダイレクト・ペイン』について、「大脳と精神の通信に割り込んで精神に偽装した情報を認識させる魔法」と述べている[Ⓝメ-9-31]。
- 司波深雪の『ヒュプノス・チェイン』は、肉体と精神の通信を停止させることで領域内の人間の意識を強制的に遮断する魔法である[Ⓝメ-9-31・195・255]。
想子について
想子は意思や思考を形にする粒子であると同時に、物質的な肉体と非物質体である精神をつなぐ粒子、精神が発する指令を肉体に伝え、肉体が収集した情報を精神に伝える粒子であるとも言われている[Ⓝ劣-26-121,Ⓒイン-2-7]。



